見出し画像

難聴エッセイ │ ありがたい人

(2021年9月、Instagramで投稿した記事です)

マスクが当たり前の世の中になってしまって
多くの難聴者が、辛い思いをしている。
このマスクが、なんとまぁ分厚い壁か!

職場の話
本当はマスクを外して話してもらいたいけど、
毎回毎回外して外してって言うのは忍びないから、
まぁいっか、って思っちゃうこともあります。
相手の健康を脅かすことにもつながりかねないかも、その人にも外せない事情があるかも、外す外さないはその人の自由だよな、と思って言葉を飲み込む。

それに、相手の声の大きさや声質によっては、マスクをしていても聴き取れることもあるのです。
それで余計、この人にはマスク外してって言わないのにこの人には言う、人によって対応を変えるのは失礼だわと焦る。

軽度・中等度難聴者は、はたから見て困っていることが分かりにくい。
環境や状況や相手によって聴こえ方がコロコロ変わるから、本人もヘルプを出す一定条件を把握することが難しいのです。

周りからしたら、しゃべってるし、今の聴こえてるっぽかったし、大丈夫だねとどんどん忘れられて、本人もまぁいっか…って思ってしまってぐるぐると負のスパイラル。



そんなときありがたいのは、
私が難聴であることを"忘れないでいてくれる"人。

聴こえない人だというフィルターをかけずに、
でも聴こえないことを忘れずに、大きな声で話してくれたり、さりげなくマスクを外して自然に接してくれたりする人がいる。
他の人にも、話す人はマスク外して〜!って私の代わりに言ってくれちゃったりする。聞き返すと、"聴こえてなかったことを理解した上で"すぐに教えてくれる。

なんでそんなことができるんだろう、って、感動します。本当にありがたい。

そういう人がいるから、社会とつながっていられるんだな🌿
そういう人がいてくれるから、何度忘れられても(人間忘れることは当たり前)、何度でもお願いしてみよう!と少し活力が湧く。
ちゃんと自分から伝えないと、分からないもんな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?