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劇団しし座 第80回公演『ヒーロー、道に迷う』を見に行った話。(11月19日)

11月19日に、劇団しし座の公演「ヒーロー、道に迷う」を見に行った。
少し忙しかったため感想をまとめるのが遅くなってしまったが、とりあえず投稿することにする。1か月近く経ってしまった。

この作品はオリジナルの脚本だそうだ。パンフレットを読むと、劇団しし座はオリジナル作品に拘っていると書かれていた。
ちょうどこの前の週には大阪放送劇団の公演を見に行ったが、そこでは日本現代演劇の父である岸田國士の作品を演じていた。
劇団によって方針が違うというのも面白いなと思った。

「ヒーロー、道に迷う」あらすじは以下の通りだ。

葛の名産地で知られる葛龍町。素朴な田舎町であるそこには不思議な言い伝えがあった。
町はずれにある雑貨屋「安達商店」のそばに建つ町の英雄、葛屋龍次郎の像に祈りをささげると、葛龍仮面が現れて問題を解決してくれるというのだ。

放浪の途中に立ち寄り、図らずも安達商店に居候することになった芦田、葛山の避難小屋で出会った若者たち、葛龍町の人々。縁に導かれたそれぞれは、葛龍仮面の活躍によって抱えた問題を解決……………するのか?!できるのか?!
http://www.shishi-za.com/info.html

このお話では、しばしば回想と現在のシーンが切り替わるのだが、過去回想の様々な局面で「葛龍仮面」が出てくる。その正体は「安達商店」の店主・安達さんだと登場人物も自分たち観客も途中までは思う構造になっているのだが、安達さんが全部やっていると考えるには無理がある部分が残るのである。
後半、そこまでに出てきた要素が一気につながり謎が解けていくのだが、その伏線回収が非常に気持ちが良かった。

以下は、細かい部分の感想である。

  • 私の推しである角さんが演じる「東山秀介」の出番が多くて嬉しかった。(めっちゃ主要キャラだった)

  • 東山秀介は広告代理店でバリバリ働いてタワマンまで買うようなエリートなのだが、台詞の随所に深い分かりみを感じた。SDGsとか社会貢献とか言うけど結局は金儲けのためだし、それの何が悪いんだって言うの滅茶苦茶分かる。
    妻のためにと思って頑張って働いてタワマンを買ったり色々するけど、妻の方はそんなのは望んでなくてただ一緒にいたかったというすれ違いが辛い。

  • 藤木智章さんが演じる「瀬戸翼」と斉藤彰一さんが演じる「前野翔太」の2人の関係性が良かった。高校時代の回想シーンも、現在の時間軸で一緒に青年団の活動をしている2人も良い。

  • 現在の時間軸で瀬戸くんと翔太くんが物凄く些細なことで喧嘩をしてどつき合うのだが、やたら長くてじわじわ笑いが込み上げた。土曜夜の回でちょっと息切れして止まった時に、角さん演じる東山さんが「疲れたならやめりゃいいじゃないですか!」みたいなこと言ってたけど、土曜昼にはこの台詞なかった気がするぞ…?ww

  • 観光客におすすめすべき民宿の食事は葛餅か唐揚げか、というしょうもないことで瀬戸くんと翔太くんが争っているところで、民宿に泊まっていた観光客が避難してきた。その観光客を瀬戸くんが避難所まで誘導していくところで、「あの民宿は葛餅がおすすめなんですよ!!!!」ってクソデカボイスで言いながら舞台袖にはけていったのが滅茶苦茶面白かった。

  • 最後のカーテンコールで、礼をした後に舞台の下手側に置かれている銅像に向かって手を合わせるの良かった。


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