春になったら
第8話 2024/3/4(月) 22:00~
今期のドラマの中で今のところ1番泣いているドラマ、「春になったら」。
第8話のレポートです。
※ネタバレがありますので気になる方はご注意ください。
目次
●「春になったら」第8話
8-1. 約束
3月25日。
瞳の誕生日の日に結婚式を行うため、急ピッチで準備を進める瞳と一馬。
3月25日という目標が出来たことで、なんとかそれまで健康にと願う雅彦ですが、確実に悪くなっていく自分の体調から、ついに退職を決めました。
今回は雅彦の退社式がメインになる回。
生きがいでもあり、そして瞳を守り育てるためにやってきた仕事を引退することは、雅彦にとっては日常を奪われるようなとても寂しいことであるはずで。
それでも、最後まで誇りをもって仕事をやりきると決めた雅彦。
ひとつひとつ、終わりを迎えて、手放して。
最後は何もなくなって。
でも、目の前のことをひとつひとつ、きちんと終えていくしかなくて。
そんな中で、新しく始まる一馬と瞳の家族、そして門出となる結婚式が、始まりの象徴として強く強く描かれます。
8-2. 家族
雅彦を一人にしないよう、協力して支えていくと誓う一馬。
いつ何が起こるかわからないから、周りの人と協力して、見守っていく必要があるフェーズ。
マキちゃんや一馬と支え合いながら、あらためて一丸となって雅彦を支えて行くファミリー。
一方、一馬・瞳・龍之介の新しい家族も、授業参観に参加しながら少しずつ少しずつかたちになっていきます。
あらためて、「子持ちのお笑い芸人」という設定が、この物語には絶対的に必要不可欠でしたね。
きっとこれからも瞳は、家族として、母親として龍之介と関わりながら、自分が雅彦や佳乃に受けた愛情を思い出して、幸せな記憶を噛みしめることが出来る瞬間が何度も何度も訪れるはずだから。
受け取った愛を、今度は誰かに渡して、そうやって家族は続いていくんですね。
8-3. サシ飲み
2人きりで話した、雅彦と一馬。
瞳に内緒で、男同士の会話。そして約束。
雅彦はもう、瞳のこれからのことは、祈って託すしかないから。
そんな雅彦の想いをめいっぱい受け止めた一馬でしたね。
もぐもぐしながら頷いて、涙がこぼれてしまう一馬が可愛くて、本当にいい人だというのが伝わってきました。
あの家。雅彦と瞳、そして佳乃の、家族の思い出がたくさん詰まった家で、これからは一馬と龍之介と一緒に瞳が暮らしていく。
きっと仏壇には佳乃の隣に雅彦が並んで、2人に話しかけながら。
きっと雅彦も、佳乃との思い出が詰まったこの家で、そんな風にして瞳を育ててきたのでしょう。
大切な家族を亡くす悲しみを、いやというほど知っている雅彦だからこそ、どうしようもなく辛く深い悲しみのどん底に置かれた時に、思い出や仕事が、そしてそばにいてくれる人たちが支えになるということを知っている。
だからこそ、託せるものは託して、伝えられることは伝える。
この家は残る。
瞳には一馬がいる。
そう思えることは、きっと雅彦にとっての救いにもなっているはずです。
ところで一馬と雅彦の居酒屋のシーン、乾杯の時、雅彦の前にビール、そして一馬の前にウーロン茶が置かれたのを、交換してから飲んでいました。
傍から見たら、雅彦は全然普通で、元気で、ビールをくいっといきそうなんですよね。
まさか最後が迫っているだなんて信じられないくらい、傍から見たら、普通で。
みんな、幸せそうに見えて、普通そうに見えて、それぞれの事情や悲しみを抱えている。
そんなことを突きつけられるようなシーンで、細かい演出ですが、とても印象に残りました。
8-4. 最後の実演販売
矢萩夫妻からの電話を受け、冷静に落ち着いて対応した瞳。
父のことは気がかりだけれど、しっかりと仕事をする瞳。
もう前みたいにぶれない、瞳の強さが垣間見えました。
誇りをもって出来る仕事に、救われる。支えられる。
お父さんもそうやって仕事をしてきたのだから、自分もそうする。
瞳の中には、雅彦から受け取ったもの、教わったものが、確かに存在しています。
雅彦の最後の勇姿。そして退職式、泣けました。
親が仕事をしている姿を見るって、なかなかないですよね。
スタッフに信頼されて、お客さんにも信頼されて、仕事をする雅彦。
その姿を見た瞳は、こうやって働いて自分を育ててきてくれたことへの感謝や、こんなにも輝く職場を去らなければならないことの切なさ、いろいろな感情を噛みしめたと思います。
昔は恥ずかしいと思っていたお父さんの仕事が、こんなにも誇らしい。
最後の勇姿を必死に写真におさめる瞳の表情が、とても素敵でした。
妻が亡くなった時も、娘に恥ずかしいと言われた時も、雨の日も風の日も、必死に声を張って、笑って、向き合ってきた仕事。
雅彦にとっていかにこの仕事が生きがいであったかが伝わってきました。
生きがいって、モチベーションとかそんなレベルの話ではなくて。
仕事があったから前を向けたし、生きてこれたし、救われた。そういうことなんですよね。
そんな生きがいだった仕事を無事に終えて、歩いて帰ってきた雅彦が、瞳の姿を見つけて浮かべた笑顔が、晴れ晴れしていて、泣けました。
お父さん。おつかれさま。
8-5. かっこよかった
いよいよリストも残りわずかになってきました。
ひとつひとつ終わっていく寂しさを感じながらも、まだまだやることがあると言う雅彦。
もう雅彦も瞳も、泣いてる暇もないから、ただただすべきことをして、前へ進んでいく。
次回はタイムカプセルの回になりそうですね。
予告では「50年前の土」というワードが出ていたので、雅彦が小学生の頃に埋めたものでしょうか。
学校行事で埋めたとしたら、定番なのは未来の自分へ宛てた手紙や、その時の宝物などが埋まっているパターンですね。
果たして何が出てくるのか、楽しみです。
タイムカプセルを掘り起こそうとする瞳と一馬のくだりがコントみたいに面白い予感もするのでとても楽しみです(笑)
そして、雅彦の葬儀についての準備も進んでいきそうですね。
対応するのは岸くん。遺影についての話しもでそうです。
瞳は結婚式の準備。雅彦は葬儀の準備。
瞳がお父さんのための結婚式にするように、雅彦はきっと、残される瞳が笑って送り出してくれるような式を準備するような気がしています。
勉強している英語は、葬儀で使われるとか…?
どんな展開が待っているのか、引き続き見守りたいです。
もう次回9話ですね!!
3月25日、結婚式の日が今年はちょうど月曜日。
3月25日が最終回だとして、あと3話。
あっという間に、春になりそうです。