ヒグチアイ独演会【反応】ライブ備忘録 2023.12.3 長野LIVE HOUSE J(第1部・第2部)
光陰矢のごとし
あっという間に今年も師走に突入してしまった。
今年の年頭に立てた目標を見てみると、すでに目標に達し、次なる段階に上っている目標があり、『あぁ、やっぱりちゃんと自分も頑張ってきたんだなぁ』と、初めて自分で自分をほめたいくらいな気持ちになることもあれば、その一方で、まったく手付かずで『どないなってんねん』という宿題もたくさん見つけてしまうので・・・どちらかというと、その後者のほうが多く、『そんな目標もあったなぁ』と・・・
♪過去形にして記憶の隅におしやるの♪
・・・気が付けば歌声が耳の奥に心地よく駆け巡る。
5月にコロナが5類となり、長い長いトンネルを抜け、ようやく大手を振ってライブハウスにも通えるようになった。マスクなしでライブに参加し、歓声やシンガロングができる、という、今年の始めには絵空事のように思えた“あたりまえの日常の幸せ”に気付くことが出来た1年でもあり・・・
♪わたしのしあわせはだれのものでもない♪
・・・やはり誰かの歌声がピアノの旋律とともに余韻を残していく。
そういえば、今年の夏は本当に暑かった。9月まで残暑はとどまることを知らず、10月始めまで、夏のような気候であったことを思うと、この先の季節の過ごし方を憂うばかり・・・
♪エアコン高いよ♪
・・・あの揺るぎなさと微笑ましいチャーミングさが入り混じる歌声が・・・
どうしてこうも、この1年を振り返ると、ことごとく、あの歌声がここぞとばかりに日常の挿入歌としてスッと入り込んでくるのだろうか?
結論から申し上げると、自分の2023年の日々のタイアップがヒグチアイだったから ・・・
ので(進撃の巨人のミカサ風に笑)、今年のライブの締めくくりがアイさんで本当に良かった。
2023年12月3日
長野市に降り立つ
自分にとっても特別な街であり、思い入れもある、第三の故郷くらいの位置だ。
そんな街で、アイさんに逢えることも何よりもの幸せであるし、まさか1日2公演も参加できるなんて、贅沢にもほどがある。
“1日2公演の楽しみ方ってなんだろう??”
そんな疑問の答えを探しながら指折り数え、その日は、もったいぶることなく淡々とやってきた。
長野ライブハウスJ
こじんまりとした地下空間の夢舞台・・・個人的にはやっとここに来られたという感慨が深い
洒落たバーのような外観の壁に貼られている無数のミュージシャンのポスターが、ここが長野の音楽の発信地のひとつであることを物語る。
年季の入った折り畳みスタンド看板に『ヒグチアイ独演会“反応”』とポスターカラーペンの手書きの告知があり、どこか温かみを感じさせている。
どことなく『ヒグチアイ』という文字を少しでも目立たせようと、出来うる限りのスペースを占用して、その名前が書かれているような印象もあり、30年という長い歴史の半分である15年を親心で見つめてきた優しさも伝わってくるかのよう。ちょっと感動してしまう。
そんな看板の横には今回のツアーフラッグとして、もうお馴染みになった、赤い“シノワズリ”の模様
大阪から名古屋、そして、次なる東京へ、ちゃんとバトンが繋がっていくのだな、ということを実感できる 。
第1部の開演は15時であり、ライブハウスのオープンは14時30分
到着したのは14時15分頃だった
「チケットの番号は入場順ではありませんので、慌てずにお待ちください」
その言葉を聞いて安心したのか、ライブハウス入口を素通りし、右側通路の一角にある物販ブースへと足を運んでしまう。
来年1月24日発売のニューアルバムを予約すると、会場“限定”で直筆メッセージカードがもらえるアレだ。
“上田のタワレコで予約してるし・・・もう1枚買ってもねぇ・・・”
何かと入り用な年末なので財布の紐は固いはずだったが・・・
“直筆メッセージカード・・・なんて書いてあるんだろうねぇ・・・”
限定に弱いファン心理を上手くついたものだ・・・その戦略にはいつも頭が下がります。
気が付くと予約カードにちゃっかりとサインしてしまうもんだから、推し活とは健気で尊い・・・
14時30分のオープン時間には、ライブハウス入口で店長さんがチケットのもぎりをしてくれる。コロナ禍、ライブハウス存続のためのクラウドファンディングを企画された際に、サイト上で、アイさんもコメントを寄せられていたが、店長さんも顔写真入りでコメントを寄せていて、まさにあの方だった。
入場すると、すぐ右手の受付口でドリンク券を購入し、ライブスペース入口前のちょっとした通路でドリンクバー注文待ちの列に並ぶ。その通路の壁には、アイさんの歴代のアルバムポスター(直筆のコメント入り)が貼られている。さすが、アイさんのホームグランド!とまた感動してしまう。普段から貼られているのだろうか?それとも、ツアー中に限ってのことだろうか??
ライブスペースには丸椅子が整然と並べられていて「うわぁ〜新鮮〜」という入場客の声が漏れる。オールスタンドの日常とはまた違う光景なのだろうか??アイさんのライブの場合では、日常の光景とも言えそうだが。
ドリンクバーのカウンターでジンジャーエールを注文し、自分の席を探す。丸椅子の座面に貼られた【座席 番号〇〇】を探すと、
“あった!お!近いなぁ!”
座席位置としては、2列目で前回の名古屋と同じだが、名古屋よりも真ん中で、いや、真ん中というよりはキーボード(今回はピアノではない)のほぼ真正面で、ステージから、2〜3メートルといってもよいぐらいの至近距離だった。そのため、ライブ中は、前の席のお姉さんとアイさんが丸被り状態で、アイさんの首から上を正面から眺めるイメージだった。良い席に違いないが、ちょっと見上げる感じが首に負担があったのも事実・・・(年を感じる??)
15時00分、第1部がいよいよ開演する。
『ヒグチアイです~よろしくお願いしまーす』
名古屋に引き続き、ユルい感じの独演会の始まり。前回の名古屋と同じ赤いドレスのお召し物に、靴下(本日は二又指の靴下・・・アイさんは、恥ずかしいのであんまり見ないで、と言っていた)の独演会スタイル。
「長野はすごい久しぶりのライブで・・・いや、この前(10/1)やったか・・・」
とさっそく天然発言
「でもJでやるのは凄い久しぶりです。1曲目から手拍子をお願いします。」
M1.自販機の恋
手拍子で始まる和やかな独演会。名古屋でも感じたが、全体的にポップな独演会の構成を感じたし、重苦し過ぎず、調和を目指したような、前向きで客席を置き去りにしない温かさを感じる。それが今のアイさんの心の内とリンクしているのだろうか?この世界観が本当に居心地良くて、30代という年齢も関係してくるのかもしれないが、20代よりも余裕のある温もりがさらに備わってきているのではないかな、と感じてしまう。手拍子をしながら、あっという間に終わった。
続くMCで、アイさんが衝撃のカミングアウト
「さっき、新幹線で、富山まで行ってしまって、東京から長野で降りるはずが、夢の中のお告げで行ってしまって・・・気付いたらたくさんスマホに着信がたくさん入っているし」
ホンマかいな
「JRの駅員さんがとっても優しい方で、自由席で乗っていってもいいよ、と言ってくださって・・・。いろんな方に迷惑をおかけしましたが、間に合ってよかったです」
本当に良かった
M2.バスタオル
こちらも、名古屋に引き続き手拍子で和やかに聞き入る。ただ、コール&レスポンスが無くなっていて、どうしたもんだろう??名古屋では、すごくイイ感じだったのに、不採用になった理由は定かではないが ・・・アイさんの天然で忘れて・・・いや、これ以上、追い打ちをかけるのは名誉にかかわるのでやめておこう(笑)
M3.恋の色
独演会の雰囲気がグッとしまる。相変わらず、心の奥までキュンとしてしまう切ない名演で、主題歌のドラマがハッピーエンドだったのが救いだったというのか、切ないシーンのたびに、この曲の存在感が強かったところもあった。もしも、悲しい別れで終わる映画やドラマの挿入歌だったとしたら、名作になってしまうような。『恋の色』ひとつとってみても、名作を作り上げている気がする。
このあたりのMCで、ライブハウスJの30周年のお祝いやアイさんが、高校時代のコピーバンドで、Jのステージに立っていた思い出話が展開された。
「そのバンド時代の友達から、先日、子どもが生まれた報告があって、わたしと1日違いの誕生日だったんですが、「1日違って生まれてたら歌姫だね」とか言われて、「いいにわ(11/28)の日よりいいにく (11/29)の日のほうが食べるのに困らないんじゃない」と返事をしました笑」
ジモトークの縁の話がまだまだ続く
「高校時代に付き合っていた彼から、昨日突然、SMSが来てて【テレサ・テンのお墓は日本に向いているらしい】というよく分からない内容だった。そのあと【ごめん、酔っ払っていた】と返ってきました。今日、来ていないことを祈ります」
「今まで、色んな恋愛の体験を歌にしてきましたが、余計なことを言ってしまったみたいな後悔が最近は強くなって、そんなことを歌にした新曲です」
M4.最後にひとつ(新曲)
こちらも手拍子スタイルで楽しく聴くが、ちょっとMCの後に聴くと、少し切ない感じもした。過去の恋愛への感謝と惜別、悲しみや憎しみの先で見つけた優しさが、達観した領域まで進んでしまったかのように・・・ これから先のアイさんの曲作りの原動力は次の段階に進んでいくのかな、と。アルバムでこの曲がどんな存在感になるのか楽しみでもある。
M5.誰でもない街
濃密な独演会ミッドナイトタイムへ。オリジナルバージョンのfox capture planのアレンジでは軽快な陽気さも感じられるが、ソロだと、ミステリアスでサスペンス感が一段と強まって聴き応えがあるのがまた興味深い。
M6.備忘録
『備忘録』に入る前のソロパートは1曲分に匹敵するほどの名演で、真剣に力強く、時に繊細につまびくアイさんの表情と指先(キーボードに隠れて見えなかったが、後ろの壁に影として映し出されていて見る事が出来た)が忘れらない。名古屋のライブレポでも書いたので、細かいところは割愛するが、やっぱり感動する 。引き込まれる、緊張感と包み込むような包容力・・・
♪25になったら地元に帰ると言っていたのに帰るような勇気はありません♪
このフレーズを地元で聴くと本当に感慨深すぎてしみじみとしてしまう。
続くMC
「2023年はたくさん仕事をしてきたが、もう少し、魂を遊ばせたい。仕事だけじゃないことも やっていきたい。2023年はそのぶん、たくさん仕事をして、これまでも楽曲提供もたくさんしてきたが、そんな曲もカバーしてみたくて、大阪や名古屋ではのんちゃんに提供した曲を演奏したけど、ここでは香取慎吾さんの曲をカバーしてみたいと思います」
えっ!?
M7.ひとりきりの二人
アイさんいわく、慎吾さんのイメージは「SMAPのイメージがあったが、お逢いすると、ひとりの人間なんだなぁ。抱えきれない思いもあったんだなぁ、とほんの少し共有させていただいた」そんな出会いから生まれたこの曲の世界観も慎吾さんの想いを汲んだ内容だったんだと、気付かされた。抱えきれない思いを共有することで、独りでいても二人のような安心感を与えてくれる。本当に温かな曲だったんだと改めて気づかさせてくれる。慎吾さんの安心感のある歌声とはまた違うアイさんの芯の強い拠り所のある温かい歌声も聴けてうれしかったし、忘れられない名演だった。いつかステージで共演する2人を見てみたい。
M8.まっすぐ
名古屋では静かに興奮しながら聞き入っていた「まっすぐ」は、やはり心にしみる。故郷ともリンクしていて、なお一層、しみる。。。これ以上の言葉では表現できない。
M9.悪魔の子
なんだろう・・・ヒット曲枠という印象で聴いている感もあったが、この公演の第1部では、ものすごく響いたというか、第1部で一番心に響いたのは意外にも『悪魔の子』だった気がする。圧巻だった。やっぱり、大衆から支持されるということはそれなりの理由があったのだと。アイさんを育ててくれた故郷のライブハウスへの恩返しというのか、一段と気合が入っていたように感じて、そんな部分も少なからず響いた要素でもあった。
最後の曲に行く前のMC
アイさんの新しいアルバム『未成線上』というタイトルに込めた思いも語られていた。
「まだ見えない行き先のある終着駅の向こう側にあるところに自分は立っているんじゃないか。そんなような曲もアルバムにはたくさん入っています、この曲も・・・」
M10.いってらっしゃい
最後の曲として、新曲として、アルバム『未成線上』の1曲として、様々な思いが込められた演奏。
今回、『劇場』が演奏されなかったが、もしかしたら、その枠は『いってらっしゃい』が担っているとも思えた。
アンコールで着替えて飛び込んでくるアイさん
名古屋同様に、ツアートレーナーを羽織っているが、名古屋は白だったが、今回は黒で、ちょっぴりイメチェン
ここで、「3月には弾き語りで長野にまた帰ってきます」と嬉しい発表!!
「進撃のあとから一気に広まって、評価が自分の身の丈にあってないんじゃないか、とか心のバランスが不安定だった時期があって」
やっぱりそうだったんだ・・・
「これ以上はできないんじゃないかなという思いもあったけど、もう少し頑張ってみようかなとも思えて、それが『未成線上』であったり、そんな思いを込めた新曲です」
M11.大航海
やっぱり最高の演奏と名唱だった。弾き語りでも、ここまでの迫力やスケールを引き出せているので、これにアレンジを加えたらどんな世界になるのか、今からワクワクしてしまう。アイさん自身、最近は、感情が穏やかになってきたけど、このままでいいのかな?という思いもこの曲に込めているとのこと。これから大海に漕ぎ出していくという覚悟と力強さをひしひしと感じる。
「ありがとうございました〜!!!」
客席に向けて、全方向におじぎをするアイさん。『大航海』の余韻と、その笑顔に、次なる未成線上の先の未来への期待が膨らむ。
次なる・・・未来・・・・
いや、それがまた近かった
18時開演の第2部へ、この時点で16時30分なので、1時間30分後!!
いったんライブハウスを出て、(退場中に荷物を慌てて取り込んでいたらドリンクの氷を床にぶちまけてしまい、スタッフの皆さん、ごめんなさい)腹ごしらえに近場のレストランへ
昔ながらのナポリタンを食しながら、店内のBGMはユーミン。
歌姫の公演の合間に歌姫を聴きながら、ちょっと早めのディナーだなんて、♪いつもと違う日曜日なの♪ちょうど流れていた『ベルベット・イースター』に心浮かれてしまう。
18時00分、第2部が開演する。
第1部と同じ2列目だが、今度は一番左の席で、アイさんの姿もバッチリ見られて、時折、鍵盤をはじく指先も見られる特等席だった。それにしても、今回の3公演といい、昨年の飯山も、独演会は、何故か2列目ばかり。あと一歩、努力が足りないのか?幸運が続いているのか?分からないが、とりあえず、ありがたいことに変わりはない。
「よろしくお願いしまーす!」
先ほど1公演を全力で出し切ったばかりなのに、全然余裕なアイさん。
キーボードに座ると、1列目の座席が目につく。座席番号でいうところの3番、4番といったところか、最前列が空席になっている(結局、この席は終演まで空席だった)
「ここの席の方、気まずくないですか??」と思わず心配してしまうアイさん。
そして、「そんな気まずい中、皆さん手拍子お願いします」何事も無かったように第2部スタート(笑)
以下、第2部はダイジェストでお送りしますが、決して、第2部が第1部より劣っていたわけではなく、むしろ、自分は第2部のほうが楽しめたような気がしたくらい盛り上がったような気がする。
M1.自販機の恋
第1部よりもひときわ会場の手拍子が力強かった気がする。
MC
「第1部では寝坊富山トークに終始してしまったことに反省します。第2部では、もっとツアータイトルの『反応』のことにちゃんと触れていきたい。今年はたくさん曲を書いてきたが、恋愛の曲もタイアップで書いたが、最近は恋愛の記憶から遠ざかっている・・・そんな時に、地元の長野でどんな恋愛をしてきたか思い出すことがある」
M2.バスタオル
また、コール&レスポンスは無かった。会場の手拍子も、少しおさえめで良かった。
M3.恋の色
相変わらず響く。
MC
「独演会は、自分のデビュー日や誕生日がある記念日の近辺で開催していて、自分と向き合う時間になったらということで開催している節がある」
「反応というツアータイトルだが、〇〇反応とつく言葉に何か思いつく言葉が無いか考えているが、化学反応以外に何が無いか?大阪から言ってますが・・・また考えていませんでした(笑)」
「自分は人の言葉で変われるタイプではなくて、自分が見つけた体験を通して変わるタイプなんだと気づいて、そんな意味でも、『反応』というツアータイトルにしてみました。曲は、自分で見つける体験だと思う。 今回のライブからもそんな言葉を皆さんで見つけてもらえたら反応になるのではないか」
深い。これこそ音楽の本質だと思った。
M4.最後にひとつ
明るい会場の温かな拍手にまたも包まれる。
M5.誰でもない街
一転した世界観。このアイさんの切り替えがまたたまらない。
M6.備忘録
もう前奏のovertureも耳馴染みになるくらい印象的なメロディーラインで公式に発表してもいいくらいの出来だと思う。本編の『備忘録』が本当に凄まじかった。第2部で一番心に残った名演はこの曲だった。フィナーレのあのピアノのリフレインが、これまでの公演よりも早めに長めに弾かれていた気がしたし、この2公演のみならず、ここ最近のベストテイクに感じた。終わった後に、拍手をするのもためらうような独特な感動が会場に包まれていたことも肌で感じるくらい圧倒的な余韻があった。
MC
「昔、デビュー当時の18〜19歳の頃にテレビ番組にVTRが出ることがあって、自分のライブ映像を見ていたコメンテーターにヒャダインさんと綾小路翔さんがいて『この人はまったくお客さんのほうを見ないよね。もっとアン ジェラ・アキさんを見習った方がいい』みたいなことを言われて、おふたりを嫌いになったんですが(笑)たしかにアンジェラ・アキさんのライブを見たが、自分には同じようにはできないなと思った。自分は、こうはできないという消去法の中で活動を続けてきた。それでも、評価してくださって自分はここにいられて、ありがたい。ライブハウスも30周年で、自分も30年・・・続けられるようにがんばります(笑)」
M7.荒野に立つ
カバー曲コーナーは、第1部とは変わって、名古屋と同じのんさんの楽曲だった。アイさんバージョンの力強さにやはり感動する。
M8.まっすぐ
2023年ライブ納めの寂しさを感じた。そのぶん、しっかりと聞いた、涙腺ゆるむ・・・。
M9.悪魔の子
不協和音の不穏な前奏から、あのピアノの旋律で始まる。第1部に引き続き気合が入った魂を震わす名演
MC
「自分の家の近くにゲームセンターがあったが、撤去されて、何ができるかと思っていたら、駐車場になってしまった。でも、それがまた誰かの思い出になるとも思う。自分の曲も誰かの思い出になってほしいし、今日のライブで感じた思いも、何十年先に曲を聴いて、あの時、感じていた思いも思い出してもらえるきっかけになったらと思う。」
M10.いってらっしゃい
やはり、しみてしまう。
アンコール
第1部に引き続き、黒色のツアートレーナーに着替えて現れるアイさん
「さっきは寝過ごして富山に行ってしまったが、富山はすごい雨だった。これは長野も雨だろう、と思っていたら、長いトンネルを抜けると晴れていた。長野はいいところだなと改めて思った。長野は住みやすいなぁと、出てから気付くこともある。長野にはまた3月に弾き語りで帰ってきますが・・・バンドでくればいいのにね・・・わたし(笑)」
お茶目のバーゲンセール(笑)
M11.大航海
力強さに、目頭が熱くなる・・・これはアルバムで聴いたら、新しい感動がありそう。バンドで聴いたら、またとてつもない反応が起きそうだ!
「ありがとうございました!ヒグチアイでした!元気じゃなくてもまたお逢いしましょう!」
大きな拍手と、この日、2度目の、何とも言えない余韻に包まれたライブハウスで充実した、アイさんにとっても初めての1日2公演が終了する。
良かった。
思い出にちゃんと刻まれるライブだった。
だからこそ、ちゃんとここまでがんばってライブレポにしてみた。
忘れたくない思いは胸の中にたくさんあるけど、残念ながら振り返ることなく、忘れていってしまう。
良かった。
そのシンプルな感動の気持ちや思い出を、思い出させてくれるのが、音楽なのだと思う。
辛く悲しい思いもよみがえるかもしれない。
でも、そんな気持ちもひっくるめて、幸せでありたい、と願うのが音楽なのだと改めて感じた。
「人間・ヒグチアイ」にステージで出会うたびに、新しい感動と思い出ができていく
この『反応』は、きっとまた胸の内にきっと蓄積されていくのだと思う。
その先で、また笑って思い出せる瞬間があるといいな
まだ見ぬ未来へ
『未成線上』に立って
2023年もありがとうございました!!
元気じゃなくても
来年また逢えることを祈って!
つづく
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