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【春になったら】第8話:細かすぎるあらすじ&感想

春になったら
第8話 2024/3/4(月) 22:00~

今期のドラマの中で今のところ1番泣いているドラマ、「春になったら」。
第8話のレポートです。

※ネタバレがありますので気になる方はご注意ください。

目次


●「春になったら」第8話

8-1. 約束

1年2か月前、瞳が杉村助産院に履歴書を持って訪れた日の回想。
面接もそこそこに、瞳先生として節子に受け入れられた瞳。

現在。式場にて森野、黒沢と結婚式の打ち合わせをする一馬、瞳、龍之介。招待状も完成し、3月25日の式に向けた準備を急ピッチで進めていく。
「父のための結婚式にしたい」と話す瞳。雅彦の余命など事情を把握した森野と黒沢は、式のプランを一緒に考える。
打ち合わせの帰り道、龍之介が瞳に、手作りした授業参観の招待状を渡す。
「だって僕のママでしょ」と笑う龍之介に、喜び張り切る瞳。

阿波野のもとを訪れた雅彦。瞳の結婚が決まったことを報告する。
-阿波野「その日まで、元気でいないと。」
-雅彦「はい。なんとしてでも。」

もんじゃ焼きを食べながら、美奈子と圭吾に挙式について報告する瞳。
変わらず司会を引き受けるよと言う圭吾。
-圭吾「瞳。絶対幸せになれよ。」
-瞳「うん。」
-圭吾「なんかあったらすぐ俺たちに言うんだよ。」
-瞳「ありがとう。」

自転車で仕事に向かう雅彦。体の痛みからよろめいてしまう。
立ち止まり、「ダメか…」と呟いた雅彦は、出社後、今週末を持って退職したいと希望を伝える。
今週末の最終日に退社式をしようと話す中井社長。最後まで雅彦らしく働いてほしいと話す社長は、社運をかけた初のオリジナル商品であるキッチンバサミの実演販売を、最後の仕事として雅彦に託す。

帰宅し、夕食を終えた雅彦と瞳。食器を下げていた雅彦が突然吐血し、痛みに苦しむ様子に瞳は驚きながらも必死に背中をさすり薬を渡す。
落ち着いた雅彦。今までも何回もあったと話す雅彦に、「もう隠さないで。辛い時は辛いって言って。」と伝える瞳。
マキや節子先生など、周囲の人に結婚報告を済ませたと話す瞳。
雅彦は、週末の日曜日で仕事を引退することを瞳に報告する。
見に行くという瞳に、照れくさくて断る雅彦。
瞳は、結婚までにやりたいことリストに「お父さんにウェディングドレス姿を見せる」と書き足した手帳を雅彦に見せ、雅彦に招待状を手渡す。
「ご出席」に大きく丸を付け、瞳に手渡す雅彦。
-瞳「約束だよ。」
-雅彦「了解。」

3月25日。
瞳の誕生日の日に結婚式を行うため、急ピッチで準備を進める瞳と一馬。
3月25日という目標が出来たことで、なんとかそれまで健康にと願う雅彦ですが、確実に悪くなっていく自分の体調から、ついに退職を決めました。

今回は雅彦の退社式がメインになる回。
生きがいでもあり、そして瞳を守り育てるためにやってきた仕事を引退することは、雅彦にとっては日常を奪われるようなとても寂しいことであるはずで。
それでも、最後まで誇りをもって仕事をやりきると決めた雅彦。
ひとつひとつ、終わりを迎えて、手放して。
最後は何もなくなって。
でも、目の前のことをひとつひとつ、きちんと終えていくしかなくて。
そんな中で、新しく始まる一馬と瞳の家族、そして門出となる結婚式が、始まりの象徴として強く強く描かれます。


8-2. 家族

部屋に戻り、今日の雅彦の吐血の様子を電話で一馬に話す瞳。
「お父さんを一人にしたくない。そばにいてあげたい。」と話す瞳に、「時間が合えば僕が近くにいるようにするよ。家族になるんだから、僕たちは。」と寄り添う一馬。

翌日、リビングのテーブルに瞳の忘れ物を発見した雅彦は、それを届けに杉村助産院を訪れる。杉村に案内され、プレママプレパパ教室の講師をしている瞳の様子を見守る雅彦。

別日。緊張しながら一馬と龍之介の授業参観にやってきた瞳。
教室の後ろで、龍之介の様子を見守る。
「2年生の思い出」というお題で作文を発表する授業。一番に手を挙げて指名された龍之介だが、やっぱり発表はしないと言う。
その様子を見た瞳は、何かに気付いた様子で、泣き出す。
帰り道、いいところを見せられなくてごめんと謝る龍之介。なぜ発表しなかったのかと聞く一馬だが、「みんなに譲ったんだよね、龍ちゃん」と瞳。
「やっぱりかずくんの子だよ。私感動しちゃって…」とまた泣き出す瞳。
そんな一馬のもとに着信があり、一馬は慌てた様子で「わかりました」と言って電話を切る。瞳と龍之介に、塾に戻らないといけなくなったと伝える一馬。

雅彦を一人にしないよう、協力して支えていくと誓う一馬。
いつ何が起こるかわからないから、周りの人と協力して、見守っていく必要があるフェーズ。
マキちゃんや一馬と支え合いながら、あらためて一丸となって雅彦を支えて行くファミリー。

一方、一馬・瞳・龍之介の新しい家族も、授業参観に参加しながら少しずつ少しずつかたちになっていきます。
あらためて、「子持ちのお笑い芸人」という設定が、この物語には絶対的に必要不可欠でしたね。
きっとこれからも瞳は、家族として、母親として龍之介と関わりながら、自分が雅彦や佳乃に受けた愛情を思い出して、幸せな記憶を噛みしめることが出来る瞬間が何度も何度も訪れるはずだから。
受け取った愛を、今度は誰かに渡して、そうやって家族は続いていくんですね。


8-3. サシ飲み

雅彦に呼び出され、居酒屋にやってきた一馬。雅彦はウーロン茶、一馬はビールで、初めて二人きりで乾杯をする。
-雅彦「瞳はさ、俺に似て頑固で気が強くて大変だろ。」
-一馬「いやそんなことありません。一緒にいるとすごくわかるんです。瞳さんはたくさんの愛を受けて育ったんだなって。だからすごくまっすぐだし、損得なんかで人を見ないし、じゃなかったら僕なんかに好きだなんて言ってくれません。僕のネタを見て感動したって言ってくれました。僕なんかにはもったいないくらいの素敵な女性です。」

一方、瞳は龍之介と二人で一馬宅にて夕飯の餃子づくりをしている。
パパのどこを好きになったのかと質問する龍之介に、「初めてかずくんのネタを見た時にね、この人は人の心の痛みがわかる優しい人なんだなって思ったの。実際にかずくんはすごい優しいじゃん?人に気を遣い過ぎて10円ハゲが出来たこともあったでしょ。心配にはなったけど、でも私はかっこいいと思ったな。」と答える瞳。「パパはラッキーだよ。瞳ちゃんみたいに変わった人と出会えて。」と笑う龍之介。

居酒屋の一馬、瞳から、母親が亡くなった時の話を聞いたと話す。
-一馬「お父さん、ショックで抜け殻みたいになっちゃって、だから自分がしっかりしなきゃって思ったって言ってました。」
-雅彦「でも母親がいないってのは寂しかったんだろうなあ。強そうに見えてさ、寂しがり屋なんだよ瞳。…あの家、俺と瞳で住んでる家、あのさ、古くて狭いんだけど、俺が居なくなったらほんと瞳一人になっちゃうから、カズマルと龍之介で一緒に住んでやってくんないか。あ、嫌じゃなきゃ。」

龍之介と夕飯を食べる瞳。箸を置いた龍之介。
-龍之介「瞳ちゃん、ちょっと頼りないとこもあるパパだけど、これからもどうぞよろしくお願いします。僕と一緒にパパのこと支えてあげてください。」
-瞳「…私の方こそ、よろしくお願いします。」

居酒屋にて。
-雅彦「カズマル。俺、死んじゃったら、よろしくな。瞳のこと、幸せにしてやってくれ。頼む。」
-一馬「約束します。必ず瞳さんを幸せにします。」
立ち上がり、宣言し、涙を流す一馬。そんな一馬を見て笑う雅彦。

帰宅した雅彦。帰りが遅くて心配していた瞳に小言を言われながら、実演販売の練習をしていたとごまかす。
お風呂上がりの雅彦に瞳がお灸をしてやりながら、2人で会話。
先日の瞳の助産師ぶりを褒める雅彦、「仕事に助けられるってことあるんだよね。お母さん亡くなった時、そうだった。続けろよ、仕事。」と言う。
日曜の実演販売、俺の最後の仕事を見に来ていいよと瞳に伝える雅彦。

2人きりで話した、雅彦と一馬。
瞳に内緒で、男同士の会話。そして約束。
雅彦はもう、瞳のこれからのことは、祈って託すしかないから。
そんな雅彦の想いをめいっぱい受け止めた一馬でしたね。
もぐもぐしながら頷いて、涙がこぼれてしまう一馬が可愛くて、本当にいい人だというのが伝わってきました。
あの家。雅彦と瞳、そして佳乃の、家族の思い出がたくさん詰まった家で、これからは一馬と龍之介と一緒に瞳が暮らしていく。
きっと仏壇には佳乃の隣に雅彦が並んで、2人に話しかけながら。
きっと雅彦も、佳乃との思い出が詰まったこの家で、そんな風にして瞳を育ててきたのでしょう。

大切な家族を亡くす悲しみを、いやというほど知っている雅彦だからこそ、どうしようもなく辛く深い悲しみのどん底に置かれた時に、思い出や仕事が、そしてそばにいてくれる人たちが支えになるということを知っている。
だからこそ、託せるものは託して、伝えられることは伝える。
この家は残る。
瞳には一馬がいる。
そう思えることは、きっと雅彦にとっての救いにもなっているはず
です。

ところで一馬と雅彦の居酒屋のシーン、乾杯の時、雅彦の前にビール、そして一馬の前にウーロン茶が置かれたのを、交換してから飲んでいました。
傍から見たら、雅彦は全然普通で、元気で、ビールをくいっといきそうなんですよね。
まさか最後が迫っているだなんて信じられないくらい、傍から見たら、普通で。
みんな、幸せそうに見えて、普通そうに見えて、それぞれの事情や悲しみを抱えている。
そんなことを突きつけられるようなシーンで、細かい演出ですが、とても印象に残りました。

8-4. 最後の実演販売

日曜日。雅彦の引退日。早起きをした瞳は、朝から雅彦の弁当を作り、朝食を作る。起きて来た雅彦と二人で朝食をとり、職場に向かう雅彦を、行ってらっしゃいと送り出す。雅彦は、玄関前に止めた自転車に今までありがとうと伝え、今日は徒歩で、職場へ向かう。
部屋に戻り、佳乃に向かって「お母さん、お父さん今日が最後だよ。お疲れ様でしたって言ってあげようね。」と話しかける瞳。

最後の実演販売の会場、いよいよグラッチェ椎名の最後の仕事が始まる。
いつものように大声でキッチンバサミの実演販売を行う雅彦。
次から次へと売れて行くハサミ。グラッツェ、グラッツェと決め台詞を連発しながら、最後の仕事を全力で行う雅彦。
会場には、黒沢や一馬、マキの姿。黒沢は、式のためにお父さんを見ておきたいと会場まで足を運んでいた。
途中、腹痛に苦しみ退席した雅彦。戻り続けるも、腹痛に度々見舞われる雅彦を、社員たちが支え、実演販売を続ける。

助産院で仕事を終え、雅彦の実演販売の会場へ向かおうとした瞳だが、矢萩夫妻から陣痛のような痛みがあると連絡が入り、受け入れることに。
到着した矢萩夫妻、診察の結果は前駆陣痛。瞳は冷静に対応し、夫妻を安心させるよう、落ち着いて声かけをする。一通り対応を終え、節子の声かけで瞳は仕事を切り上げ、雅彦の元へと走って向かう。

会場に到着した瞳。痛みに耐えながら販売を続ける雅彦の姿を見つめ、昔のことを思い出す。バッグからカメラを取り出し、父の姿を撮影する。

学生時代の瞳は、大声で実演販売をする父のことを恥ずかしいと思っていた。友人と商店街を歩いていると、大声で販売をする雅彦に遭遇し、恥ずかしくて父親だと友人に言えずその場を急いで去った。
家では雅彦に「グラッチェグラッチェってなんなの、張り切りすぎ、恥ずかしい、声でかすぎ」と文句を言った。
そんなことを思い出しながら、今現在、父の最後の勇姿を、涙を浮かべながらも笑顔で見守った瞳。
ハサミは目標の200個完売し、雅彦は最後までしっかりと結果を出した。

その後、退職式として、実演販売のステージの上で、中井社長は感謝状を読み上げる。
「あなたは21年の長きにわたって実演販売の仕事を続けられ、ヨッシーコーポレーションの発展に絶大なる貢献をされました。常に第一線に立っていたあなたは、陰で誰よりも努力し、誰よりも誰よりも前向きに頑張られていたことを私たちは知っています。本当に本当にありがとうございました。」
中井、加賀谷、そして他のスタッフたちが、笑顔と涙で雅彦を送り出す。
雅彦は、自分のエプロンを加賀谷に託す。
最後に皆でエンジンを組み、無事、勇退した雅彦。
荷物を抱えた帰り道、家の近くの道まで出てきて雅彦を待っていた瞳。
「おつかれさまでした」と瞳。「ただいま」と雅彦。「おかえり」と瞳。
2人で、家に帰る。

矢萩夫妻からの電話を受け、冷静に落ち着いて対応した瞳。
父のことは気がかりだけれど、しっかりと仕事をする瞳。
もう前みたいにぶれない、瞳の強さが垣間見えました。
誇りをもって出来る仕事に、救われる。支えられる。
お父さんもそうやって仕事をしてきたのだから、自分もそうする。
瞳の中には、雅彦から受け取ったもの、教わったものが、確かに存在しています。

雅彦の最後の勇姿。そして退職式、泣けました。

親が仕事をしている姿を見るって、なかなかないですよね。
スタッフに信頼されて、お客さんにも信頼されて、仕事をする雅彦。
その姿を見た瞳は、こうやって働いて自分を育ててきてくれたことへの感謝や、こんなにも輝く職場を去らなければならないことの切なさ、いろいろな感情を噛みしめたと思います。
昔は恥ずかしいと思っていたお父さんの仕事が、こんなにも誇らしい。
最後の勇姿を必死に写真におさめる瞳の表情が、とても素敵でした。

妻が亡くなった時も、娘に恥ずかしいと言われた時も、雨の日も風の日も、必死に声を張って、笑って、向き合ってきた仕事。
雅彦にとっていかにこの仕事が生きがいであったかが伝わってきました。
生きがいって、モチベーションとかそんなレベルの話ではなくて。
仕事があったから前を向けたし、生きてこれたし、救われた。そういうことなんですよね。
そんな生きがいだった仕事を無事に終えて、歩いて帰ってきた雅彦が、瞳の姿を見つけて浮かべた笑顔が、晴れ晴れしていて、泣けました。
お父さん。おつかれさま。


8-5. かっこよかった

瞳が用意したご馳走で乾杯し、おつかれさま会をする雅彦と瞳。
ダイニングテーブルに、佳乃の写真が見えるように二人で並んで座る。
-瞳「お父さんかっこよかったよ。本当にかっこよかった。中学とか高校の頃、お父さんの仕事嫌いだとか言って本当にごめん。一生懸命働くってさ、素敵な事だよね。
-雅彦「でもあれだよね。…ひとつひとつ終わってくね。」
-瞳「…うん。あ、お父さん明日からどうすんの?暇になっちゃうよ。」
-雅彦「まだまだ、やることはある。」

死ぬまでにやりたいことリストを開く雅彦。残りはあと2つ。
タイムカプセルを開ける、英語をマスターする。
タイムカプセルについて「子供の頃どこかに埋めたとか?」と聞く瞳に、「まあそういうことかな」と答える雅彦。
英語は何のために勉強するのかと聞く瞳に、「まあそのうちわかるよ」と返す雅彦。
そして、ひとつ新しい項目を書き足す雅彦。
「瞳の結婚式に出席する!」

別日。ひがし東京葬祭を訪れる雅彦。
「お待ちしておりました」と圭吾が出迎える。

いよいよリストも残りわずかになってきました。
ひとつひとつ終わっていく寂しさを感じながらも、まだまだやることがあると言う雅彦。
もう雅彦も瞳も、泣いてる暇もないから、ただただすべきことをして、前へ進んでいく。

次回はタイムカプセルの回になりそうですね。
予告では「50年前の土」というワードが出ていたので、雅彦が小学生の頃に埋めたものでしょうか。
学校行事で埋めたとしたら、定番なのは未来の自分へ宛てた手紙や、その時の宝物などが埋まっているパターンですね。
果たして何が出てくるのか、楽しみです。
タイムカプセルを掘り起こそうとする瞳と一馬のくだりがコントみたいに面白い予感もするのでとても楽しみです(笑)

そして、雅彦の葬儀についての準備も進んでいきそうですね。
対応するのは岸くん。遺影についての話しもでそうです。
瞳は結婚式の準備。雅彦は葬儀の準備。
瞳がお父さんのための結婚式にするように、雅彦はきっと、残される瞳が笑って送り出してくれるような式を準備するような気がしています。
勉強している英語は、葬儀で使われるとか…?
どんな展開が待っているのか、引き続き見守りたいです。

もう次回9話ですね!!
3月25日、結婚式の日が今年はちょうど月曜日。
3月25日が最終回だとして、あと3話。
あっという間に、春になりそうです。


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