四の五の言わずにコンドームを出しなさい
noteは年齢層が高いので、今更避妊の話をしたところで「そんなの知っとるわい!」と思われるでしょう。
では、お尋ねします。
あなたはお子様にコンドームの使い方を教える予定はありますか?
教えるとして、何歳になったら教えますか?
最初に断っておきますが、何も「家で避妊について絶対教えるべき!」という内容ではありません。
教える・教えないは自由ですが、日本の性教育について常々思うところがあるので筆を取らせて頂きました。
「はどめ規定」って知ってます?
日本の保健体育の教科書は、国が定める学習指導要領に沿って作られている。
その指導要領の中に「妊娠の経過は取り扱わないものとする」という一文があるのだ。
つまり、受精と妊娠後については教えるけど、肝心のセックスについては教えないよということになっている。
近年の教科書ではデートDVやら性被害についての項目も教えるようになったが、セックスには一切触れない。
「性暴力はいけません」と書いているのに、具体的に何をしたらアウトなのかは教えない。
「妊娠の経過は取り扱わないものとする」という言葉が歯止めをかけているからだ。
このアホみたいな一文を通称「はどめ規定」と言う。
何故教えないのか。
それはとどのつまり、子供にセックスをしてほしくないからだ。
教えたらGOサインだ、という誤解
息子さんがいる女友達に、ある時こんなことを言われた。
「高校生の息子に最近彼女ができたみたいなんだけど、変なことしてないか心配で…」
「心配なら、コンドーム渡しとけばいいんじゃない?」
「えっ…。そんなことしたら、してもいいよって意味になっちゃうじゃない!」
「あ、そうだよねー、あはは」とか言いつつ、心の中で私は思っていた。
いや、ゴムがあろうとなかろうと息子さんセックスしますよ、と。
彼女が特別な考え方の持ち主というわけではない。
おそらく世の親御さんというのは、子供がちゃんとしたパートナーと結婚するまでは、できればセックスしてほしくないと思っている。
だから結婚前の交際にはあれだけ気を揉むのに、いざ結婚したら「孫はまだか」などと言う。
自分が子供に「毎日のようにセックスしろ、中出ししろ」と言っているのと同じだということにも気付かない。
先に述べた「はどめ規定」も親心が裏目に出た結果なのだ。
教えなければやらないだろう、という希望的観測。
うん。気持ちは分かるんですけどね。
未成年の性欲ナメんな。
結局泣きを見るのは女
まずこちらの表を見てほしい。
教えなければセックスしないはずなら、何故こんなに中絶している女子がいるんでしょうね。
不思議ですね。
「知識もないくせに股を開くバカ」
「何にも考えてない低能女」
望まない妊娠をしてしまった子をそう批判する人もいるだろう。
学校ではセックスや避妊の具体的なことは教えてくれない。
家でも教えてくれない。
でも身体はすっかり成長し、恋人だって作れる。
好きな人のことをもっと知りたい。
もっと一緒になりたい。
そう思った時、セックスに踏み出すのは果たして安易なことなのだろうか。
子孫繁栄のために備わった「性欲」は、そんなに悪なのだろうか。
男女ともに正しい知識を身に付けさえすれば、たとえ10代でセックスをしても悲しい結果にはならない。
「教えなければやらない」は、教育の思考停止であり、放棄なのだ。
すごい母親もいる
ここで友人のアイカのエピソードをご紹介したい。
高校の入学式の日のことだそうだ。
式の帰り道、一緒に出席してくれた母親から「ちょっとドラッグストア行くから付き合って」と言われた。
なんかシャンプーでも買うのかと思って着いていくと、アイカの母親は店内の奥へとズンズン進んでいき、衛生用品コーナーで立ち止まったのだ。
「いい?大体こういうコーナーに置いてあるからね」
そしてコンドームをひとつ手にすると、母親は真剣な眼差しで言った。
「私は妊娠しやすいから、多分あんたもすぐ妊娠する。だからこれを必ず持っておきなさい。いざという時には、自分からちゃんと出すの。分かったわね?」
アイカは3人兄妹の末っ子なのだが、母親から「私はお父さんと3回しかしてない」と聞かされていたので、深く納得したそうだ。
彼女は真面目な子だったので、パッケージに書かれている「正しい装着の仕方」を熟読し、おかげで望まない妊娠をすることなく結婚し、現在は2人のお子さんのママになっている。
2回しかしてないかどうかは聞いてないが。
身に付けて損な知識などない
冒頭に「家で性教育をするべし、ということを言いたいわけではない」と書いたが、学校で教えてくれない以上は他の場所で知識を得るしかない。
母から娘へ、父から息子へ教えられることは、たくさんあるのではないだろうか。
私には子供がいないので、そんな人間に教育を語られたくないとお思いの方もいらっしゃるだろう。
ただ、望まない妊娠や性病は、正しい知識さえあれば簡単に防げるのだ。
「大人になっていくうちに何となく知るだろう」と思う親御さんもいるかもしれないが、AVで得た知識をよそのお嬢さんに悪意なく強要する男子もいる。
避妊方法は色々あるが、性病も防げるという意味ではやっぱりコンドーム最強かなと思うので、正しいコンドームの着け方を紹介して終わります。
※新宿レディースクリニックの院長・釘島先生推奨の動画です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?