滞在時間が長いコワーキングスペースに求められること
株式会社Office Breath代表の本多夏帆(@natsuhonda8)です。
2018年にコワーキングスペースBreathをオープンしたときは、お客様の多くはフリーランスで働く方でした。
当時は複数の加盟店を転々と使えるコワーキングスペースが人気があったように思います。
それがコロナ禍によって「できるだけ移動を控えましょう」という世界に。
コロナ禍で利用者の滞在時間が急増
緊急事態宣言などでテレワークが推奨されると、コワーキングスペースにも大きな変化がありました。
これまで来ていたフリーランスの方に替わり、テレワークを始めた会社員の方が増えたのです。
急に会社に来るなと言われても、みんなが自宅で仕事ができるわけではありません。
家だと集中できない、小さな子どもがいる、ネット回線が遅い、そもそも仕事できる部屋がないなど様々な理由があります。
Breathでも最初の緊急事態宣言のときに長時間の利用者が急増しました。
フリーランスの方は集中して仕事をするために数時間だけ来る方も多かったのですが、会社員の方はフルタイムで働けば8時間。
今でこそだいぶ落ち着きを取り戻しましたが、がっつり5〜6時間ほど利用するという方が曜日問わず多い印象です。
どこまで椅子の座り心地を良くするか
Breathは、カフェのような雰囲気も特徴のひとつ。
とはいえ、一日中いるにはどうしてもしんどい部分も出てきます。
まずは「椅子」です。
クッション性がそれほど高いとは言えず、長時間座ったままでいるとお尻に負担がかかることも。
これは「クッションの持ち込みOK」にする解決策もありますが、必要以上に長居する人が増えてしまうと、売上が下がる原因ともなります。
固定料金のコワーキングスペースとしては、滞在時間が短いほうがありがたい側面も。
そういった問題を解決するには、値段で椅子に差を付けるという考え方もあります。
現実的には椅子だけで値段を変えるのは難しいので、自由席と固定席で椅子に差を付けることになると思います。
固定席とは、契約した月は自分だけしか座れない自分の席、自分の机です。
高いお金を払って固定席を契約した人は良い椅子が使えるというわけです。
固定席でなくとも環境を整えた特別ブースを用意して、そこを利用するには追加料金がかかるといったやり方も考えられます。
Breathはスペースが限られるため、実は固定席がありません。今後の課題です。
テレワークによるオンライン会議多発問題
もともとは打ち合わせなどもOKとしていたのですが、感染症対策で奥のワーキングスペースでの会話をNGとしました。
と言ってもテレワークにオンライン会議はつきもの。窓の外側のデッキや入り口付近のカフェエリア(こあがり、ラウンジ)ではマスク着用での会話OKとしています。
Breathは基本的にオープンな空間。つまりは音がだだ漏れになります。
何人ものオンライン会議が被ると、とてもやりにくそうで申し訳ない気持ちです。
快適にオンライン会議のできるコワーキングスペースにするなら、防音の個室ブースは必須と言えるでしょう。
これもBreathの課題のひとつです。
騒音などに理解ある人に利用してもらう
Breathには「赤ちゃんみまもりサービス」があるため、はじめから静かな環境を求める人には向かない施設でした。
そのことを理解してもらってから会員になっていただいています。
集中したい方にはノイズキャンセリングイヤホンの無料貸出を行っています。
最初にちゃんと説明し、実際に利用してもらって気に入ってから月額会員になってもらう。そうしないとクレームに繋がってしまいます。
静かな環境がいいという人ばかりではありません。シーンとしたスペースは緊張感があって集中できない…とBreathに来てくださる方もいます。
大切なのは、その場の環境に合う人に利用してもらうことだと思います。
靴を脱いでスリッパでリラックス
カフェなどは基本的に靴は履いたままですよね。
コワーキングスペースも靴が脱げない場所がほとんどです。
Breathのワーキングスペースは土足厳禁。スリッパで利用してもらっています。自分のスリッパを持ち込んでもらうこともできます。
下駄箱やスリッパ置き場などの場所が必要になるというデメリットはありますが、お客様に好評なのでおすすめです。
Breathの課題ばかりを公開する記事となってしまいましたが、お客様の滞在時間と環境について考えてみましょう。
コワーキングスペースの運営に興味がある方はこちらもどうぞ。
読んでくださりありがとうございます。お役に立てましたら幸い、いつも前のめりで書いています。