ストーカー気味のゲーム友達に好かれすぎて犯された話#2

「あ”あ”ーー!!ムカつく!!」

彼女が声を荒げる。

5vs5の試合で1vs4まで持って行かれ、こてんぱんにやられてしまったからである。

しかも最後の生存者は彼女。

「まあまあ、落ち着いてよ乃々ちゃん...」

怒る彼女を宥める。

だが、怒るのもわかる。

今やっている試合は自分のランクが決まってしまう試合で、まさにこてんぱんにやられているからである。

しかもなぜか味方に荒らしが居る...(チームキルされたし...)

「次があるって、大丈夫大丈夫!」

事を荒立てないように、彼女を慎重に宥める。

...が、こんな状況で勝てる訳もなく、敢え無く惨敗。

「ホント信じらんない!なんでこんな大事な時に荒らしが来るの!?」

「味方も味方で弱いし!」

怒りは絶頂に達しているようだ...どうしたもんかねこれ。


「ごめんね、あんまりキルできなかった」

「なーちゃんは悪くないよ、チームキルされてたし...」


お、ちょっと落ち着いたかな?


「もうさ、フルパでやろうよ、みこちゃん達も呼んでさ!」

提案してみた。

実際二人でやってても実力不足なり野良と連携取れなかったりとデメリットが多い。

5人でやれば連携も取れるし、勝率が増す。

―――が、

「なんでみこちんの話になるの?」

なんでだろう、少し機嫌が悪くなったようだ。

勝てるからいいと思うんだけどなー。

「人数多い方がいいでしょ?連携取りながらやればきっと勝てるようになるよ?」


過去に5人でやっていた時は勝率がよかった。


それを鑑みて言っているわけなんだけど少し良くなかったかな?

「・・・やだ」


子供みたいな口調で断られる。


「なんで?そっちの方がたのしいと思うよ?」


当然の事を言ってみる。


「なーちゃんは私とやりたくないの...?」


「そうじゃない、一緒にみんなでやるの」


「...そう」


やはり不機嫌な模様。


めんどくさいことになったなと思いながらほかの三人に連絡をとってみる。


案の定、一緒にやってくれるたいだ。


「ゆきくん!久しぶりー!!」


「おひさー!」


いつものメンツが集まったのだが、○○の元気がない。


「乃々ちゃん?大丈夫???」


「...大丈夫」

まだ不機嫌が直ってないみたいだ。

その日は特になにもなく進行した。

ただ乃々ちゃんが終始不機嫌だったのは除いて...。

今日は楽しかった。

久しぶりにみこちゃん達とプレイできてわいわい楽しくできた。

乃々ちゃんが機嫌よくなかったけど喧嘩でもしているのかな

そこらへんが心配ではある。

「じゃあ今日はここらへんで」


「乙ー」

「お疲れー」

「じゃあねー!」


今日はここら辺で解散のようだ。

まあ時間も時間だしな。

僕も寝るか...


「...ゆき」

通話を切る瞬間に僕の名前が呼ばれる。

...というかその名前で呼ばれるのは久しぶりだ。


「どうしたの?」


みんな通話から出てから引き止められた。

相談事かな?

「ゆきは...私のこと好き?」

...え?

「え、どうしたの急に...」

驚きを隠せない。

まさかそんなことを言われるとは夢にも思わなかった。

「わたしは好き。狂おしいほど好き」

「えっ...」

突然の告白。

確かに乃々ちゃんのことは好きではある。

けれど...

「...ありがとう」

「けど、乃々ちゃんとは付き合えない」

「...ぇ?」

「な、なんで...?」

「だって考えてみてよ、僕らはネットでしか会ったことない。お互いの顔合わせはしたけどそれが本当の顔だって証明できるの?」


離れてるだろうし...あまり現実的じゃないよ」

「・・・」


自分でも思う。ちょっと警戒心が高すぎたかな?って

でも最近は声を変えて成りすましを行う連中だって居る。


容姿だってどうにかできるかもしれない。


彼女とはもうちょっと慎重に付き合うべきだと僕はおもった

ネットならではの怖さだよね


「...わかった」


わかってくれたみたい。


よかった、明日からはまたいつも通りの―――


「会えればいいんだね?」


....はい?

「え?いや何言って―――」

――通話が途切れる。

「え?なに?どういうこと?」

一人寂しく呟く。

言い知れない恐怖が身を包んだ。


静寂の中LINE通知が鳴る。


02:38 乃々: 明日を楽しみにしててね


「へっ?....」


どういう意味かわからなかった

彼女は僕の住所など知らないはず。

それに明日?

言い知れない恐怖がまたも包み込む。


常に怖くなり、あまり寝付けなかった。

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