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大阪演劇見本市 感想(2023年9月15日)

9月15日に、梅田にあるグランフロント大阪内のナレッジシアターで開催された大阪演劇見本市に行ってきた。

このイベントでは、大阪で活動している劇団さんのブースで今後行われる公演の情報を得られたり、メインステージプログラムで演劇を見たりできる。

レポというほど手の込んだものではないが、感想を書き留めておこうと思う。

Aプログラムメインステージ:釈芝居「赤垣源蔵・徳利の別れ」

Aプログラムのメインステージは、赤穂浪士を題材とした釈芝居だった。

日本史よわよわ人間である自分は、赤穂浪士と聞いても「なんか……江戸時代のどこかでなんか誰かを討ち入り?した人のことだよな……」レベルのクソ雑魚解像度なのだが、それでもお話に深く引き込まれて楽しめた。

Aプログラムの釈芝居に私の最推しである加田さんが出演するということで、これを見ることが見本市に来た最大の目的であった。

ざっくりとしたあらすじ

赤垣源蔵は討ち入りの前日に、最後に一目会うために兄の家を訪れる。
ところが兄はちょうど不在で、源蔵は壁にかけられている兄の羽織の前で持参した酒を飲み、しかし全ては飲み切らずに兄のために残して帰る。その際、討ち入りをすることは伝えず、どこか遠くの大名に仕えるからもう会えないというような伝言を残した。
後から帰宅した源蔵の訪問のことを聞き、会えなかったことを悔やむ。

翌日、討ち入りがあったと町中が騒ぎになっており、その中に源蔵がいたかどうかを兄は市爺に確かめに行かせる。
そして、源蔵はこれから切腹することになるということを知り、討ち入りの際に使用した笛を形見として渡される。

ざっくりとした感想

源蔵からすれば今生の別れになることが分かっているのに、最後に兄に会えなかったのがあまりにも切ない。

情報漏洩などを防ぐために身内であっても討ち入りの話はしないなんて説明が確かあったが、そうなるとこれからもう二度と会えなくなるとしてもちゃんとお別れもできないんだなぁと、あまりにも辛いことだと思った。

あと源蔵の兄を演じた最推しの話しても良いか?
兄が女中さんと妻に弟(=源蔵)の良いところを語るシーンがあるんだけど、そこが滅茶苦茶好き。
個人的に加田さんの滅茶苦茶好きなところは、好きなものの話をしている時の声のトーンである。本当に楽しそうな声で話してくれるのがすごく好き。本当に好きなんだなぁっていうのがよく伝わってくる。
ツー関西の配信の時とかもそうだし、FM千里でプロレスの話をしてる時もそうだ。

加田さん自身の好きなもののお話をしている時ももちろんなのだが、お芝居の中の役柄としてそういう台詞を言う時も同様に凄く良い。おべいみーのレヴィアタンが花ルリたんなどの話をするところとか。
(滅茶苦茶細かい話をすると、おべいみーのアニメ1期2話でゲームの話をしている時の「ついにラスボスまで辿り着いたんだよねぇ〜」の語尾の上がり方とか滅茶苦茶好き。あと2期3話の花ルリたん上映会はもう全部好き。)

今回の作品での兄が源蔵の話をしているシーンでも、そんな加田さんの良さがすごく出ていたと思う。

Bプログラムメインステージ:節劇「樽屋おせん」

こちらは、人間の嫉妬心でなんか色々滅茶苦茶になるお話だった。

ググってみると、「樽屋おせん」という作品は時代によって色々変わっているらしい。ややこしいね。

あと、このBプログラムに出演されていた浪曲師の春野恵子さんによる「樽屋おせん」がYouTubeにもあったので、こちらもまた改めて見てみたい。

登場人物は樽屋おせんとその夫の伊助、麹屋の主人とその妻の4人だ。

麹屋の妻の嫉妬心と思い込みの強さが凄まじく、それによって人間関係が滅茶苦茶になっていく。

ざっくりとしたあらすじ

おせんと麹屋の主人が蔵に入り、高いところに置かれていた箱に入った小鉢を取った時に、不幸にも箱を縛っていた紐が切れて箱を落としてしまった。

それを落としたときになんやかんやあっておせんの服やら髪やらが乱れたのを麹屋の妻が見て、2人の弁明に全く耳も貸さず、不貞行為があったという誤解をする。

それを麹屋の妻はおせんの夫の伊助にも言いつけ、おせんは夫に家を出て行けと言われてしまう。

行く当てもなくなったおせんが川の近くで歩いていたところに、心配した麹屋の主人がやってくる。
さらに、一度は絶縁しようとしたものの未練があり、ヤケ酒をして酔っ払った伊助も探しに来たため、2人でいるところを見られるとまずいということで咄嗟にその辺の橋の下に繋げられていた舟に隠れた。

ところが、なんか紆余曲折で、自暴自棄になった(?)おせんが船を繋いでいた舫を解いてしまい、折角隠れていた舟が流れていくところでこの話は終わる。

ざっくりとした感想

人間って……面白!

前半の見どころは、麹屋の妻の思い込みの強さ。
マジで何も人の話を聞かん。
その上、おせんの夫の伊助にもそれを伝えて夫婦仲をぶっ壊しているので恐ろしい限り。

後半の見どころは、麹屋の主人とおせんが舟に隠れてからの流れ。

伊助は酒で千鳥足になっているので、正直なんかの拍子にコケる→丁度橋の下が見える→Nice boat……な流れを予想した。舟だけに。
これは予想可能回避不可能な展開来るわ……って強く確信していた。

と思いきや、まさかのおせんが自ら舟を繋いでいた舫を切り落として舟が流されていく結末。
マジで何で?
人間の感情の機微に疎いので本当に分からんかった。
誰かを好きになることなんて私分からなくてさ

そんなことしたら妻に弁明しようとしたり、伊助に見つからないように隠れたりしたの全部水の泡ですやん……

予想外すぎて人間って面白!となった。

各劇団のブース展示

メインプログラムの上演時間以外は、各劇団さんのブースを見ていた。

私の推しである加田さんが所属する大阪放送劇団さんと、角さんが所属する劇団しし座さんは当然真っ先に見に行ったが、その他の劇団さんの展示も面白かった。

特に印象的だったのは人形劇団クラルテさんだ。
9/23〜24に行われる公演の「星の王子さま」の人形を見せていただいたのだが、人形の表情は変わらないはずなのに、動きで喜怒哀楽が表現されるのがすごく興味深かった。
今週末の公演にぜひ行きたいと思っている。

大阪放送劇団さんのブースでは、秋の公演の予約をして、ついでにTシャツも買った。

公演を予約する時は誰扱いでチケットを買うか指定するという慣習があるらしい(簡単に言えば推しの名前を指定すれば良い)のだが、とりあえず自分の名前と希望日時を言ったら「チケットは加田さんで良いですか?」って聞かれて、推しが加田さんなのがバレバレでなんか笑ってしまった。さもありなん、ではある。

劇団しし座さんのブースでも、次の公演の予約とTシャツの購入をした。
他のファンの人が角さんに差し入れや手紙を渡してるのを見て、自分もなんか用意すればよかったなぁと思った。
まぁ6月の公演の時にプレゼント持って行ったからいいか。(この時は角さんスミスキーの入浴剤を渡すという渾身のギャグを仕込んだ。)

まとめ

主目的は推しのお芝居を見る・ブースで推しとお話をすることだったが、その他にも色々な劇団さんの公演のことを知れて楽しかった。
あと、メインプログラムの釈芝居や節劇も、こういう機会がなければまず触れることのなかったジャンルであり、また自分の世界を広げる良い機会になったなぁと思う。

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