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祖母が生還しました。

記録として。



昨日のお昼に、デイサービスに通っていた祖母が、急に具合が悪くなり救急車で運ばれた。

「お母さん携帯忘れて連絡つかないし、デイの番号も慌てて聞かなかったからかけなおせなくて・・・」

と隣家に住む父から携帯に着信。

昨年末に母が倒れた時もそういえば全く同じ感じだったな・・・とどこか冷静に思った自分が一瞬いた。
頭の回転が良くて仕事ができる父なのに、こういう時って本当に子どもみたいで少しおかしい。

「OK,すぐいくね。」

実家ですぐさま着歴からデイに電話し(着歴という発想も抜けていた父よ、かわいいな)その時にはすでに救急車で運ばれていた。


結論からいうと、良性で年も年なので手術せずに経過観察していた脳腫瘍から出血し、くも膜下出血のような状態だった。


少し話は飛ぶけれど、ちょうど1カ月くらい前に、庭で遊ぶひ孫たち(私の子どもたち)を嬉しそうに見守る祖母を見た時、瞬間的に

あ・・・もしかしたら(その時が)近いのかもしれない

と思ったことを覚えている。

縁起でもないしもちろん誰にも言わなかったけれど、それは決して「嫌な予感」ではなかった。

どちらかと言えば、その時の祖母は光の粒子に近くなっていて(元々みんなそうだからね)すごくあったかくて柔らかかったし、ああ、天寿を全うするってこういうことか・・・とか思った。
なんかそれくらい神々しかった。

(逆に、若くても色々すり減らしてしまう人なんかは”薄く”なる。)

それでそこから2,3日は少し祖母のこと気を付けてみてたんだけど(2,3日だけかい、というつっこみはなしで。)なんかそのうちまたすごく俗世的な(笑)感じになってきたので、

あ、大丈夫っぽいな。思い過ごしか。

と思っていた。

そんなことをぼんやり思い出しながら、病院の待合室で家族とお医者さんの話を待っていた。
(母も虫の知らせで病院に行こうとしていたその時に帰宅した。)

お医者さんによると、

◎状態としてはなかなか厳しいこと
◎このまま放っておいたら危ないので即手術になること
◎手術自体も成功するとは言い切れないこと
◎成功しても元通りになる保証はできないこと

などを丁寧に説明してくださった。

手術後も面会できる人数は限られているので、母は
「大丈夫だから帰りなさい。子どもたちもいるんだから。」
と言っていたけど、なかなか心ここにあらずにみえた。

手術室に入る廊下で声をかけられるというので、父と母、私と弟で待った。

母は、意識がもうろうとした祖母に
「元気になって、またおいしいものいっぱい食べようね。」
と声をかけた。

待合室に戻ってから、涙ぐむ母の背中をさすりながら、どちらに転んでも、祖母が安心感に包まれますように、と思った。

本当に正直な気持ちを書くと、祖母がいつをその時に選ぶのかは分からないけれど、あんまり心配はしていなかった。

ものすごくたくさんの人に守られている人だし、絶対にあったかくて楽しいことを選ぶ人だから。痛いのも、たぶん最小限なはずだ。


病院に残れるのが2人なので、私と弟は先に帰宅した。

帰宅してからは子どもたちと「大丈夫!」と祈ったり、昼から尽力してくれた夫にたくさん「ありがとう」と言った。(母が倒れた時も、たまたまいてくれた。守護天使様みたいな人だな。)

9時間以上の日をまたぐ手術になると聞いていたので、夫と子どもたちは先に寝ていてもらい、私は一人、そういえば身体が冷えてる、と熱い湯船に入った。

ぼーっと思い出したのは、1年前に母が倒れた時のこと。

祖母は私の手を握って
「お願いね。お願いしますね。あの子のこと、アッコのこと。苦労ばっかりした子だから。無理したのよ。なっちゃん。本当にお願いしますね。」
と泣きながら繰り返していた。

あの時も、

ほら、お母さん!かづおばあちゃんより先にいくなんて、親より先なんてだめだよ!かづおばあちゃん、旦那さんと男の赤ちゃんほとんど同時に亡くしてて、これでお母さん先にいっちゃったらあんまりだよ!
お母さん!!絶対だめだからね!!!

って強く思ったけど、なんだか同じくらいこみ上げるものがあった。病院での母のぼーっとした顔も思い出して気づいたら話してた。

「ねえ、かづおばあちゃん。もしもういくなら、お母さんにだけは一言残していってね。大事な大事な、たった一人の娘でしょ?」

・・・・


「え?アッコに言うことなんて何もないわよ!」

いつもの、人の話を全然聞かずにずーっと楽しそうに喋ってる祖母の声が聞こえて、私は吹き出した。
肩の力は一気に抜けて、思わず声を出して笑った。


それから約2時間後、日をまたがずに手術は終了し、結果は驚くくらいの大成功だった。


つ・・・・強い・・・(笑)

向こうの人らにも追い返されている・・・(笑)


よかった。

本当に良かったよ。

もちろんまだまだ油断はできないかもしれないし、元通りに生活できるかはわからないけど、こりゃあきっと百まで余裕だね!


私は今になってどっと疲れが・・・笑

明日からもバタバタだから、今日は少しゆっくりしよう。


仕事関係でご迷惑おかけしたクライアントの皆さん、セッション延期に関して快くお返事くださりありがとうございました。

祈っていただいていたのも受け取っています。本当に心強かったです。


私もあずかったものを持ち主にきちんと渡すまでは死ねないな!とふんどし締め直しました。

ちゃんとお渡ししますね。


では、また書きに来ます。


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