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【いちばんすきな花】第6話:細かすぎるあらすじ&感想

いちばんすきな花
第6話 2023/11/16(木) 22:00~

第6話。待ってました鼓太郎。

本記事では、ドラマ「いちばんすきな花」第6話のあらすじや台詞を、感想や考察を交えながらまとめています。
脚本や台詞が好きすぎて細かすぎるほどに残しているので、長いです!笑

※ネタバレを含みますので、これからご覧になる方はご注意ください。





●「いちばんすきな花」第6話

6-1. ゴミ袋の袋

椿宅の4人で掃除をしているシーン。ゴミ箱の中に、ゴミ袋の外装袋がゴミ袋代わりにセットされているのを発見した椿が、ゆくえ、夜々、紅葉に誰がやったのかと問いかける。
-椿「ゴミ袋の袋、ゴミ袋にしたの誰?ゴミ袋の袋はゴミだよ、潔く捨てて。これはもう悪意でしょ。サイズ感が悪意でしょ。」
-紅葉「ゆくえちゃん悪意でやったの?」
-ゆくえ「善意です。だって袋じゃないですか。袋の袋としてのアイデンティティを認めてください。」

本物のゴミ袋が最後の1枚になり、使ってしまうと次のゴミ袋を買わなければならないから、ゴミ袋の袋をゴミ袋にしたゆくえ。それは悪意だと全員に言われるゆくえ。

-ゆくえ「善意です。正義です。ビニールは環境によろしくないから無駄なく使おうと思って。」
-椿「ゆくえさん、新しい本物のゴミ袋買っといてくださいね。偽物のゴミ袋、本物のゴミ袋に捨ててください。」
-ゆくえ「偽物扱いかわいそう。私にとってはゴミじゃないもん。」
-椿「ルール守れない人は出入りさせません。」

次に来る時は新しいゴミ袋をゆくえが買ってくることを約束し、帰っていくゆくえと夜々。「おじゃましました」「またおいで」で送り出す椿。
椿の元へ不動産屋から電話が着信。少し考えると伝え電話を切る椿。
風呂上がりの紅葉がリビングへやってきたが、内容は伝えない。
二人でアイスを食べながら、なんとも言えない表情で紅葉を見つめる椿。

前回のテーマ、優しさや善意を渡す側と受け取る側との話に対して、冒頭で今回は悪意だとばっさり判定する入り方、さすがです(笑)
こんなにもゴミ袋で続く面白い会話がかつてあったでしょうか。
新し日ゴミ袋を買うのが面倒だから、という理由でゴミ袋の袋をゴミ袋にしてしまうゆくえ。
ゆくえのちょっとした図々しさやずぼらが垣間見えて、いかに心を開いているかがわかります。
いつもゴミ捨てや掃除をキチキチとしていた椿の性格の細かさも伝わってきますね。

不動産屋からの電話は、この家に住み続けるかどうかという問題に関わってきそうです。
椿引っ越しフラグが現実味を帯びてきました。

そして、しれっとお風呂に入って椿宅に止まる紅葉くんが懐きすぎて可愛らしいです。


6-2. 毎日日直

おのでら塾に学校の制服を着てやってきた希子。
-ゆくえ「制服可愛いねぇ。おでかけ?」
-希子「今日は行ってみた日。今日も入んないでやめた。保健室だけ寄ってきた。」
-ゆくえ「ふーん。そう。給食食べた?」
-希子「食べた。」
-ゆくえ「じゃぁ大丈夫だ。頭働く。いっぱい解ける。」

問題を手渡すゆくえに、本来日直の仕事なのに最近は穂積くんが給食を保健室まで持ってきてくれると話す希子。
「穂積くん毎日日直なんじゃない?」とゆくえ。「そっか。」と希子。

制服を着ている=学校へ行く、といった固定観念を抱きがちですが、「おでかけ?」と聞くあたり、ゆくえちゃんらしすぎて好きでした。

希子ちゃんは最近学校へ行ってみているのですね。朔也による影響で少しずつ変化しているのかもしれません。
朔也も希子ちゃんのために給食をいつも持ってきてくれているとのこと。
このシーンのラストで映し出されたおのでら塾に飾られた花瓶、今日は黄色のお花、おそらくエピデンドラムだと思います。
エピデンドラムの花言葉は、「孤高への憧れ」「可憐な恋」「判断力」。
朔也と希子ちゃんの間に芽生えそうな恋を暗に示しているのかもしれません。
主人公4人だけでなく、朔也と希子も、"男女の友情"といったテーマに絡んでくるのかもしれませんね。

6-3. 4人が一番楽しいやつ

椿宅で韓国ドラマを観ていたゆくえ、紅葉、夜々。
一人暮らし用の物件をパソコンで調べている椿。
「なんか、あれだね、飽きるね、この家。」と椿。全然飽きないと答える3人に「僕はあれだな、飽きてきたな。」と椿。
BBQやキャンプに4人で行こう提案する椿だが、結局椿宅に集まる話になってしまう3人。ゲームセンターはと提案する椿。

ゲームセンターにやって来た4人、エアホッケーを2対2で楽しむ4人。
「これ、4人が一番楽しいやつです。」と夜々。白熱する4人。
帰り道のバス、椿の右側に夜々、左側に紅葉が、それぞれ椿の肩に頭を預けて眠っている。それを見て笑う椿とゆくえ。
-ゆくえ「おうち、何かあるんですか?外に連れ出したいみたいだったから。」
-椿「いや…。たまにはって思っただけです。」
-ゆくえ「…ならいいんですけど。」
-椿「別に…4人で集まるのうちじゃなくたっていいし。」
-ゆくえ「でもやっぱ、あの家が一番落ち着きますよねぇ。」
そのまま、4人で椿の家へ帰っていく。

椿さんは今の一軒家を手放して一人暮らしを始めようとしているようです。
なんとなく気付きつつ、深くは追及しないゆくえちゃん。
紅葉や夜々も何かしら感じてはいそうです。

今、4人の集合場所になり部室になっている椿の家。
この家がなくなったら、もともと別に知り合いでも友達でもなかった4人は、ばらばらになってしまうのか。
4人を繋ぎ止めている家を手放そうと思いつつ、それによるこの関係性への影響を懸念しているのか、複雑そうな表情の椿でした。


6-4. 好きだった人の幸せ

洋服屋さんでショッピングをしているゆくえと夜々。
ゆくえには黄色を、夜々には紫の服をお互いに勧めて楽しんでいる。
夜々が昔憧れていたムラサキちゃんの話。
-夜々「小学生の時、ムラサキちゃんていう憧れの女の子がいて。ムラヤマサキちゃん。」
-ゆくえ「どんな子?夜々ちゃんが憧れる子って全然想像つかないんだけど。」
-夜々「いつも一人でいて、でも別に浮いてるとかイジメられてるとかじゃなくて。だけど常にずっと一人っていうわけでもなくて、時々休み時間に男の子たちがやってるドッジボールに混ざってたり、勉強も運動も出来るけど変に目立つわけでもないし偉そうにもしない。特別な感じがあるのに、誰も特別扱いしない。そういう子でした。で、その子が最近結婚したらしくて。その結婚相手が私の初恋の男の子で。嬉しかったです。好きだった人と好きだった人が今好き同士っていう、嫉妬でも負け惜しみでもなんでもなくて、本当に嬉しかったんですよ。
-ゆくえ「好きだった人なんてねぇ。幸せに越した事ないもんねぇ。
-夜々「なんぼあってもいいですからねぇ。好きだった人の幸せなんてねぇ。
-ゆくえ「好きだった人はねぇ。」
-夜々「好きな人は、自分と幸せになってほしいです。
-ゆくえ「それくらいのエゴ許されるでしょう。」

紫色の服を2つ夜々に見せるゆくえ。
-ゆくえ「こっちかこっちだなぁ。どっちが好き?」
-夜々「どっちが好きですかねぇ…」
-ゆくえ「ムラサキちゃん?」
-夜々「じゃなくて。」
-ゆくえ「あぁ。夜々ちゃんが好きだと思う服を着てほしいって思う人だよね。」

ムラサキちゃんのことも初恋の男の子のことも「好きだった人」と表現した夜々。同性の憧れの友達に対しても「好きだった人」と言うのが、性別に囚われずに人として彼女に憧れていたという夜々らしさが伝わってくる台詞でした。
この好きだった人と好きだった人が~は、椿とゆくえがくっつくことのフラグになったりするのでしょうか?
何に紐づいていくのか気になるシーンでした。

夜々は椿を好きで、そのことをゆくえもわかっていることが、最後の会話からも感じ取れます。
好意を知りつつも、根掘り葉掘り聞きだしたり、おせっかいをしようとしないゆくえの性格が伝わってくる会話でした。


6-5. 授業参観みたいな人

コンビニでバイト中の紅葉。同僚が「なんか授業参観みたいな人います」と言うその方向を見ると、そこには授業参観の人のように店内に立ち紅葉を見つめる椿の姿が。
その後二人でファミレスにやってきた。
-椿「アパート出る予定…あったりする?」
-紅葉「いや~引っ越すのもお金かかるし。」
-椿「うーんだよねぇだよねぇ。引っ越せないよねぇ。」
-紅葉「…ん?え…間違ってたらすみません。」
-椿「間違ってもいいよ。何?」
-紅葉「住んでもいいよってことですか?」
-椿「うーん、なんていうかそういう可能性?紅葉くんとしてはあるのかなぁって。」
-紅葉「え、じゃぁ今度ハブラシ置いていってもいいですか?」
-椿「全然いいけど。」

食事を2つ頼んでシェアしようと話す二人。女子会みたいだと笑いながら、ゆくえと夜々の話をして笑い合う。

一方、ゆくえの自宅にやってきた夜々。夜々にこのみが紫色のパジャマをプレゼントする。喜ぶ夜々。「おそろ、いろち」と、ゆくえには水色、自分には紺色のパジャマを買っていたこのみ。

椿さんが授業参観みたいな人過ぎて笑いました(笑)
なんとなく自分の家ではなく外に連れ出し外で会おうとしている椿。
よく泊まりにくる紅葉がもしも自分の家への引っ越しを検討していたら、自分の独断では家を手放せなくなると思ってのこの会話でしょうか。
家問題で揺れる椿の心が、松下さんの繊細な表情の変化からよく感じ取れました。

おそろでいろちの3人分のパジャマを用意していたこのみ。
なんでこんなにも夜々に心を開いているのか詳細までは描かれてきませんでしたが、夜々を受け入れて懐いているこのみちゃんが可愛いです。


6-6. 気付いてるよ

ゆくえ宅にてお揃いパジャマでケーキを食べているゆくえ、夜々、このみ。
ゆくえの家のゴミ箱に、ゴミ袋の袋がゴミ袋としてセットされているのに気付く夜々。
-夜々「ゆくえさんて、鈍感って言われます?人から向けられた好意に、あんまこう気付かないタイプっていうか、モテてる自覚というか。」
-ゆくえ「紅葉のこと?気付いてるよ?」
-このみ「えー、やっぱお姉ちゃんの事好きなんだ。」
-夜々「え、わかってたんですね。ちょっと意外。泳がすんですね。」
-ゆくえ「人聞き悪い言い方(笑)」
-夜々「すみません(笑)」
-ゆくえ「向こうがそういう気じゃないから。」
-夜々「いやそういう気があるってことですよ?」
-ゆくえ「違う違う。告白とかそういうの。付き合いたいとかそういうんじゃないみたいだから。今のままでいようとしてる人をさ、わざわざ突き放すのも、思わせぶりなことするのも、どっちも意味ないでしょ。
-夜々「まぁ…はい。」
-このみ「思わせぶりって誰の得にもならないもんね。ぶるなら本当に思ってないとさ。」
-ゆくえ「そう、不倫と一緒。最終的に誰も幸せにしない。」
-このみ「紅葉くん賢いよ。好きを押し付けないのは賢い。行き場がないなら持ってるしかないもん。それか、ゴミ箱にポイするか。」
-ゆくえ「あ、夜々ちゃんは別に紅葉に合わせることないからね?好きな人に対する方向性?」
-夜々「はい。」
-このみ「夜々ちゃんの好きな人、どんな人?」
-ゆくえ「どんな人?」
-夜々「実家がお花屋さんなんだけどね、一番好きな花は無いんだって。一個決めちゃうと他のに申し訳ないって。」
-このみ「かわいいね。」
-ゆくえ「かわいい人だよねぇ。」

実家の花屋を手伝いながら、弟の楓と引っ越しの話をする椿。
-椿「まだ決めてはないんだけど。色々と考慮することが。誰の気持ちを優先するかっていう優先順位の問題。
-楓「俺5歳くらいから気付いてたんだけどさぁ、兄ちゃんさ、その優先順位に自分の気持ち入れ忘れてるんだよ。ちゃんとエントリーして。
-椿「5歳でそれ気付いたんだ。36で言われて気付いた。」
-楓「純恋さんのこともそうでしょ。少しは自分のエゴ出した方が上手くいくこともあるんだって。純恋さん、ちゃんと幸せになってほしいなぁ。」
-椿「それは俺が一番思ってるよ。」
-楓「偉い。過去の人の幸せ願えるの、偉い。

そう言って、花の端材を椿にあげる楓。「またすぐ枯れるやつ」と言いながらも、持ち帰りダイニングテーブル飾る椿。

ゆくえちゃん、そうですよね、ゆくえちゃんほどの繊細さんが紅葉の好意に気付いていないはずがないんですよ。
このシーンまで、紅葉の好意は夜々だけが感じ取っていてゆくえは気付ていないと思っていましたが、当たり前のように「気付いてるよ」と言ったゆくえにハッとさせられました。
こういうところが生方さんの脚本だなと思います。

好意に気付いていても、別に相手が求めていないなら、突き放す必要も思わせぶる必要もない。
ゆくえちゃんにとって紅葉は可愛い幼馴染なので別に距離を置く必要もないし、恋愛感情を抱いている相手ではないから思わせぶる必要もない。
確かに、誰かへの好意って、片方だけが抱いている片想いだとして、その片想いをする側に今以上を求める気持ちがないのなら、受け取る側がその想いを勝手にどうこうしようとするべきものじゃないですもんね。
好きだけど、別にどうこうしたいっていうわけじゃない。
持っておきたい「好き」って、あるよなぁ。

ゆくえのこの話を聞いている時の夜々ちゃんの何か考えていそうな表情が気になりましたね。
紅葉の気持ちを思っているようにも見えたし、自分の椿に対する気持ちや態度を重ねて考えているようにも見えたし、椿にも自分の好意が伝わっているのかなと思っているようにも見えたし。
椿がどんな人かを話した夜々ちゃんの、「一番好きな花は無いんだって。一個決めちゃうと他のに申し訳ないって。」という台詞。
これ、仮に夜々が椿に告白をしたとして、椿には自分の気持ちを優先順位に入れる概念がないから、椿は"4人"を優先して、夜々ちゃん一人を選ばない、というフラグにも感じられますね。

楓くんはいつも、椿に対して核心をついたことをサラっと淡々と言うから好きです。
お兄ちゃんの性格をよくわかっていて、5歳くらいからそれを淡々と受け止めてきた楓くんが目に浮かびます(笑)
ここで楓くんが椿に渡した花ですが、水色のデルフィニウムと、ラナンキュラスかな?紫色の花でした。
ゆくえの水色と夜々の紫。何かの暗示かな?


6-7. エゴ

椿、自宅にいるとチャイムがなり、玄関のドアを開けると、門の前には仕事で生命保険の営業にやってきた赤田の姿。
保険に入っていないという椿の不安を煽り、しっかり煽られた椿は、詳細を聞くために赤田を家の中へ入れる。

紅葉を話があると公園に呼び出し、待ち合わせをし、一緒に椿の家に向かう夜々。
-夜々「いつ告白するんですか?」
-紅葉「告白?」
-夜々「告白。」
-紅葉「しないけど?」
-夜々「なんで?」
-紅葉「え、なんで?好きだと好きだって言わなきゃいけないの?向こうの気持ちわかってるし、なのにわざわざ言うのってこっちのエゴじゃん。迷惑だよ。」
-夜々「迷惑ってことは…」
-紅葉「二人にはなれないし、だったら4人のままがいいから。」
-夜々「…」
-紅葉「夜々ちゃんは別にいいよ。俺に合わせてくれなくていいから。椿さん。」
-夜々「…二人、やっぱ合いますよ。」

待ってました鼓太郎!ただの営業だったんですね!

紅葉はゆくえちゃんの気持ちが分かるからどうなりたいっていうわけではなくて、ただその好きっていう気持ちを持っていたいフェーズなんですね。
昔からずっと持ってたんだろうなぁ。
そんな片想いって辛くない?とも思ってしまうけれど、紅葉にとっては別にそれは辛いことではなくて、エゴで気持ちを押し付けて迷惑を掛けたり、今の関係が壊れてしまう方が辛いことなのでしょう。

夜々はわりと、好きとか恋とかってなると、すぐに思いを伝えることを前提とするタイプなのですね。
初恋の男の子とどうなったのかはわかりませんが、これまで一方的に好意を持たれて押し付けられてきた夜々ちゃんらしい考え方といえば考え方です。
夜々ちゃんは、椿に対する気持ちと、4人に対する気持ちの間で揺れているのでしょうか。


6-8. 嫁ぶっちゃって

椿宅にて保険のプランのプレゼンを終えた鼓太郎。チャイムがなり、帰宅しようとすると、そこに現れたのはゆくえ。見合わせてお互いに「なんで」と驚くゆくえと鼓太郎。
「普通に遊びに来ただけ」と言うゆくえと、「営業に来ただけ」という鼓太郎。状況がよくわかっていない椿。
-鼓太郎「え、何?彼氏?この人。付き合ってんの?」
-ゆくえ「違うよ。普通に友達だよ。」
-鼓太郎「いやだってこここの人んちだよ。」
-ゆくえ「知ってるよ。だから遊びに来たって言ってんじゃん。」
-鼓太郎「遊びに連れ込んだんですか?」
-ゆくえ「マジで何言ってんの?」
-鼓太郎「今さっき聞いたし。この人彼女に婚約破棄されてこのデカい家に一人暮らしだって。寂しさ紛らすために潮のこと利用するのやめてもらえます?」
-ゆくえ「だから何言ってんの?!椿さんもなんでそんなベラベラ喋っちゃうかな。」
-椿「初対面だから話しやすくて。え、ゆくえさんの…?」
-鼓太郎「うっわ。ゆくえさんって…下の名前で呼ばせて…」
-ゆくえ「呼ばせてんじゃないし。この人が勝手に呼んでるだけだし。」
-椿「んあっ?ごめんなさい。」
-鼓太郎「それを受け入れてるわけだ。」
-ゆくえ「下の名前で呼ばせてたら恋愛関係になるんですか?は?世の中浮気だらけすぎませんか?
-鼓太郎「面倒くさ…」
-ゆくえ「いやいやそっちが…てかそこ私の席だから。」
-鼓太郎「いや席とかないからこの人んちだから。」
-ゆくえ「この人んちだけどそこ私の席なの!」
-鼓太郎「うわなんか…うーわなんか家族ぶって?!嫁ぶっちゃって?!ゴミ袋とか買ってきちゃって?!
-ゆくえ「はぁ?!ぶってないし。嫁ぶってなんかないし、ゴミ袋買いたくて買ってきたんじゃないよ!!ねぇ!!」
仲裁に入る椿。
-ゆくえ「…お似合いだね。お似合いだよ、彼女と。てかもう嫁か。お似合い。」
-鼓太郎「何が?」
-ゆくえ「自分には女友達がいるのに…いたのに、他人のそういうのは認められないんだ。男女が二人でいたら恋愛だって決めつけるんだ。
-鼓太郎「いやそうじゃなくて、心配しただけだろ…?
-ゆくえ「(舌打ちして) 赤田夫人もそうなんでしょうねぇ。コタくんのことが心配で私と引き離したんでしょうね。信用ないですねコタくんも私も。いらないし心配とか。もう他に友達いるし。元友達からの心配なんて要りません!」
-鼓太郎「(4つのお揃いのマグカップを見て)…ごめん。そっか。わかった。あぁごめんごめん。そうだわ、普通に考えて。うん。別に…何怒ってんだろう。ごめんごめん。」

去り際に「潮の恋愛遍歴全部知ってますけど、春木さん全然潮のタイプじゃないですよ!!」と言い放って帰っていく赤田。
タイプじゃない人にタイプじゃないって言われるのもショックなんですねぇ…」と椿。「ほんとですね、結構ショックです。」とゆくえ。

恋愛感情が一切ない三角関係という、話題のシーン、超面白かったです!!(笑)
もう仲野太賀さんと多部未華子さんの白熱するケンカ腰のトーンが面白すぎて(笑)
これを笑わずに鬼気迫る感じで演じられる役者さん、さすがすぎます。
横で見ながらあたふたしつつなぜか謝る椿さんも最高でした(笑)
そうでした、椿さん、初対面だとめっちゃ喋るんだった(笑)

男の家にゴミ袋片手に上がり込む女。
確かにこの要素だけを傍から見たら、付き合ってんのかなって思ってしまう。
ゆくえにとって赤田は、男女の友情が成立した相手で、そこに関しては同じ価値観を持っていた相手で、性別関係なく友達の中でもっとも分かり合えるような親友だった。
その赤田が、いわゆる一般論的な概念や価値観に屈して嫁の言いなりになって自分との友達関係を終わらせた。
さらには、二人の間に成り立つ共通認識だと思っていた概念を、また否定さて疑われた。
ゆくえはそれが悲しくて、お前もそっちかよって、苛立ったんだろうな。

赤田は赤田で、この前ゆくえと会った時に聞いた「友達」のことは気になっていて、それがこの椿かということも話しながらピンときたのでしょう。
これまでゆくえのことは全部知っていたはずなのに、自分の知らないところで知らない世界が広がっていくゆくえに対して、恋愛感情でなくとも嫉妬的な想いが沸いてきたのでしょうね。
ゆくえに言われて自分も他人のような固定観念で決めつけてしまったことに気付きハッとした赤田でしたが、どうにも悔しくて、最後に一言言い放っていったのが面白かったです(笑)
俺の方が潮を知っている!!とマウントを取りたかったようにも感じました。

「あ、営業にきたんだ」「あ、友達なんだ」。
それだけで終わればどうも~で別れた3人だったんだろうに、男と女というところで変な疑いが生まれてこじれて口論になった展開
自分は違うと思っていても、いかに人が目に見える要素だけで人の関係性を想像して決めつけてしまうか、考えさせられます。



6-9. 嫉妬は欲望

保健室にいる希子に、今日も給食を持ってきた朔也。一人で食べようとしていた希子だが、自分の分の給食も持って来た朔也は、希子と向かい合って座り、二人一緒に給食を食べる。
-希子「そこまでしなくていいよ。みんなに何か言われるよ。されるよ。」
-朔也「もう言われてる。付き合ってんのとか、好きなんだろとか。」
-希子「しょうもな…」
-朔也「ちゃんと言っといたから。タイプじゃないって。」
-希子「…」

椿宅にやってきた紅葉と夜々に、さきほどまでの修羅場を語る椿。
ゆくえはベランダでミドリちゃんに電話をして愚痴を話している。
-紅葉「それぞれ友達ですで済む話じゃないですか。どこにも恋愛感情ないですよね。え、ないですよね?」
-椿「うんない。そうなんだよね、誰にもどこにも恋愛感情ないのに、なのに、しっかりめに修羅場だった。
-夜々「シンプルに嫉妬ですよ。ゆくえさんの元トモさん、椿さんに嫉妬してたんでしょ?俺の友達だったのにって。」
-椿「そんなことある?!」
-夜々「別に未練があるわけじゃなくても、元カノの今カレ見て、うわなんだこの気持ちってなったことありません?」
-椿「想像に容易いです。」
-夜々「同じですよ。恋愛にあるんだから友情にもあるでしょ。未練がなくても嫉妬は生まれるんです。嫉妬は欲望ですから、人間からなくなることはありません。

ベランダでミドリちゃんと電話をしているゆくえ。
-ゆくえ「赤田とあんな言い合いになったの高校生ぶりだよ。昔はいつもミドリちゃんが間に入ってくれたから。あれかな?ミドリちゃんも一緒なら、また赤田と普通に戻れたりすんのかな?そういう問題じゃないか(笑)」

帰宅した赤田。疲れてソファに突っ伏す。特別なワインを開けようという峰子に、「二人で幸せになろうな」と赤田。

「未練がなくても嫉妬は生まれる」という夜々の話を聞いている時の紅葉の表情が少し意味深のようにも見えました。
未練がなくても嫉妬は生まれる。
人は誰かを誰かの物にしたいし、自分も誰かの特別でいたい。
そんな欲望が根底にはあって、それが恋愛でも友情でも、誰かや何かに奪われそうになると嫉妬を抱いてしまうもの
なのですね。

ミドリちゃんと電話をするゆくえ。ミドリ戻ってくる説も浮上しました。
ミドリも一緒なら、鼓太郎と二人組でなく三人組なら、変な誤解を抱かれることもなく、"友達"に戻れるのだろうか。
男女の友情は三人以上なら成立するけれど、二人組だと成立しない。
なぜなら、友情が成立するかどうかは、周りが決めるから。
自分はそうは思っていなくても、周りからの意見は無視できないし、それにジャマされて色々なものがこじれてしまう。そんなもどかしさを感じます。
"男女の友情は成立するか"と聞かれて、まずほとんどの人は二人組を想像して語りますもんね。


6-10. 二人の間のこと

帰り道、バス停でバスを待ちながら話すゆくえと夜々。
-ゆくえ「夜々ちゃんはさ、男女の友情って成立すると思う?」
-夜々「あー…成立しないって最近まで思ってました。結局は異性だし、女友達みたいにはいかないだろうって。」
-ゆくえ「うん。」
-夜々「でも、あ、条件次第かもなって。紅葉くんは友達です。友達以上でも以下でもない。以上にも以下にもならない。」
-ゆくえ「なるほどね。ありがとうございます。」
-夜々「どういたしまして。」
-ゆくえ「じゃぁさ、男同士とか女同士の恋愛って成立すると思う?」
-夜々「はい、もちろん。知り合いとかにはいないですけど、当たり前にあると思います。」
-ゆくえ「そうなるよねぇ。そうなるんだよ。みんな自分がどうこうじゃなくて、そういう人もいるって考えが出来る。
-夜々「そうですね。」
-ゆくえ「なのにさ、男女の友情は成立するかって質問だと、みんな自分はこうって自己主張ばっかりするでしょ。
-夜々「ですね。」
-ゆくえ「それがね、もうそういうことなんだよ。恋愛より友情の方が、なんか扱いが軽い。恋愛の話には慎重なのに、友情の事になると無意識に他人の価値観否定しちゃってる。うんまぁ…私もだけど。」
-夜々「そうですね。私も。」
-ゆくえ「男女の友情は成立しないって人はいるよ。絶対にいる。でも、私と赤田は友達だった。成立してた。それだけ。他人は関係ない。二人の間のこと。
-夜々「結局は全部、人それぞれですもんね。答えっていうか。
-ゆくえ「何が多様性だよ。」
-夜々「すぐ多様性に理解ありますとか言って。」
-ゆくえ「そう!他人の価値観に理解なんて出来ないよ。知ってくれたらいい。干渉しなければいい。
-夜々「干渉しないでほしい。」
-ゆくえ「性別めんどくさい。生まれ変わったら性別のない生き物になりたい。」
-夜々「カタツムリになろう。生まれ変わったら一緒にカタツムリになろう。」
-ゆくえ「カタツムリに生まれても、また友達になろうね。」
-夜々「なろうね。」

自分が知らないものに対しては慎重になれるのに、自分が知っているものだと、無意識に自分と違う価値観を否定してしまう。
確かに、ですね。

友情も、愛情も、家族も、恋人も、仕事も、なんだってそうですよね。
人それぞれにそれぞれの価値観や形があって、自分にとってはなくても誰かにとってはあって、自分にとってはあっても誰かにとってはないかもしれない。
だからってどちらが強いとか多いとか偉いとか普通とかって比べるものではなくて、あるね、あるよ、ただそうやって尊重しあえればいい。
それが本当の多様性だったり、平等だったりする。
理解しようと思って色々な論や説をふりかざして知ったかぶりするのではなくて、「私にはわからないけど、そうなんだね」って、それでいい。
理解するということだけが、寄り添うってことじゃない。
"知らないものって怖いから知っている何かにあてはめたくなる"という台詞も以前ありましたね。

"常識"とか、"普通"とか、あるよ、確かにあるけれど、今ここにあるもの、自分にとって確かにあるもの、それだって事実だし、否定されるべきものではないよ。
そんなメッセージを、余ってしまったひとり達の色々な人生や価値観を通じて描いていく物語ですね。


6-11. 人の運

職場での休憩中、夜々のもとに「お疲れ」と現れた相良。
-相良「最近ごめん。別に避けてるとかじゃなくて。しつこかったなって反省もしてて。また飲み行こう。違う違う、友達として。ほんとちゃんと友達として。」
-夜々「…相良くんは、条件が…」
-相良「条件?」
もう時間だと言ってその場を去る夜々。「条件て何?」と呟く相良。

職場で美鳥と電話をしていたゆくえ。「私、引き抜かれるかもです」と職場の人に伝える。美鳥が東京に戻り個人塾を再開するにあたり誘われているとのこと。
-ゆくえ「最近、人の運があります。一人失った分、どどっと人に恵まれるようになりました。

相良くんカムバック!相変わらず全然夜々に響かなくて可愛い(笑)
相良くんは"フツウ"の方で決めつける側の役割だったけど、悪いやつではないんですよね。
悪意のない決めつけほどややこしいんだけど。
夜々はなびかないけど、最後は条件付きで友達認定されてくれればいいな。
頑張れ相良くん(笑)

ゆくえの台詞。
自分の友達はこの人だけとか、そうやって自分の居場所や世界を決めつけてしまうけれど、視野を広げて見れば本当はもっとたくさん大切な人や開けていく視界がある。そんなことってありますよね。
子どもの時は、入学や卒業やクラス替えやら、いろいろなタイミングで人間関係が広がったり狭まったりすることがあるけれど、大人になるとなかなか自分が動かない限りそういう世界が開けていくことってなくて、固定された関係性の中で生きていくようになる。
大切な人は失わないのが一番いいけれど、誰かと別れるとまた新しい出会いになっていく。

赤田との別れは悲しい出来事だったけど、おかげで4人組にもなれたもんね。
誰かと別れなくても出会えるけれど、誰かと別れたからこその出会いもあるよね。



6-10. またおいで

椿の家、椿が帰宅すると「おかえりなさい」と迎える紅葉。椿の家に置いていく用の自分のハブラシを持ってきて、2階の"自分の部屋"で寝袋に入ってイラストを描いている。
紅葉の部屋にやってきた椿。この家に前に住んでいた人の話。
-紅葉「高校の時の先生です。非常勤で、3年の時数学だけ教わってて。」
-椿「1年間数学教わってただけ?」
-紅葉「はい。ほんとそれだけなんですよ。だから連絡先とかもわかんないし、住所はあれです、年賀状で。」
-椿「そうなんだ。どんな人?」
-紅葉「どんな人なんですかね。俺が知ってるのは、ずっとイライラしてて不機嫌な人でした。生徒みんなから嫌われてました。」
-椿「え、なんでそんな先生のこと慕ってたの?」
-紅葉「"協調性があり、お友達も多く、毎日元気に楽しそうに過ごしています。"」
-椿「どうした?」
-紅葉「"親切心があり、自ら進んで困っているお友達の助けになっています。思いやりの心があり、クラスのみんなから好かれています。お友達も多く、いつも明るく笑顔です"。通知表に書いてあるあの担任の先生のコメントです。忘れらんなくて。すごい褒められてるのに、トラウマなんです。ちょっと近い他人の大人からは自分はそう見えてるんだって、12年間、年に3回、成績よりそっちに絶望してました。」
-椿「その非常勤の先生は?」
-紅葉「"佐藤くん、ほんとは友達いないでしょ?毎日無理に笑って虚しくないの?"
-椿「うわー」
-紅葉「言われた時は、うわぁって思いました。でもそれ本当だから。後からじわじわ、ちょっと悔しくて嬉しいっていう。」
-椿「なるほどね。」
-紅葉「何相談しても、"へぇ"とか"ふぅん"とかそれだけで。でも最後は、"またおいで"って言ってくれました。そういう人です。
-椿「…"またおいで"?」
ハッとして照れて寝袋に伏せる紅葉。それを見て笑う椿、寝袋ごと紅葉を転がして笑う。

-椿「(頷いて) わかった。ありがとう。」
-紅葉「何がですか?」
-椿「ありがとう。決めた。」

ゆくえちゃんも、人の話を「へぇ」とか「ふぅん」とかそうやって聞いてくれるタイプなので、紅葉にとっては居心地がいいんだろうな。
ゆくえと美鳥ちゃんってかなり仲が良さそうで、桜新町の自宅も花束持って訪ねてきていたから、美鳥ちゃんの家をゆくえは知っているのかなと思っていたのですが、この椿宅の前の住人=美鳥ちゃん説が濃厚になってきましたね。
美鳥とゆくえの価値観、合いそうだし。数学の先生だし。

美鳥はいつもイライラしていた…
ゆくえの"前の職場"は赤田の話からするとかなりやばいことがあったっぽいので、ここでも繋がっていそう。
美鳥は非常勤で高校教師と個人塾で教えていた、その個人塾ではゆくえも働いていた、だけどある理由があって個人塾は辞めた、その美鳥がまた戻ってくる…?
ドラマ後半戦は美鳥に注目ですね。どうなっていくのかな。
そして美鳥役が誰なのか!!かなり気になります!!

椿は、この時点では美鳥=前の住人とは思っていないと思うのですが、前の住人が少なくとも紅葉にとって大切な人で、その人がこの家に戻ってきたがっているなら、自分がこの家に執着する必要はない、そう思えて引っ越しを決めたのでしょうか。
やっぱりここに、自分の気持ちはなくて、誰かの気持ちが優先で、紅葉の気持ちを優先したのかな。
「この家じゃなくても、4人で会えるし。」そう思えていたらいいな。

それにしても、紅葉の話を聞いている時の椿さん、いいですよね。
静かにじっくりちゃんと相手の話を聞いて、謎の包容力を放つ椿さん。
そうやってちゃんと純恋と向き合って話していたらまた変わったかもしれないのにな。(しつこい)


6-12. 引っ越し、決めました

椿宅で鍋をする4人。椿の母が作ったおかずもあり、一口つまんで「懐かしい」と呟く夜々。

-椿「手動かしながらでいいんで聞いてもらえます?」
-ゆくえ「なんですか?」
-椿「引っ越すことにしました。」
手を止めて椿を見るゆくえ、紅葉、夜々。
-椿「あ、手動かしながらで大丈夫、冷めちゃうから。はい、取り分けて。」
-夜々「誰が引っ越すんですか?」
-椿「僕が。」
-紅葉「なんで?」
-椿「やっぱり…一人で住む家じゃないし。他にここに住みたいって言ってる人がいるみたいなんで。引っ越し、決めました。」

引っ越し、決まりました!!

驚いた様子の3人でしたが、椿さんの引っ越しを止めることはないんだろうな。
今後どうなっていくのでしょうか。

次回予告でまたカラオケでの赤田とゆくえのシーンがありそうなので、楽しみです!!(笑)
いよいよ美鳥ちゃんも登場するか…?

あっという間にこのドラマも折り返しですね。
このドラマは、分からない人には分からないし、つまらない人にはつまらないと思う。
でも、分かる人、分かろうとしたい人にとっては、しっかり噛みしめれば噛みしめるほどいろんな味がしてくる、そんな作品ですよね。
終わってほしくないけれど、最後まで見届けたいです。


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