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巫女伝承「旭神子」を解く

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名取老女にはもうひとつの顔をもつ「旭神子(あさひみこ)」がいます。なぜ、熊野の名取老女はアサヒと融合したのか?旭神子の伝承を紐解く民俗学の世界へ。
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2021年4月の記事一覧

【信仰】岩手県一関の貝田和歌神子と旭神子

【信仰】岩手県一関の貝田和歌神子と旭神子

高清水に伝わる葛西氏の娘「朝日姫」は、
盲巫の始祖伝承を伝えるもので、
『梓神子の由来』(八戸市)に記録されています。

梓神子の由来

『人王八十二代御鳥羽院の御治世、源頼朝公の御時、
高清水に比久太郎という人がいた。
元は源家の侍であったが、民家に下った。
富貴に暮らしていて一人の娘が生まれ、正月元旦に朝日を受けて
誕生したので朝日と名づけた。
聡明であったが十六歳の春、盲人となり、両親は神社

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【伝説】葛西氏の朝日盲巫伝承

【伝説】葛西氏の朝日盲巫伝承

貝田和歌神子(福島県梁川)と
旭神子(宮城県北部~一関)の口寄せの口承を
広めたのは、口シアの民俗学者ネフスキ―によるものでした。

オシラサマ研究で初の東北の巫女を取り上げたとされ、
この口承に「栗原郡(高清水)の旭神子」のことがありました。

高清水の旭神子
登米の寺池城を本拠としていた葛西氏に、朝日という姫君がいた。
朝日姫は葛西氏の家臣で志津川城主の千葉大膳太夫の妻と
なったが、葛西氏が滅

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