漫画『チ。-地球の運動について-』を読んで曲を作った話
こんにちは。NaTsuです。
趣味でゆるゆると曲作りをしていますが、YouTubeにも自分が描いたイラストで作ったMVを投稿しております。
そして先日、宇宙をテーマにした曲 ”Galaxy” をアップしました。
題名の通り、この曲は魚豊先生の漫画作品である『チ。-地球の運動について-』に感銘を受けて作ったものです。
漫画から曲のインスピレーションを得ることは、今までなかったので、この曲を作ろうと思ったきっかけと感想を、こちらで記録できたらと思います。
【1】漫画のワンシーンから生まれた曲
漫画『チ。-地球の運動について-』は、宇宙理論の「天動説」が主流であった15世紀のヨーロッパを時代背景としています。
当時の社会でタブーとされていた「地動説」を、命の危険を冒してまで、研究する人間たちの生き様を描いた作品です。
漫画の中の人物が、それぞれ異なる感情で星空を見上げるシーンが多く描かれています。
絶望の中から見える希望や、
社会の不条理に対抗する信念。
無限に広がる星空を目にして感じる、人間のちっぽけさ。
物語の一つひとつ繊細な描写に心が打たれ、この言葉に表せない感動を何かしらの形で残したくて、今回の曲を作りました。
ぜひ、曲を聴きながら、以下の文章を読んでいただけたら嬉しいです!
【2】曲の展開と物語との関連性
[~0:31]
イントロ(曲の始まり)は、エレキギター、弦楽器と鐘という異色の組み合わせから。
聴き分けると、実はそれぞれ違うメロディーを奏でています。そして、どちらをメインメロディーとして捉えても良いのです。
違う時代に生きていても、様々な信念を持つキャラクターが、「地動説」によって繋がっていることを音で表現してみました。
[0:31~1:24]
ここからが、曲のサビとなります。
サビに入る前に、儚い流れ星のように、一瞬だけシンセサイザーの短い音階を入れています。
ここで、中国の伝統楽器である月琴を使用し、もう一つのメインメロディーを加えました。
月琴を使った理由は、とてもシンプルです。
使っているプラグインソフトでは、月琴はMoon guitarと言いますが、楽器の名前が星空や惑星など、曲のテーマとマッチしているな〜と、なんとなく感じたからです。
たまには、音の相性を考える前に直感に任せます。(笑)
月琴が加わった後に、この曲で一番好きなパートである、シンセサイザーのメロディが入ります。
この曲で使った楽器の中で最も音数が多く、また、音も全て表拍(音楽の拍子の中で、強勢のある拍のこと)に沿っていて、最も規則的です。
漫画の中のキャラクターが星空を見上げる絵を見て、このメロディが真っ先に頭の中で流れていたので、このメロディのために、この曲を作った言っても過言ではないほど、想いの詰まったパートになります。
[1:24~1:50]
NaTsu Beatsの曲は一貫して、1番目と2番目のサビの間に「ブリッジ」(つなぎ)を入れています。
大体、2番目のサビがクライマックスになるので、感情の高まりを作りやすくするために、ブリッジは音をあえて減らし、情報量をほどよく削ったパートになります。
[1:50~]
2番目のサビです。
1番目のサビとの違いとしては、転調をしていることと、長音のシンセサイザーが加わったことです。
1番目の方は、「星空を見上げる」という単純なシーンを表現するとしたら、2番目の方は「星空を知って世界が広がった」という、人間ならではの感情的な部分を表現したパートです。
漫画の中でいうと、真理に出会った主人公の心境の変化を表したところになります。
(ネタバレになってしまいうので、ここはざっくりとしたイメージで書かせてください。)
【3】おわりに
”Galaxy“の構成の特徴は、目玉となる一つのメインメロディではなく、単独でも成立する様々なメロディが重なって調和することです。
MVでは、この曲を通じて伝えたいメッセージを最後に書きました。
私たちは、普段人と関わっていく中で、日々色々な考え方に影響されながら生きています。
『チ。-地球の運動について-』を読んで、自由に考えることができ、そして考えることを選択することができる今の時代に生まれたのは、本当に幸せなことだと思いました。
辛いときや苦しいときに、この曲を通じて、少しでも勇気や希望を与えられたら嬉しいです。
それではまた!
引用
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