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風邪症状者も含む「GoToトラベルが新型コロナ増大」の論文の扱いとオッズ比とリスク比の違い

この東大研究者らの論文は、「新型コロナを示唆する5つの症状」として

発熱
咽頭痛

頭痛
嗅覚/味覚異常

これらを経験していた人の割合と、Go Toトラベル利用者との関連を調べていただけに過ぎない。

ということが分かれば「お察し」なわけですが、この論文の扱いについて「識者」らがどう反応しているのかはリトマス紙になりますねと。

さらに言えば、「2倍」という結果が本当だったとして、それって【許容範囲を超える程度】の悪い事なんでしょうか?

新型コロナgoto論文2

メディアの記事だけ見てなんちゃって政策論を語るみっともない人たち。

しかも、今回の論文内の記述は「オッズ比」が2.0付近だという話です。

性別・年齢・社会経済状態・健康状態などの影響を統計的に取り除いた上で、Go To トラベルの利用経験のある人は、利用経験のない人に比べて、過去1ヶ月以内に発熱(Go Toトラベル利用者4.8% vs. 非利用者3.7%; オッズ比 1.9)、咽頭痛 (20.0% vs. 11.3%; オッズ比 2.1)、咳 (19.2% vs. 11.2%; オッズ比 2.0)、頭痛(29.4% vs. 25.5%; オッズ比 1.3)、嗅覚/味覚異常 (2.6% vs. 1.7%; オッズ比 2.0)を、より多く認めていたことがわかりました(図1)。

オッズ比2倍というのはこの研究論文の場合、「症状が出た人と症状が出てない人とで、Go To トラベルを利用していたと回答した人は前者が2倍」、という理解になります。

決して「Go To トラベルを利用した人はそうでない人と比べて症状が2倍出ているという因果関係が判明した」という解釈をするための指標ではありません。

リスク比とは異なります。

だからこそ、研究でも「新型コロナ症状者がその原因としてGoTo利用を思い出しやすい可能性(思い出しバイアス)等」を研究の限界として考えています。

唯一、咳 (19.2% vs. 11.2%)の場合はリスク比が約2倍だと言うことができるでしょうが。

共同が書いた記事を転載している媒体も、その記事自体を削除するところもあります。

東京新聞 GoTo利用者は「発症」2倍 トラベルで東大チームが初調査
2020年12月7日 20時42分 (共同通信)

わずかながらの現場の誠実さが見えたか?と思いましたが間違いでした。以下は現在もそのまま掲載しています。

GoToトラベル利用者に発症2倍 東大チーム初調査 味覚異常などコロナ疑い 2020年12月8日 07時28分

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