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noteにメモした下書きのお焚き上げ

私の記事は、特に決まったテーマがあるわけでもなく、取り留めのないことをつらつらと書き並べるスタイル。

なので、ふと浮かんだことをパッとメモって下書きに置いておくことが多い。しばらくするとそのメモさえ忘れて、全く違うことを綴る…というとてもマイペース&マイウェイなスタイルでやっております。

そして今、noteの下書きには謎の言葉たちが自分の出番を待っている状態。正直、いつどんな気持ちでメモしたかさえ覚えていないものも多い。今日は過去の私が下書きに残した謎のメモの一部を成仏させていこうと思う。


その① わさび漬け、賞味期限内に全部食べ切ったことがない

わさび漬け。言わずと知れた静岡や長野、山梨あたりでお見かけする名産品…なのは知っているが、これをこの後どう膨らませて記事にしようとしていたのかがもう謎。

これは確か去年10月、母と姉が東京に遊びに来て、富士山を見たいというリクエストに応え、山中湖の旅館に泊まった時のメモ。
立ち寄った道の駅で、母は店内に並ぶ様々なサイズのわさび漬けを見ながら親戚へのお土産を吟味しているところだった。
そして、私に向かって一言。

「あなたにも一つ買おうね。わさび好きだもんね。」

私は全力でお断りした。困る!なぜなら、どんなに少量のわさび漬けでもなぜか永遠に冷蔵庫の中に鎮座しているからだ!

確かに私はわさびが大好きで、ランドセルにワサビチューブを入れて持ち歩いていたほど、鼻から抜ける刺激に魅了されるヤバい小学生だった。そんな私にぴったりなわさび漬けを全力で拒否する理由がわからない母。

いや、もちろん大好きだけど、わさび漬けの正しい食べ方がわからない。ご飯のお供?豆腐の上?なんらかの葉っぱに添える?
なぜかどれもしっくり来ない。わさび漬けはそれ単体で成立している気がする。だけど、お酒を飲まない私の食卓にはわさび漬けの出番が極端に少ないのだ。

困った。そして、咄嗟にこの言葉をメモった。
「わさび漬け、賞味期限内に全部食べ切ったことがない」

結局、母の優しさに応えて私の家にも小さなわさび漬けの瓶がやってきたのだが、それも今や賞味期限を随分と過ぎたまま、冷蔵庫の中に眠っている。
いつか現世において、私はわさび漬けを全て食べ切ることができる日は来るのだろうか。

その② お米を研ぐ水の冷たさに季節の変わりようを知る

私は俳人か歌人でも目指しているのだろうか。
察するに農家の親戚から毎年届くおいしい新米を食べる準備のタイミングでメモしたのだろう。
親戚から秋に届く新米は、いつも私の心をウキウキさせる。お米の炊き方ひとつで美味しさが変わる味に気づけるほど、舌は肥えていないけど、昔からお米はしっかりと冷水でチャッチャと洗うのが身についていた。

かなり長い同棲生活のあいだ、料理に凝っていたこともあったが、そのあと訪れたひとり暮らし期間には仕事がしんどくて料理をする気力さえ湧かなかったので、今でも自分のために料理を作るのは乗り気ではなく、ご飯と納豆で十分な僧侶的食事が習慣づいている。

だから、たまにキッチンに立ってお米をはかり、水道から出る水に手が触れるたびに季節の移ろいを感じるのだ。
夏には気持ち良く感じる水温が、だんだんと肌寒さに変わり、冬になると水に触れることさえ億劫になってしまう。

お米を研ぐ水の冷たさが季語になるような私の質素な食生活。
毎日料理をする人には生まれないのかもしれない感情。

なんだか情緒的なことを書こうとしたんだろうけど、この言葉もずっと下書きのなかで眠っていた。
言葉を綴るってむずかしい。表現するってむずかしい。

それでも何気ない時間のなかにふと浮かぶ言葉があって、なんだかいいなぁと思いながらメモを続けている。

下書きのお焚き上げはこれからも定期的に実施していきますので、よかったらお付き合いください。

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