仮提出時点での直接請求の署名簿の個人情報開示請求は、反対派が騒ぐ以外の意味は無い

直接請求の署名簿の個人情報開示請求は、反対派が騒ぐ以外の意味は無いということについて

11月時点の愛知県知事の解職請求の署名簿の扱い

愛知県知事の解職請求に関して、署名運動期間が終わった愛知県内の自治体における署名簿の扱いは、現在は「仮提出」となっています。

これは、他の自治体では署名運動ができない時期があったため、署名の時期が別々になった場合の正式な手続であり、地方自治法施行令第九十三条の二で規定されています。

現時点では署名の数が解職のための住民投票を行うために十分なものではありませんが、それでも受け付けているのはそういうことです。

リコール可能数に達した場合には請求者から(本)提出の申出をすることとなります。

今後の署名の数によって扱いが異なることが自治体の文書で分かります。

碧南市選挙管理委員会魚拓

碧南市選挙管理委員会

署名の効力審査⇒縦覧の手続は、提出された署名数がリコール可能数に達した場合にのみ(有効か無効かはこの段階では問わない)行われます。
(リコールできないのに効力を判定するのは無駄だから当然)。

すべての署名集めの期間が過ぎても集めた署名がリコール可能数に満たない場合は、そもそも署名簿が提出されないか、仮提出された署名簿があればそれはその時点で請求代表者に返却されます。

リコール可能数に達して効力審査⇒縦覧に供されたあとでも、署名簿は請求代表者に返付されることとなっています。

リコール請求=住民投票の発動の成否と署名簿の個人情報開示請求

署名の効力審査もしない段階で個人情報開示請求をしても、自治体がそれに対応したとして、判明するのは署名の有無のみで有効無効は不明。

だから、署名の冒用を気にするものだけが利用する事になるということ。

しかし、「勝手に私の名前が使われてないか不安!」などと思おうが、リコール数に満たないようなら偽造されてようが無意味な行為。よって、仮提出の段階での署名簿の個人情報開示請求というのは、リコールの成否とは無関係な行為なわけです。

自治体の効力審査⇒縦覧という手続が法定され、そのような順番でスクリーニングされるのに、効力審査前に縦覧類似の行為をしてその判定に影響を与えるのは事務が複雑になるだけ。

だったら縦覧の手続において郵送でも本人の情報のみ教えるという運用をすればよい。それをしないで同等の手続を敢えて別制度で行う意味が分からない。

しかも「行政文書」該当性という法的な概念に重大な影響を与える解釈を行ってまでするべき必要性があるとは思えない。

署名の偽造発見に効果がある!

このように主張する人が居るかもしれない。

しかし、偽造が判明しても、それが主催者側が不正のために偽造したものなのか、反対派が難癖・妨害のために仕込んだものなのか、単なる悪戯なのかを判別できるケースなんてほとんど無いだろう。

だから、署名簿の個人情報開示請求というのは、本来的に【刑事事件の解明】という観点からはほとんど意味を為さない。

署名簿の効力チェックというのは、【直接請求の成否のために行われているという意義が大事。

したがって、仮提出の段階で直接請求の署名簿の内容について個人情報開示請求をするというのは、『反対派が「こんな偽造をしてまで行う署名運動に正当性は無い!」と騒いで署名運動を腐すために行うような場合』にしか意味が無いということなります。

本提出後のことについては直近の記事で書いています。

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