慰安婦性奴隷説のクマラスワミ・マクドゥーガル報告書の国際社会の扱いと報道の乖離

「慰安婦性奴隷説が認められた」といった報道や主張は大抵が実態を隠蔽して「成果」を誇張している。

慰安婦性奴隷説のクマラスワミ・マクドゥーガル報告書

吉田証言などをベースに慰安婦性奴隷説が書かれている1990年代の国連特別報告者のクマラスワミ報告書とマクドゥーガル報告書。

上掲記事で参照場所と国連の組織での扱いが分かるようにしましたが、この二つの報告書は、メディア等によってずっと過大評価され続けてきました。

国連人権(小)委員会での扱い

結論としては、当時の国連人権(小)委員会では慰安婦や日本軍の第二次大戦中の行為に関する何らかの措置を講ずべきとする決議は行われていません。

報告書の本体と付属文書は別物であること、報告書と委員会決議は別物であり、報告書で「勧告する」と書かれているからといって委員会でそのように決定されたというものではないという理解が重要です。

反論者も、【報告書の中身】が破綻していることの説明をすることは多いですが、【報告書の国際社会での扱い】について語ることはありません。

当該報告書の内容すら是認するNGOの弁護士らがSNS等で認識誘導している例が見られますが、正確な理解としては上掲記事で書いた通りです。

大げさに「成果」を喧伝してきたマスメディア報道

https://www.awf.or.jp/pdf/0063.pdf

マクドゥーガル報告書はクマラスワミ報告書に比すると正確な報道が為されていたが、それでも存在意義を過大に扱われていたと当時から指摘されています。

アジア女性基金による平成10年=1998年11月10日の報告会における国連人権小委員会委員の横田洋三教授の以下の説明は当時の報道を物語っています。

人権小委員会は26人の専門家によって組織されている機関です。ところが、この人権小委員会には政府の代表がオブザーバーというかたちで参加しています。また、とくに人権に関心のあるNGOもオブザーバーとして参加しています。そしてこの「従軍慰安婦」問題だけではなくて、さまざまな問題について、政府のオブザーバーもNGOのオブザーバーもいろいろなかたちで発言します。この発言は委員のあいだでの審議を助けるための材料を提供するためのものだととらえられています。したがって、そこでもよく新聞が人権小委員会の場でNGOがこういう発言をした、ある国の代表はこういう発言をした、それでその委員会で問題が取り上げられたという報道をしますが、それは正確ではありません。あくまでも人権小委員会は委員によって構成されているものですから、委員の発言は取り上げられたと言えますけれども、オブザーバーの発言は材料を提供したと考えるべきだと思います。

現在でも日韓のメディアや当時の国連で暗躍した活動家はクマラスワミ報告書を持ち上げて発信していますが、惑わされないようにしたいものです。

「クマラスワミ報告書」修正で日本政府が直面する国際世論の反発
登録 : 2014.10.17 00:57修正 : 2014.10.17 07:03 ハンギョレ

【社説】クマラスワミ報告 本質から目をそらすな| 神奈川新聞 | 2014年10月25日(土) 09:44

慰安婦性奴隷説の破綻:国際法に照らした評価

日本政府は当初から法的責任は無いことを反論しており、しかし道徳的責任があるためにアジア女性基金を通じた「償い金」事業などを行ってきました。

慰安婦性奴隷説は、当時の国際法の観点から到底認められない暴論であり、国連の委員会も相手にしてこなかったレベルです。

当時の関連する国際法規と慰安婦の実態に照らした考え方は上掲記事で示した通りです。

以上

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