【silent】第2話 こまかすぎるあらすじ&感想
昨年2022年10月期に放送され、社会現象にもなったドラマ「silent」。
ドラマ大好きな私はもちろん当時も見ていましたし、何度も録画も見ましたし、シナリオブックも購入し、ついには円盤も購入してしまいました。
1年が経ち、Blu-rayでディレクターズカット版を観直しているのですが、本当に大好きな作品です。
当記事では「silent」第2話のあらすじ&感想を好きなだけ語っています(笑)
●「silent」概要
公式サイト
放送時期、キャスト、スタッフ
【放送時期】2022年10月期 フジテレビ 木曜22時
【キャスト】青羽紬役…川口春奈さん、佐倉想役…目黒蓮さん(SnowMan)、戸川湊斗役…鈴鹿央士さん、桃野奈々役…夏帆さん、佐倉律子役…篠原涼子さん 他
【脚本】生方美久さん
【プロデュース】村瀬健さん
【演出】風間太樹さん、高野舞さん
●「silent」第2話
2-1. どうでもいい話
この放課後の教室のシーンはとっても可愛らしくて大好きです。
説明を聞くのを嫌がる紬が可愛くて愛おしくて、ついいじわるしてからかう想くん。
古賀先生がやってきて、小声で「帰る?」と紬に合図をして、紬が荷物をまとめるのを待ってあげる想。
手を繋いでにこにこしながら廊下を歩く二人。
これだけの美男美女カップルですから、きっと想も紬もモテたんだろうに、紬は想、想は紬しかずっと見ていなくて、この二人が付き合った時はたくさんの生徒たちが失恋したんでしょうね。
みんなにとっても憧れの二人で、お似合いの二人で、みんなが高校時代を思い出す時、きっと話題に上がったり心に浮かべる二人なんだろうな。
二人が手を繋いで歩く廊下のシーンの破壊力がすごいですよね。絵になりすぎて甘酸っぱすぎて、何度リピートしてもニヤけます。
この二人に、学ランでもセーラ服でもなく、シンプルな制服を着せてくださった衣装さんにお礼を申し上げたいです。似合いすぎる。
変に着崩したりしないでも美男美女さが際立つ二人。尊いです。
ところでこの紙を42回折ると月に届く説、私も紬と同じでまったくそういうのに興味がないのでうんざりですが(笑)、調べてみると本当に理論上はそうなんですね。
想くんは、体育館で読み上げた作文では「言葉」について語ったり、こんな風に二乗の理論についてもきっと自分で計算してみたり、何かをひとりでじーっと考えてみるようなことが好きな性格なのかなと思います。
すごく真面目で、たまにちょっと面倒くさいようなところもあって。
でも紬と一緒に過ごす時間はシンプルに楽しかったんだろうな。
そんな高校時代の思い出が際立つシーンでした。
2-2. すごいうるさい
イヤフォン、ノックの音、音のボリューム、家族の声。いろいろな演出を用いて、想の耳が聞こえにくくなっている様子が切なく表現されました。
すべてのシーンにおいて、不安と戸惑いでいっぱいな想の表情がとても繊細に表現されていて、見ているこちらも胸が締め付けられるような思いでした。
台所にやってきた時、お母さんに何か言おうとして来たけれど、言えなくて、飲み込んで、戻ろうとしたらお母さんから何度も聞いてくれたから、やっと打ち明けられた想。
不安で口に出すのも怖かっただろうに、認めてしまうような怖さと、助けてほしいと縋るような気持ちと、信じたくない気持ちと、母を悲しませるかもしれないという優しさ、「すごいうるさい」と言った想の表情がとても苦しかったです。
第1話でも、この第2話の冒頭でも登場した"うるさい"のワードが、ここでも使われています。
愛おしい「うるさい」、悲しい「うるさい」、不安でいっぱいの「うるさい」。同じ言葉でもこんなにも印象が変わるんですね。
ちなみに自宅で想がイヤフォンで聞いていた音楽は、back numberの「世田谷ラブストーリー」です。
再会した後の物語は世田谷で紡がれますもんね。なんという演出!
2-3. 難聴
はぁ…。苦しい…。
病院の待合室で縋るような思いで音楽を聴く想、聞いていたのはスピッツの「魔法のコトバ」でした。
紬に告白して聞かせた時はあんなにもときめいた音楽が、こんなに悲しく聞こえるなんて。
母に「ごめんね」と少し笑みを浮かべながら悲しそうに言う想の表情が切なくて。
高校卒業式後に診察を受けて、春の大学入学まで、そんなに日はなかったはず。
律子も想もまだ到底受け入れるなんて出来なくて、でももう春はやってきてしまう。
今すぐどうなるわけではないかもしれないけれど、進行も早そうだし、いつどうなるかなんてわからない。
いろんな話をしたり、いろんな思いを持って、それでも想は新生活に踏み出して、律子は送り出したんだろうな。
この時の想の気持ちはもちろん、律子の気持ちも想像するだけで苦しいですね。
2-4. 最後の公園
あああああああああああぁぁぁ切ない。でも前髪のくだり可愛すぎ!!!
改めて見直したんですけど、本当に想くんは表情が細かく繊細に色々と変わって、目黒くんこんなに色々とお芝居していたんだなって感心しました。
紬のまっすぐの言葉とポジティブさ、優しさは、きっと今までも想を度々救ってきたんだろうな。
色々と考えこんじゃったり、抱えがちの想くんは、紬に笑顔をたくさんもらってきたんだろうな。
それが今は、こんなに切なく響くなんて。
想は最初、何かを言いかけましたよね。別れ話だったのか、もしかしたら、耳のことを打ち明けようとしたのか。
紬のまっすぐさを前にして、きっと想も、紬のことが好きだなぁとあらためて実感してしまったんでしょうね。
前髪のくだりから、最後に名前を呼んでもらうところまで、想の紬に対する思いが溢れていて、切なすぎました。
紬が想にかけた台詞から、お互い大学に入学して、紬は地元に残り想は上京して、おそらく初めて二人で会ったのが今回だったのでしょう。
久しぶりに会ったこの公園での再会を最後に連絡がとれなくなったということは、紬にとっては本当に突然の別れだったんですね。
最後のこの公園で、何か言いたそうだったけれど結局言わなかった想のことを、紬は何度も思い出して、何があったのか心配していたんだろうな。
この公園での再会は、紬目線で見ると、「佐倉くん」呼びから「想くん」呼びを初めてして、ドキドキして、次いつ会えるかな、私も紬って呼んでもらえばよかったなんて思いながら、ニコニコして帰ったんじゃないかな。
想と紬の対比が、切なすぎます。
2-5. パンダ スペース 落ちる
何があったか察して、紬に優しい声で話しかける湊斗。
湊斗の声を聞いて、少し落ち着きを取り戻した紬。
想くんの声もいいけど湊斗くんの声も本当に素敵ですよね。優しくて、癒される。生方さんの台詞まわしは鈴鹿くんが一番自然に聞こえて好きです。
彼女の心を整えるために、パンダの動画見せて落ち着かせてる間に颯爽とお迎えに行く湊斗くん、王子なの?
私は湊斗に幸せになってもらいたかったし、今も幸せになってほしいと思っているよ。
2-6. コンポタ
この世で最もパンダとコンポタが似合う男、湊斗。好き。コンポタ飲も。
湊斗からコンポタを受け取って、想のことを話そうとして話せず泣き出した紬。ここの川口春奈ちゃんの泣き方が苦しそうすぎて切なくて切なくてもらい泣きです。
紬は、想の耳のことを湊斗はまだ知らないと思っているわけで、大親友だった湊斗がそれを知ったら自分と同じようにショックを受けると思ったんでしょうね。
紬のそばに今、湊斗がいてくれてよかった。
2-7. 元気だった?
慌てる紬と、それを見てほほ笑む想くん。ふっとほぐれた空気と二人の自然な笑顔に、久々にずっと張りつめていた糸がゆるんだようでした。
元気そうでよかったと微笑み合う二人の表情がとても穏やかで、想くんが紬を見る表情からは、まだ好きなんだろうなぁということが伝わってきて。
空白の時間が長くあっても、あんな再会の仕方をしても、こうやって会えばふっと昔の空気感に戻れるのって、高校時代一緒に過ごした仲だからですよね。
そんな空気感がとてもナチュラルに伝わってくる、自然な演技がさすがでした。
別に再会したからっていきなり付き合うとか恨みつらみをぶつけ合うっていうわけでもないし。そんな距離感も自然ですよね。
昔のような空気にふと戻ったけれど、お互い会わなかった時間の中で時は流れてそれぞれちゃんと大人になっている。短いシーンでしたが伝わってくるシーンでした。
2-8. 次会う時
湊斗よ…
手話を覚えたらと紬にチラシを差し出したのは、主成分優しさだけじゃないよね(涙)
もうこの時点で、二人がまた会って関係を構築していく未来を勝手に湊斗は想像してるんだろうな。
紬の連絡先を想に教えた時点でそうだよね。湊斗はそういうやつなんだよなぁ。
湊斗くん、いつもの穏やかで柔らかい雰囲気に対して、自分の気持ちを抑え込むようなシーンでの急に冷たくなる声色や表情のギャップが印象的です。
2-9. 笑わなくていいから
2-10. 真子ちゃん、紬のそばにいてくれてありがとう(涙)
想のことに驚きながらもまっすぐに紬を見て一番に紬の気持ちを考える真子ちゃんと、目に涙を溜めながらコーヒーを飲む紬。
この紬と真子のシーンが私は大好きです。
真子と紬の友情、いいですよね。高校時代からずっと一緒にいて、紬がどれだけ想を好きで、別れてどれだけ傷ついたか、その後どうやって過ごしてきて、今は湊斗といることもわかってる真子ちゃん。
女同士の友情って、こういう時、いいですよね。男前真子ちゃんが好きです。
拓実の台詞の中で、この物語で初めて「障害」というワードが出ました。
ここでの拓実の台詞は文字にすると少しキツくみえますが、強い偏見で何かを決めつけるような言い方ではなく、静かに、湊斗を思いながら伝えていました。
2-11. 手話
ずっと会えなかった想と、また約束をして話せることになった紬。
第1話のモノローグに、学校は約束しなくても嫌でも週5で会える場所という表現がありましたが、会いたい人に会えることは当たり前じゃないこと、その尊さを感じますね。
手話にまつわる春尾の言葉も、春尾自身の過去の経験もありますが、"相手のために何かをしたい"という善意が、してあげたという押しつけに変わってしまうことがあること、それは受け取る側がどう受け取るかによるということを考えさせられます。
この物語では、手話が、単なる言葉ではなく、人から人へ渡されるプレゼントのようにずっと描かれていますよね。
どんなプレゼントも、渡す側の片想いで選んで渡したところで、喜んで受け取ってもらえない。
また、プレゼントなら、相手が何を送ったら喜んでくれるかを考えてから選んで渡すのに、言葉だとついつい一方的なこちらの想いで渡してしまって、相手を傷つけてしまったりする。
伝えることと、伝わることと、届くこと。その難しさを考えさせられます。
2-12. 悲しませたくなかった
はぁ。何度見ても泣けてしまうシーンです。想い合ってしかいなかった二人よ…(涙)
紬は、想の耳のことを知り、最後に会った公園での出来事を思い返して苦しい気持ちでいたんでしょうね。
知らなかったとはいえ、無邪気に人を傷つけてしまったかもしれない。
そういう経験って、誰でもあると思います。
そのことをちゃんと言葉にして謝ることが出来るのは、まっすぐな紬の良いところですよね。涙をこらえながら後悔するお芝居が胸を打ちました。
想の耳のことも、今は聞こえないという事実をそのまま受け止めて、話したいから、話をするために、手話を覚えた紬。
物事の受け止め方や考え方がとてもシンプルで、こういうまっすぐなところに、想や湊斗、紬の周りの人たちは惹かれるんだろうな。
湊斗にも会ってほしいなと思う紬。久しぶりに再会出来て、恋愛感情じゃなくて、やっぱり想は好きな人だし、大切な人だから。仲の良かった湊斗や、疎遠になってしまった仲間たちとも、想が望むならまた繋がりをもってほしいというシンプルな気持ちだったのだと思います。
それに対して、「えー」と困ったように笑った想くん。
ここの「えー」のなんとも言えない表情、さすがでしたよね。
あぁ紬は今彼氏いるんだなっていう寂しさと、幸せになったのかなっていう安堵と、いざ聞くと辛いなって言う苦しさと、入り混じった感じ。
想くんは、紬が好きだったから別れたし、想くんの中ではずっと紬は今も"好きな人"なのかな。"好きだった人"かな。どっちだい想くん。
この時点では、想もまた紬と付き合うなんてことまでは考えていないけれど、やっぱり想にとっても紬は大切な人だったから。
またこうやって話せて、紬が手話を覚えてきてくれて、向き合ってきてくれて、話せて、ずっとひとりで孤独の中でじっとしていた想くんの心も、ここからまた動き出していきますね。
川口春奈さんの、涙がこぼれ落ちるシーン、涙が止まらなくなってしまってひっくひっく言いながら涙を拭うシーン、何度見ても一緒に泣けてしまいます。
大人になって人前で泣くって、相当ですよね。
普通の大人は、無意識に泣かないように我慢するし、それでも泣いてしまった時って、もう自分で止められなくて、どんどん溢れてしまう。
鼻がツンとして、唇が震えて、喉が詰まって、苦しくなる、あの感じ。
紬が想の言葉を受け止めて、想が突然別れを告げた理由や想いを理解して、最初は笑って耐えようとするけれど、気持ちがこぼれてしまって涙が止まらなくなる。そのお芝居がとてもリアルで、泣けました。
想くんは本来このシーンでは泣く予定ではなかったそうですが、川口春奈ちゃんのあんなお芝居を受け止めたら、泣きますよね。
スマホの画面を紬に見せる時の想くんの優しい表情や、「好きな人がいる」で紬を指す指が震えていたこと。
目黒くんの気持ちがこもった繊細なお芝居にも心を打たれます。
気持ちと気持ちで向き合ってお芝居をされる二人、目が離せません。
また、この大切なシーンを、美しい映像で、無音の静けさで、表情を切り取るように映し出して表現された制作チームの方々のセンスも素晴らしいですよね。
それにしても想くん、いくら紬を泣かせたくない、悲しませたくないからって、ずっとひとりで抱えて、ひとりになってさ。辛い方へ辛い方へ、歩いていってしまったね。ほんと昔からそうやって一人で抱えるところあるよね佐倉くん。勝手に決めないでよ。勝手にいなくならないでよ。話してよ。でも佐倉くんっぽいよ。(誰目線)
こうやって紬と再会できたからよかったけど、会わなかったら君は一生そのことを一人で抱えて、どこかで紬の幸せを願って、ひっそり生きていたの??(涙)
想にも、紬にも、湊斗にも。全員に幸せになってほしい。
はぁ。3話見よう。