ヒルシュスプルング病について(手術編)

先月、娘がヒルシュスプルング病の根治術を受けた。ヒルシュは子どもによって症状や重症度が大きく違う。その子に応じた医学的な話は担当のお医者さんに聞くのが一番なので、ここではあくまでも、子どもの母親の目線で話をしたい。

なお、備忘録を兼ねた記録が多いので、ヒルシュの人以外はあんまり面白くないと思う。

検査入院(生検)

ヒルシュはレントゲン、造影検査等いろいろな検査を経て確定診断されるようだが、最終的な判断は生検してから下されるらしい。お尻に近いところを取って検査するようだが、娘はやはり神経がなかった。

3泊4日で母子同室入院したが、何が辛いって相部屋のパーソナルスペースの狭さ。どう考えても2畳半ほどのスペースにて、子どものベッドより小さく細い簡易ベッドで寝起きして、昼は子供の世話のみに神経を費やし、シャワーは20分で終わらせ、コロナのため外出不可の軟禁状態となる。夜は他の子の泣き声や点滴のアラームが断続的に鳴り響き、我が子の眠りも浅くなる。抱っこしてあやそうにも歩くスペースもなく、廊下をふらふら彷徨う羽目になった。3泊4日でメンタルボロボロ。長期の付添入院のお母さんは本当にすごい。尊敬するしかない。付添入院を終えたお母さんは150%くらい労ってほしい。

入院(手術・根治術)

コロナ禍で付添入院ができず、1ヶ月間、1日1時間の面会予約をして病院に通い詰めた。定期を買えばいいと気づいたのは入院3日目で、頭が回ってないなと、少ししょんぼり。

娘は神経の無い(と思われる)部分が人より長かったので、術前に右側の鎖骨の付近から入れた静脈カテーテルを通して、高カロリー輸液を入れ10日間ほど絶食した。拡張した大腸を出来るだけ元の大きさに戻すためらしい。

手術は10時間ほど。どこまで大腸を切るかは、手術中の生検で確定するため、当日までわからなかった。娘は結果的に大腸の半分以上を切り取り、残った部分を肛門につなげた。腹腔鏡で終わらせる予定だったが、予想外に神経のない部分が長かったので途中で開腹に切り替えられた。

術後に執刀した先生から説明を受けた。先10年くらいは腸炎の重症化のリスクが高いので注意が必要。説明にはホラーマンガ顔負けの内臓写真が続出で、ちょっと目を細めて写真を眺めた。

ICUに面会に行ったら顔が白くて、たくさんのチューブに繋がれておむつ一丁で寝ていた。我が子ながら触るのが怖くて、旦那さんと2人でぼうっと顔を見るだけだった。この時ほど傷も病気も全部自分に移せたら良いのにと思ったことはない。ありきたりだけれど、娘が生きててよかったと思った。

術後は24時間ICUで様子見、翌日には病棟に戻ってきた。胃腸が動き始めるまでは鼻を通して胃にチューブを入れていた。チューブからは緑色の液が出ていた。3日目でガスとうんちが出始め、術後5日経ってミルクの開口摂取が始まった。(10cc/3時間ごと) この間、足りない栄養は、術前に入れたカテーテル経由で補われる。

ここまでくると本人はだいぶ元気になっており、繋がれた管を邪魔そうに触っていた。子どもの回復に応じて母のメンタルも徐々に浮上した。

6日目に鼻のチューブが外れ、12日目に静脈カテーテルが抜き取られた。が、代わりのルートを確保すべく左手が点滴の管と保護材でぐるぐる巻になったので、みため重症度が増した。

15日目。やっと退院。長い1ヶ月だった。

ヒルシュっ子は生まれてから長いこと排便しないので、術後は排便に伴いお尻が荒れる。そのケアについてはまた別の記事にしたいと思う。

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