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名古屋コミティア58を終えて

久しぶりのイベントだった。
約一年ぶり。
少しずつ色んなイベントが条件付きで再開されるようになり、私が主戦場としている(笑うところですよ笑うところ💦)名古屋コミティアとクリエーターズマーケットも、晴れて開催される見通しとなっていた。

イベントに出られる、それだけで果てしない満足感と懐かしさを抱え、いざ行かん❗
意気揚々と名古屋国際会議場のサークル入場待機列の先頭に陣取った。

ソーシャルディスタンス
人数制限による入場。
手指のアルコール消毒
マスク着用
入場前の検温
参加者連絡表の提出。

この一年間で新しい日常となった事柄をこなし、割り当てのブースにたどり着き、さあ設営だ。
お隣さんに挨拶をし、これから数時間、自分の基地となるまっさらなテーブルの前に立つと、いつもワクワクが最高潮になる。

予行練習通りにディスプレイを造りあげ、フェイスシールドを装着して、いよいよ開場となった。

この日の一般参加者は、午前の部、午後の部と分かれての入場となっている。

少しずつお客様が通路に見え始めた……が。

何か…こんなだったっけ…
違和感みたいな歯車の噛み合わなさがある。

コロナ以前の様相とは明らかに違っていた。

私は中止になる直前の一回しか出ていないのでそれよりも前のことはわからない。
なのであくまでもその直前の一回と比べての肌感覚での感想である。

お客様の全体数が少ない、それは当然と言える。
入場数は明らかに制限されているからだ。

しかし、お客様の様子も以前と違う。


一番それを感じたのは、今回、名刺が一枚も無くならなかったということだ。

お客様がブースになかなか近寄ってこられない。
作品を手に取られない。
簡単な感想のやり取りすらも無い。
マスクが標準になってしまい、視線もなかなか合わない。
以前であれば、通りがかりに、ちょっと立ち寄って軽くお話をして、お買上げなさらないまでも、あれこれと作品を手に取って見られるということがあった。
以前は、賑わいのあるブースにはひっきりなしにフォロワーさんや顔見知りさんが訪れたり、1つのテーブルを他のサークルさんと分かち合い、1日一緒に過ごしてよもやま話に時を過ごす。

作品以前に、人と人とのコミュニケーションが生まれるところ。
それがイベントの風景だった。

色んなことの大前提として、私は壁サーになるような超売れっ子作家でもなく、名もない島サークルの一人である。
そもそも売れてないだけだろ、と、ド本質を突いてこられると回れ右して黙るしかない。
今回は、いわゆる“撃沈”の日だったのかもしれない。
そんな人間が偉そうにコロナ禍のコミティアの総括をしようとしている。
でも、平均的な島サークルの人間が肌感覚で思ったことだ。

おそらくこの一年間で、誰もが、物理的に自然に人との距離を取るようになってしまったのだろう。
今日は、1つのテーブルに自分一人。右半分は何も置かない。人も物も無い。あってはいけない。

『さみしいなあ』
ずっと感じていた違和感を一言で表すならこれだ。
会場の端っこだったのでそれもあるかな。
場所も大事だよね。

撃沈と言いましたが、“ぼうず”だった訳ではないですよ💦 高い画集を買ってくださったお客様、ありがとうございます❗ありがとうございます❗

そして、私よりも実力のあるサークルさんには、ガンガンお客様がいらしていた。

だから結局今回のことで私が学んだのは、

『どのような状況になっても、見る人を惹き付け、手にとってみたくなるような作品を作るしかない』

という、ごく当たり前のことでしかなかった。

個人的なことで言えば、今回いらして下さったお客様に、
『これって新刊じゃないですよね?
前もありましたよね?』
と、お声掛け頂いたことで、やはりコミティアでもクリマでも、常連さんは新しいものを求めていらっしゃるのだなあと思った。
これも本当に当たり前のことなのだ。

頑張らなくては。
筆が遅いのは言い訳にならない。

(紙ものは大好きで毎日あれこれ作ってるので、クリマではかなり持っていく用意が出来てます。でもやっぱり手に取って頂いて初めて物流が生まれる訳で、やっぱりやっぱりコロナによる無意識のディスタンスは辛いかもなぁ~💦)

六月末までにはもう少し状況が落ち着いていることを祈るしかありません。
そして、私は私で出来ることを頑張るしかありません。
そして一般参加者としてイベントに来てくださる皆様。
どうぞ遠慮せず、前のようにクリエーターに話しかけてください。
少しずつ、コロナ以前の世界を取り戻していきましょう。


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