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【Wayfarer】その翻訳どうにかしろ!〜不可解な否認理由〜

はじめに

ポータル申請、ポケストップ申請をしていると、承認されることがあれば否認されることもあります。
幾ら素晴らしい申請をしても落とされる時は落とされるので、百発百中なんて人は居られないものと思われます。
そんな否認された時には否認理由が来るのですが、納得できる理由の場合もあれば不可解な理由もあり、ほとんどは不可解な理由で否認されているという意見もあるほど…。
そんな不可解な否認理由について考察して行きます。

今回は、明らかにWayfarerの審査画面のUI、否認理由の表現上の問題、Niantic側の翻訳や表現がマズいだろ…という例を取り上げます。

Nianticは周知の通りアメリカの会社です。
日本人の多くが英語やアメリカの文化に疎いのと対照的に、Nianticには日本語や日本文化に精通している人がほぼ居ないと噂されています。
Niantic社員に日本人の方が居られることは確認していますが、Wayfarerの翻訳等に直接関わって居られるかまでは分かりませんし、本人のSNS上で質問したとしてもNDA(秘密保持契約)的に回答は不可能かと思われます。
これにより、日本語ネイティブである私達日本人にとっては間違った解釈をしてしまう翻訳や、理解が困難な言葉が使われている否認理由があり、この解釈違いにより否認すべきでないものを否認してしまう人が多く居る現状があります。
世界の中でも日本はIngress、ポケモンGOのユーザーが多い国なので残念に感じてしまいますが、Wayfarerではこれを受け入れた上で上手に立ち回るスキルが求められているかと思いますので、その一環として紹介します。

「配慮が必要な場所」

まずは不可解な否認理由の代表格のひとつである「配慮が必要な場所」。
Wayfarerを時々しかされない方や初心者の方はこの理由で否認されることが多いように思いますが、ある程度慣れた方や上級者がこの理由で否認することはほとんどありません。

「配慮が必要な場所」。
結論から言うと、この否認理由は明らかな誤翻訳だからです。
ずばり、英語版のWayfarerを見ると一目瞭然なので見せます。

位置の否認理由 (左:日本語、右:英語)

左側がいつも使っている日本語版、右側が英語版です。
勿論、否認理由の並び順はどの言語でも同じです。
英語版では「Location Sensitive」と書かれていますね。
本来は「センシティブな場所」と翻訳すべきところを「配慮が必要な場所」という変な翻訳がされているせいで間違った解釈で否認している人が多く居ます。

否認理由の「センシティブな場所」は下記の通り公式な不承認基準の説明がされています。

墓石(重要人物・歴史的人物とは無関係)や墓地のようなセンシティブな場所

Niantic Wayfarer - 不承認基準 (https://wayfarer.nianticlabs.com/new/criteria/rejection)

ここでははっきりと「センシティブな場所」と書かれているのに、審査画面で表現が異なるのは非常に不可解ですね。
そもそも、日本語での配慮とセンシティブは意味や用法が異なり、センシティブは扱いに細心の注意を要する敏感な物事を指します。

これにより、本来は承認されるべき魅力的な地元企業や個人店、飲食店などが承認されにくい状態になっており、いわゆる鉄板案件以外が承認されるのが困難な問題が起きています。

配慮が不要な場所なんて全く存在しない!

「配慮が必要な場所」で否認される方は、文字通りに解釈して店舗やその利用客に対して配慮が必要と判断して否認されているものだと思いますが、前述の通り「Location Sensitive (センシティブな場所)」の誤訳なので、「配慮が必要な場所」という否認基準は最初から存在しません。

WayfarerはNianticによって提示された基準に則って審査すべきであり、店舗に関して言えば、実際に利用したことがない店舗に対して特別な配慮が必要かどうかなんて判断出来ないはずです。

そもそも論、屋外でIngressやポケモンGOなどの位置ゲーをプレイしていて基本的な配慮を必要としない場面なんて全く無いでしょう。
ポケモンGOリリース当初に社会問題になり、一部の場所のポケストップが管理者申し立てにより削除されたのは、ゲームをプレイすることが最優先で自分本位になり、その基本的な配慮さえ出来無い人が多く居たからです。
歩きスマホは勿論のこと、車を運転したままプレイする人、レアポケモンが出たからと言って大きな道路の真ん中に押し掛ける人などですね。

その「配慮が必要」なことを理由に否認していると全てのWayspotを削除せざるを得なくなり、ゲームとして全く成り立たなくなるので、Nianticもそれを否認理由として掲げることはまずあり得ませんし、今後も考えられません。
NianticはIngressやポケモンGOの起動時に周囲に注意を払うように注意書きを表示することで、プレイヤーに注意を促しています。

Nianticには一刻も早く修正してもらいたいところではありますが、修正されるまでは「配慮が必要な場所」は「Location Sensitive (センシティブな場所)」のことだと思って審査していただければと思います。

レストラン、商店などの申請は歓迎されることが多い

2023年3月現在、レストラン、商店などは本noteを最初に執筆した当時よりも飛躍的に承認率が上がっていますが、「配慮が必要な場所」で否認されることはあり、その件に関して嘆いているツイートを時々見掛けます。
ポケモンGOの最初期はどうだったか知りませんが、私が知る限りでは今はお店を申請して承認されてポケストップになった場合、その店の管理者に嫌な顔をされている例を見たことがありません。
寧ろ歓迎される傾向にあると思っています。
今では、新潟県加茂市に代表されるように、ポケモンGO、ポケストップ申請で町おこしを行っている地域も出てきており、新潟県加茂市の取り組みは行政と連携していてかなり先進的なので、日本人Wayfinderならば視察に訪れるべき都市となっています。

ポケモンGOで、コンビニや飲食チェーンなどを中心に、スポンサーになっている企業はありますが、多くは大手企業で、基本的には期間限定です。
スポンサーになるためには、Nianticに何億円、何十億円と言われている莫大なスポンサー料を支払ってスポンサーになりポケストップになっており、そのスポンサー料が維持費になります。
中小企業や個人店がスポンサーになるには、金銭的に非常に敷居が高いと言えます。
そんな中、ゲーム内で広告を出す、店舗公式サイトへのリンクを張るなどは出来ず、S2セルなどの影響を受けて必ずポケストップに出来るとは言えない点はあれど、有志のポケストップ申請により無料でポケストップになることが出来ます。
知名度向上、集客に繋がる可能性も高いので店側にメリットは大きいと言えます。

私も、銭湯や公衆浴場の申請を行っている中で、承認後のツイートをしたところ、銭湯の方や銭湯愛好家の方から感謝の声を頂いている一方、嫌な顔をされたことは一度もありません。

まずは臆せずポケストップ、ポータル申請してみましょう。
店舗の方とお店をポケストップにしたいと話すと、案外話が盛り上がり、店の詳しいことについて教えていただけるかもしれません。

「学校 (K-12)」

学校はWayspotとして不適格とされていますが、全ての学校ではなく、否認される学校には一定の条件があります。
否認理由で「学校 (K-12)」を選択すると下記のように書かれています。

小・中学校、または高校の敷地内にある候補に使用します。これには、保育園・幼稚園、児童保護施設等も含まれます。

Niantic Wayfarer

要するに、幼稚園、保育園から小学校、中学校、高校までが否認です。
特別支援学校、児童養護施設なども含まれ、これらも否認となっています。
仮に幾ら世界的に有名な施設や石碑だったとしも、これらの学校の敷地内にあると基本的に否認対象になるので注意が必要です。

高校までは基本的に学校関係者や卒業生しか立ち入れないことから、ゲームがきっかけで学校周囲に群がられて学校の教育活動を妨害することになったり、不法侵入などされたりすれば困ると言う運営の配慮からでしょう。

一方、専門学校や大学、短大など、高校卒業後に入学する「学校」や「教育機関」は含まれておらず、大学施設は既に多くがWayspotになっています。
特に大学の場合、高校までと異なり一般人が立ち入れる場合も多く、学問が集合する場所としての意味や、興味深い施設などコミュニティとしての役目が大きいからと思われます。

しかし、実際は大学施設も否認されることがある現状があります。

何故か…。
「学校 (K-12)」という日本人にはわかりづらい表現が原因です。
普通に「幼稚園/保育園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校と児童養護施設」と書けば良いところを「K-12」という変な表現を使っているせいでその意味が分からない多くの人が「学校=否認」と解釈してしまっているからです。

「K-12」とは、「kay-through-twelve」の略です。
Wikipediaより、「幼稚園(KindergartenのK)の年長から始まり高等学校を卒業する(12年生=高校3年生の学年)までの13年間の教育期間」のことです。
飽くまで米国の教育制度の概念なので、日本では知らなくて当然なのです。
日本では高校3年生のことを12年生なんて言わないですからね(笑)

日本人で「K-12」と言われても、すぐに理解できる人はほとんど居ないので、早く分かり易い表現に修正してほしいものです。

「場所が不適切」

居酒屋や歴史的価値が高い酒蔵などで、「場所が不適切」で否認された人は非常に多いと思います。
私はお酒は飲まないのでこのような申請は滅多にしないのですが、「居酒屋」が「場所が不適切」で否認されたことがあります。

否認理由「場所が不適切」を選択すると、下記のような説明文が表示されますが、実際にどのような場所が不適切とされるのでしょうか。

露骨または不適切と見られる実際の場所が候補の場合に使用します。

Niantic Wayfarer

ヘルプの不承認基準を見てみると、下記のように書かれています。

6.不適格な位置、場所、または対象物
・歩行者がアクセスできない安全な場所ではありません
場所が、私有住宅(歴史的であっても)、農地、幼稚園から高校まで(幼稚園、小学校、中学校 / 高校)、保育園 / デイケアセンター、リハビリセンター、避難所です。
・場所が、酒屋、射撃場、銃器店などの成人向けの店またはサービスである、あるいは性的および / またはわいせつなコンテンツを提供している
緊急車両の通行や、消防署、警察署、病院、軍事基地、工業団地、発電所、交通管制塔の運営に支障をきたすおそれがある場所
・位置、場所、または対象物が一時的なもの、または永続的なものである可能性が非常に低いもの
・墓石(重要人物・歴史的人物とは無関係)や墓地のようなセンシティブな場所

7.不適切な場所
意図的かつ戦略的に配置された場所で、一人のプレイヤーや集団に有利になるように配置された場所。 または、Wayspotを関連する対象物から遠ざけるためのロケーション編集(例えば、別の都市や国に移動させたり、より便利な場所に移動させたり)。

Niantic Wayfarer - ヘルプ > 不承認基準 (https://wayfarer.nianticlabs.com/new/help)

その内関係が深そうなのは6の「場所が、酒屋、射撃場、銃器店などの成人向けの店またはサービスである、あるいは性的および / またはわいせつなコンテンツを提供している」か7になりそうです。
7は、1つのS2セルにジムやポケストップを集中させる、自宅の位置にWayspotを移動させる等のために位置編集を行うなどと言った不正行為が該当するため、今回の件には該当しないです。

射撃場、銃器店は日本では一般的とは言い難いです。
日本は銃社会では無く銃刀法で拳銃の所持は禁止されているため、猟銃や競技用の銃を販売する店はあっても拳銃を販売する銃器店は存在しないです。

酒屋に関しては、アメリカは州によっては親と同伴でも未成年は立ち入り禁止だそうです。
日本の酒蔵、酒屋は酒を購入しないならば基本的に未成年でも立ち入り可能で、居酒屋は飲食店(レストラン)扱いになり、未成年でも酒を注文しないならば利用できます。
なので、他の基準を満たしているならば承認で良いはずです。

ここもアメリカの文化が現れているように思います。
この項目に関しては学校(K-12)と同じく、英語版でも同じです。
文化の違いを踏まえて多言語版を作ることはもっと難しいです。

おわりに

今回は翻訳がマズいと思われる否認理由について取り上げてみました。
偶には英語版で審査すると発見があるかもしれません。
※UIが英語になるというだけで、今まで通り自分のロケーションにあった候補が割り当てられますし、コメントは日本語で入力できます。

やはり英語が堪能な方は本当に憧れますね。

では…。

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