いちばんすきな花
第6話 2023/11/16(木) 22:00~
第6話。待ってました鼓太郎。
本記事では、ドラマ「いちばんすきな花」第6話のあらすじや台詞を、感想や考察を交えながらまとめています。
脚本や台詞が好きすぎて細かすぎるほどに残しているので、長いです!笑
※ネタバレを含みますので、これからご覧になる方はご注意ください。
●「いちばんすきな花」第6話
6-1. ゴミ袋の袋
前回のテーマ、優しさや善意を渡す側と受け取る側との話に対して、冒頭で今回は悪意だとばっさり判定する入り方、さすがです(笑)
こんなにもゴミ袋で続く面白い会話がかつてあったでしょうか。
新し日ゴミ袋を買うのが面倒だから、という理由でゴミ袋の袋をゴミ袋にしてしまうゆくえ。
ゆくえのちょっとした図々しさやずぼらが垣間見えて、いかに心を開いているかがわかります。
いつもゴミ捨てや掃除をキチキチとしていた椿の性格の細かさも伝わってきますね。
不動産屋からの電話は、この家に住み続けるかどうかという問題に関わってきそうです。
椿引っ越しフラグが現実味を帯びてきました。
そして、しれっとお風呂に入って椿宅に止まる紅葉くんが懐きすぎて可愛らしいです。
6-2. 毎日日直
制服を着ている=学校へ行く、といった固定観念を抱きがちですが、「おでかけ?」と聞くあたり、ゆくえちゃんらしすぎて好きでした。
希子ちゃんは最近学校へ行ってみているのですね。朔也による影響で少しずつ変化しているのかもしれません。
朔也も希子ちゃんのために給食をいつも持ってきてくれているとのこと。
このシーンのラストで映し出されたおのでら塾に飾られた花瓶、今日は黄色のお花、おそらくエピデンドラムだと思います。
エピデンドラムの花言葉は、「孤高への憧れ」「可憐な恋」「判断力」。
朔也と希子ちゃんの間に芽生えそうな恋を暗に示しているのかもしれません。
主人公4人だけでなく、朔也と希子も、"男女の友情"といったテーマに絡んでくるのかもしれませんね。
6-3. 4人が一番楽しいやつ
椿さんは今の一軒家を手放して一人暮らしを始めようとしているようです。
なんとなく気付きつつ、深くは追及しないゆくえちゃん。
紅葉や夜々も何かしら感じてはいそうです。
今、4人の集合場所になり部室になっている椿の家。
この家がなくなったら、もともと別に知り合いでも友達でもなかった4人は、ばらばらになってしまうのか。
4人を繋ぎ止めている家を手放そうと思いつつ、それによるこの関係性への影響を懸念しているのか、複雑そうな表情の椿でした。
6-4. 好きだった人の幸せ
ムラサキちゃんのことも初恋の男の子のことも「好きだった人」と表現した夜々。同性の憧れの友達に対しても「好きだった人」と言うのが、性別に囚われずに人として彼女に憧れていたという夜々らしさが伝わってくる台詞でした。
この好きだった人と好きだった人が~は、椿とゆくえがくっつくことのフラグになったりするのでしょうか?
何に紐づいていくのか気になるシーンでした。
夜々は椿を好きで、そのことをゆくえもわかっていることが、最後の会話からも感じ取れます。
好意を知りつつも、根掘り葉掘り聞きだしたり、おせっかいをしようとしないゆくえの性格が伝わってくる会話でした。
6-5. 授業参観みたいな人
椿さんが授業参観みたいな人過ぎて笑いました(笑)
なんとなく自分の家ではなく外に連れ出し外で会おうとしている椿。
よく泊まりにくる紅葉がもしも自分の家への引っ越しを検討していたら、自分の独断では家を手放せなくなると思ってのこの会話でしょうか。
家問題で揺れる椿の心が、松下さんの繊細な表情の変化からよく感じ取れました。
おそろでいろちの3人分のパジャマを用意していたこのみ。
なんでこんなにも夜々に心を開いているのか詳細までは描かれてきませんでしたが、夜々を受け入れて懐いているこのみちゃんが可愛いです。
6-6. 気付いてるよ
ゆくえちゃん、そうですよね、ゆくえちゃんほどの繊細さんが紅葉の好意に気付いていないはずがないんですよ。
このシーンまで、紅葉の好意は夜々だけが感じ取っていてゆくえは気付ていないと思っていましたが、当たり前のように「気付いてるよ」と言ったゆくえにハッとさせられました。
こういうところが生方さんの脚本だなと思います。
好意に気付いていても、別に相手が求めていないなら、突き放す必要も思わせぶる必要もない。
ゆくえちゃんにとって紅葉は可愛い幼馴染なので別に距離を置く必要もないし、恋愛感情を抱いている相手ではないから思わせぶる必要もない。
確かに、誰かへの好意って、片方だけが抱いている片想いだとして、その片想いをする側に今以上を求める気持ちがないのなら、受け取る側がその想いを勝手にどうこうしようとするべきものじゃないですもんね。
好きだけど、別にどうこうしたいっていうわけじゃない。
持っておきたい「好き」って、あるよなぁ。
ゆくえのこの話を聞いている時の夜々ちゃんの何か考えていそうな表情が気になりましたね。
紅葉の気持ちを思っているようにも見えたし、自分の椿に対する気持ちや態度を重ねて考えているようにも見えたし、椿にも自分の好意が伝わっているのかなと思っているようにも見えたし。
椿がどんな人かを話した夜々ちゃんの、「一番好きな花は無いんだって。一個決めちゃうと他のに申し訳ないって。」という台詞。
これ、仮に夜々が椿に告白をしたとして、椿には自分の気持ちを優先順位に入れる概念がないから、椿は"4人"を優先して、夜々ちゃん一人を選ばない、というフラグにも感じられますね。
楓くんはいつも、椿に対して核心をついたことをサラっと淡々と言うから好きです。
お兄ちゃんの性格をよくわかっていて、5歳くらいからそれを淡々と受け止めてきた楓くんが目に浮かびます(笑)
ここで楓くんが椿に渡した花ですが、水色のデルフィニウムと、ラナンキュラスかな?紫色の花でした。
ゆくえの水色と夜々の紫。何かの暗示かな?
6-7. エゴ
待ってました鼓太郎!ただの営業だったんですね!
紅葉はゆくえちゃんの気持ちが分かるからどうなりたいっていうわけではなくて、ただその好きっていう気持ちを持っていたいフェーズなんですね。
昔からずっと持ってたんだろうなぁ。
そんな片想いって辛くない?とも思ってしまうけれど、紅葉にとっては別にそれは辛いことではなくて、エゴで気持ちを押し付けて迷惑を掛けたり、今の関係が壊れてしまう方が辛いことなのでしょう。
夜々はわりと、好きとか恋とかってなると、すぐに思いを伝えることを前提とするタイプなのですね。
初恋の男の子とどうなったのかはわかりませんが、これまで一方的に好意を持たれて押し付けられてきた夜々ちゃんらしい考え方といえば考え方です。
夜々ちゃんは、椿に対する気持ちと、4人に対する気持ちの間で揺れているのでしょうか。
6-8. 嫁ぶっちゃって
恋愛感情が一切ない三角関係という、話題のシーン、超面白かったです!!(笑)
もう仲野太賀さんと多部未華子さんの白熱するケンカ腰のトーンが面白すぎて(笑)
これを笑わずに鬼気迫る感じで演じられる役者さん、さすがすぎます。
横で見ながらあたふたしつつなぜか謝る椿さんも最高でした(笑)
そうでした、椿さん、初対面だとめっちゃ喋るんだった(笑)
男の家にゴミ袋片手に上がり込む女。
確かにこの要素だけを傍から見たら、付き合ってんのかなって思ってしまう。
ゆくえにとって赤田は、男女の友情が成立した相手で、そこに関しては同じ価値観を持っていた相手で、性別関係なく友達の中でもっとも分かり合えるような親友だった。
その赤田が、いわゆる一般論的な概念や価値観に屈して嫁の言いなりになって自分との友達関係を終わらせた。
さらには、二人の間に成り立つ共通認識だと思っていた概念を、また否定さて疑われた。
ゆくえはそれが悲しくて、お前もそっちかよって、苛立ったんだろうな。
赤田は赤田で、この前ゆくえと会った時に聞いた「友達」のことは気になっていて、それがこの椿かということも話しながらピンときたのでしょう。
これまでゆくえのことは全部知っていたはずなのに、自分の知らないところで知らない世界が広がっていくゆくえに対して、恋愛感情でなくとも嫉妬的な想いが沸いてきたのでしょうね。
ゆくえに言われて自分も他人のような固定観念で決めつけてしまったことに気付きハッとした赤田でしたが、どうにも悔しくて、最後に一言言い放っていったのが面白かったです(笑)
俺の方が潮を知っている!!とマウントを取りたかったようにも感じました。
「あ、営業にきたんだ」「あ、友達なんだ」。
それだけで終わればどうも~で別れた3人だったんだろうに、男と女というところで変な疑いが生まれてこじれて口論になった展開。
自分は違うと思っていても、いかに人が目に見える要素だけで人の関係性を想像して決めつけてしまうか、考えさせられます。
6-9. 嫉妬は欲望
「未練がなくても嫉妬は生まれる」という夜々の話を聞いている時の紅葉の表情が少し意味深のようにも見えました。
未練がなくても嫉妬は生まれる。
人は誰かを誰かの物にしたいし、自分も誰かの特別でいたい。
そんな欲望が根底にはあって、それが恋愛でも友情でも、誰かや何かに奪われそうになると嫉妬を抱いてしまうものなのですね。
ミドリちゃんと電話をするゆくえ。ミドリ戻ってくる説も浮上しました。
ミドリも一緒なら、鼓太郎と二人組でなく三人組なら、変な誤解を抱かれることもなく、"友達"に戻れるのだろうか。
男女の友情は三人以上なら成立するけれど、二人組だと成立しない。
なぜなら、友情が成立するかどうかは、周りが決めるから。
自分はそうは思っていなくても、周りからの意見は無視できないし、それにジャマされて色々なものがこじれてしまう。そんなもどかしさを感じます。
"男女の友情は成立するか"と聞かれて、まずほとんどの人は二人組を想像して語りますもんね。
6-10. 二人の間のこと
自分が知らないものに対しては慎重になれるのに、自分が知っているものだと、無意識に自分と違う価値観を否定してしまう。
確かに、ですね。
友情も、愛情も、家族も、恋人も、仕事も、なんだってそうですよね。
人それぞれにそれぞれの価値観や形があって、自分にとってはなくても誰かにとってはあって、自分にとってはあっても誰かにとってはないかもしれない。
だからってどちらが強いとか多いとか偉いとか普通とかって比べるものではなくて、あるね、あるよ、ただそうやって尊重しあえればいい。
それが本当の多様性だったり、平等だったりする。
理解しようと思って色々な論や説をふりかざして知ったかぶりするのではなくて、「私にはわからないけど、そうなんだね」って、それでいい。
理解するということだけが、寄り添うってことじゃない。
"知らないものって怖いから知っている何かにあてはめたくなる"という台詞も以前ありましたね。
"常識"とか、"普通"とか、あるよ、確かにあるけれど、今ここにあるもの、自分にとって確かにあるもの、それだって事実だし、否定されるべきものではないよ。
そんなメッセージを、余ってしまったひとり達の色々な人生や価値観を通じて描いていく物語ですね。
6-11. 人の運
相良くんカムバック!相変わらず全然夜々に響かなくて可愛い(笑)
相良くんは"フツウ"の方で決めつける側の役割だったけど、悪いやつではないんですよね。
悪意のない決めつけほどややこしいんだけど。
夜々はなびかないけど、最後は条件付きで友達認定されてくれればいいな。
頑張れ相良くん(笑)
ゆくえの台詞。
自分の友達はこの人だけとか、そうやって自分の居場所や世界を決めつけてしまうけれど、視野を広げて見れば本当はもっとたくさん大切な人や開けていく視界がある。そんなことってありますよね。
子どもの時は、入学や卒業やクラス替えやら、いろいろなタイミングで人間関係が広がったり狭まったりすることがあるけれど、大人になるとなかなか自分が動かない限りそういう世界が開けていくことってなくて、固定された関係性の中で生きていくようになる。
大切な人は失わないのが一番いいけれど、誰かと別れるとまた新しい出会いになっていく。
赤田との別れは悲しい出来事だったけど、おかげで4人組にもなれたもんね。
誰かと別れなくても出会えるけれど、誰かと別れたからこその出会いもあるよね。
6-10. またおいで
ゆくえちゃんも、人の話を「へぇ」とか「ふぅん」とかそうやって聞いてくれるタイプなので、紅葉にとっては居心地がいいんだろうな。
ゆくえと美鳥ちゃんってかなり仲が良さそうで、桜新町の自宅も花束持って訪ねてきていたから、美鳥ちゃんの家をゆくえは知っているのかなと思っていたのですが、この椿宅の前の住人=美鳥ちゃん説が濃厚になってきましたね。
美鳥とゆくえの価値観、合いそうだし。数学の先生だし。
美鳥はいつもイライラしていた…
ゆくえの"前の職場"は赤田の話からするとかなりやばいことがあったっぽいので、ここでも繋がっていそう。
美鳥は非常勤で高校教師と個人塾で教えていた、その個人塾ではゆくえも働いていた、だけどある理由があって個人塾は辞めた、その美鳥がまた戻ってくる…?
ドラマ後半戦は美鳥に注目ですね。どうなっていくのかな。
そして美鳥役が誰なのか!!かなり気になります!!
椿は、この時点では美鳥=前の住人とは思っていないと思うのですが、前の住人が少なくとも紅葉にとって大切な人で、その人がこの家に戻ってきたがっているなら、自分がこの家に執着する必要はない、そう思えて引っ越しを決めたのでしょうか。
やっぱりここに、自分の気持ちはなくて、誰かの気持ちが優先で、紅葉の気持ちを優先したのかな。
「この家じゃなくても、4人で会えるし。」そう思えていたらいいな。
それにしても、紅葉の話を聞いている時の椿さん、いいですよね。
静かにじっくりちゃんと相手の話を聞いて、謎の包容力を放つ椿さん。
そうやってちゃんと純恋と向き合って話していたらまた変わったかもしれないのにな。(しつこい)
6-12. 引っ越し、決めました
引っ越し、決まりました!!
驚いた様子の3人でしたが、椿さんの引っ越しを止めることはないんだろうな。
今後どうなっていくのでしょうか。
次回予告でまたカラオケでの赤田とゆくえのシーンがありそうなので、楽しみです!!(笑)
いよいよ美鳥ちゃんも登場するか…?
あっという間にこのドラマも折り返しですね。
このドラマは、分からない人には分からないし、つまらない人にはつまらないと思う。
でも、分かる人、分かろうとしたい人にとっては、しっかり噛みしめれば噛みしめるほどいろんな味がしてくる、そんな作品ですよね。
終わってほしくないけれど、最後まで見届けたいです。