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NHKは「女性に対するAED」の記事を定期的に大量シェアしている

「女性に対するAED」に関する話題で、2022年6月中旬、ネット上で大きな騒ぎが生じています。実は、NHKは約一か月毎にSNSアカウントにおいて過去記事を定期的にシェアしているので、ネット上で何度も話題が生じています。

今後も定期的に話題になると予測されるので、ここでまとめておきます。

NHKの「女性に対するAED」記事

2022年6月中旬にネット上が騒がしくなったのはこの記事のシェアが原因。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article23/

しかし、この特集記事は2019年5月31日UPされていることから分かるように、過去のものです。先に出された記事は以下ですが、特集として書かれたものではないニュース記事であるため現在は削除されています。
AED 女性への使用に抵抗感? 京大調査2019年5月6日 7時31分

2020年12月にシェアが始まり、2021年10月からは毎月シェア、中には1か月に3回シェアされることもあります。

なお、https://www.nhk.or.jp/d-navi/2020/article_23.htmlのURLで同内容のものがUPされていましたが、「未来スイッチ」の方のURLに統一したのか、こちらは消されています。このURLのNHKによるシェアは一回でしたし、Twitter上でも大きな非難は起こっていません。

NHKの他の「女性へのAED」記事

この記事のほかに「女性へのAED」記事がありますが、こちらは比較的シェアされているのが少ないです。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article55/
2020年12月に6回シェアされた後、2021年2月にも6回、その後は月1~2回ペースでシェアされ、2021年11月を最後にシェアされていません。

「ネット上の声」として女性へのAED使用をリスクと感じる男性と思われる者の意見を取り上げたり、「女性に配慮」という文言があるものの、SNSでは大きな批判対象にはなっていません。

先に挙げた記事との大きな違いは、先に挙げた記事の方は「女性へのAED使用が少ない」とする論文が取り上げられ、その原因として「倒れた人が女性の場合、素肌を出してAEDを使うことに一定の抵抗感があるのではないか」と研究チームが分析していること、記事中に「セクハラはありえない」と日本AED財団の顧問の武蔵野大学法学部特任教授の樋口範雄が解説していることが挙げられます。

注意すべきは、論文は「男性がリスクを感じるから」とは断定してませんし(予測の一つとして性的暴行と誤解されるリスクは書いている)、この記事自体も「セクハラリスク」を論文の解説としては書いていないというコトです。

他のNHKのAED特集記事

他のTwitterアカウントによって何度もシェアされている「AED特集記事」はこれらが見つかります。これら以外にもあるかもしれません。

なお、検索すると他にもニュース記事が見つかりますが、ここでは取り上げません。ニュース記事はすぐに削除されるという傾向があります。

属性の限定なくAEDの使用を求める・子供へのAED使用を躊躇わないよう伝えるNHK

AED 幼い子どもにも積極的に使って!2019年5月9日 16時50分

乳幼児にもAED 保育士が使い方学ぶ 大阪2019年5月12日 19時46分

シリーズ 2020 知ってほしい 変えてほしい救える命、私が救う7月25日 20時30分

NHKは他にも、「日本は世界一のAED普及率」と言われることもあるにもかかわらず、全年代・全属性者へのAED使用や、子供・乳幼児へのAED使用が(必要な人なのに)少ない、ということを伝え、使用を訴えていました。

ただ、これらは「女性へのAEDが少ない」よりもあまり発信されておらず、ネット上の反応も薄いです。

「女性へのAEDが少ない」ということ以前に、「男性に対してもAEDの使用が少ない」という現実があるのですから、そちらも併せて啓発するべきでしょう。

もっとも、「女性に対するAED」という、具体的な状況下で事前知識を入れて頭を整理することは、救命処置を早めることにもなります。「配慮」の二文字で拒否反応を起こしたり、一般人を下に見て能力を過小評価するのではなく、そうした正の側面を伝えていけば良いと思います。

なお、海外のAEDに関するサイトでは、図表に女性の絵を用いてるなどして、言外に「女性への使用も衣服を脱がしたうえで当たり前にして行われるのだ」ということを認識させるようになっていることに気づきます。

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