ハーフの子供を国際人として育てる

私自身、生まれも育ちも日本でしたが、母がエジプト人だったのでハーフとして育ちました。


私が通っていた公立の小学校は私と兄、あともう1人の3人以外生徒1000人が全員日本人。珍しいもいいところです。最近はハーフ人口も増えて来ましたし(人口の30人に1人が混血ですって。)ハーフって言葉が、半分って意味だからダブルって言った方が良いんだよ、差別的な用語の様に取り扱っていますが、私としてはハーフって言われてもダブルって言われても区別してるのには変わりないのでどっちでも良いじゃんって思います!笑

アメリカはどこから来ても、アメリカで育てばアメリカ人。

日本人は、ハーフで生まれると死ぬまでハーフです。

大学に上がるまでは「私だってみんなと一緒で日本で生まれて、インターナショナルスクールに行ったわけでもないし、地元の公立小・中・高まで卒業したのになんでいつも違う扱いなの!」と差別されている、怒りがありました。

しかし、大学でフランスやイギリスに留学すると、日本人。「結局どこ行っても私は外国人」という事が明確になったら、逆に気にならなくなりました。


日本で生まれて日本人として生きられないと”疎外感”を感じて、なんで私を仲間に入れてくれないの!って思っていましたが、ヨーロッパに来るとみんながみんな違うバックグラウンドや肌の色、目の色をしているのでそれを誇りにしながら他の文化も受け入れようとして生きています。日本に帰った時に、みんなと違うという点を受け入れて、それにプライドを持ちながら生きる方法に変えたら、今までみたいにハーフとして見られた時に疎外を感じる事なく、むしろそれが自分の機会、チャンスなんだと前向きに捉えれる様になりました。

東京で社会人を始めてからもミスすると、「ハーフだから仕方ない」って目で見てくれる様になったのでその点ちょっとお得だな、って思い始めたくらいです。JRの乗り換えを間違えたら駅員さんがカタコト英語で助けて来れて新しい電車券を来れたり。笑  日本でハーフの子供を育てているお父さん、お母さん、外国人ってイジメられるのも小さい頃だけで大人になったらメリットたくさんあるんで大丈夫ですよ。


そして今、自分の子供を育てる時が来て。日本人として育てたい反面、育てた所でハーフ概念からは絶対に逃れられないのも分かっています。だからなるべく早くこの感覚を分かってほしい、ハーフは良い事だ、どこにも属さないけど、それって良い事なんだよという事を教えてあげたいんです。国籍に捕らわれてないで、国際人として生きて欲しい。

実際うちの子はクオーターなんですが(4分の1日本人、4分の1エジプト人、4分の1カナダ、4分の1アメリカ)生まれはフランス、育ちはバラバラ・・(フランス3年、香港1年、ベルギー4年、そして今はイタリア)髪の毛も茶髪だし、目も青っぽい。でも唯一のいとこが日本人だから、日本語は読み書きできなくても良いから話せるだけでも頑張ってほしい!と思っている所です。


ただ育っていく上で問題になるのが「自分はどこの国にも属さない」という気持ちになってしまう事。国籍はアメリカと日本ですがアメリカ人でもないし、日本人でもない娘。

良い意味で言えばグローバルな子供なんです、国際人なんです!

でも、人はどうしてもカテゴリー化して何処かに族したい願望があります。最初は赤ちゃんだったから転々と移動してても何も分かっていませんでしたが最近は段々と言葉が達者になって来て、こんな事を聞かれました。

「なんで私はフランスで生まれてフランス語喋るのにフランス人じゃないの?」

良い質問ですね。1990年代までフランスではLe Droit du Sol (フランスで出生した子供の国籍取得)があったんですが廃止されたので我が子は8歳以降に5年フランスに戻れば申請出来るらしいです。でも残念ながらフランス人ではありません。でもフランス語を話して、フランスの保育園に行ったけどフランス人じゃないって事が良い事なんだよ、といっても理解に苦しみます。

「パパとママもフランスでお仕事してたんでしょ?フランス語喋れるのになんでフランス人じゃないの?」

これも良い質問ですね。政治家の様な質問をして来ます。

今はBREXITでヨーロッパもモヤモヤしていますが、私たちはヨーロッパのパスポートを持っていないので毎年ビザの更新をさせられます。フランスですと5年以上働いた人にはフランス国籍を取得出来る権利を獲得しますが申請に2年かかりその間は国外に出るのが難しいので私たちはやりませんでした。パパとママはなぜフランス人じゃないかって?(正直なところ)申請するのが面倒だったんだよ、と言っても子供は理解に苦しみます。

今はイタリアに引っ越してきて、(香港に住んでいた一年を除いて)ヨーロッパでしか過ごしたことがないのに、私の旦那の研究職の契約が切れたら日本かアメリカにしか住めません。

大人が決めた、国が決めた法律で属せるはずなのに属せなくしたり。

20歳になったら日本国籍かアメリカ国籍を選ばなければならないなんておかし過ぎる。(アメリカ側は国籍を何個持っていても大丈夫ですが日本国籍を選んだ場合他を放棄する必要があるんですって。世界的にみても時代遅れです。)

でも!これでいいんです。属す、属さない、ではなくて「どこ行っても私は外国人」

悪い意味ではなく、そこにしかはまれない、属せない人間じゃなくて、どこにでも行ける人間になって欲しい、国際人として生きて欲しいという思いを伝えたい!

子供に伝えるのはまだ難しいんですけどね。

日本もアメリカみたいに、ハーフでも日本で生まれた、海外で生まれたって日本国籍があればみんな日本人!っていう概念に変わってくれる日もいつか来るんでしょうか。

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