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三日月 と 三ミリの命

公園の、橋の上に来たよ。
あなたのパパとの思い出はたくさんあるけれど、ここは特に大切な思い出の場所のひとつなの。
あなたのパパがわたしにくれたあたたかな思い出のひとつひとつを、あなたに聞いてもらうのが楽しみだよ。

すごくお腹が空いたし疲れているけれど、ごはんを作る!
今までみたいに適当な外食をしたり、買い食いをしたりせずにね。今、ごはんはあなたの体をつくる大切なもの。
自分のためだけじゃないから、がんばれるんだね。

あと、今までのわたしはダイエットのために辛い食事制限をしたり、眠る時間を削ってまで真夜中にダンベルを持ちながら果敢に走ったりしていたの。
でも今は、よく食べてよく眠ることが一番大切だと感じるし、あなたを労わりたい気持ちを心地よく抱きながら、穏やかにお散歩をしているよ。
少しずついろいろなことが変わっていくんだね。

お仕事への対応も始まったよ。
お世話になっているライブ会場、遂行中のプロジェクトへの報告や相談。誠意が伝わるように、あなたのパパがひとつひとつの言い回しや対応について相談に乗って励ましてくれるから、すごく心強いの。今までもいつもそうだった。
あなたを守るために、わたしたちは頑張るよ。

2018年4月14日

あなたの誕生を知ってから、長くて短い十日が経ち、クリニックに行ってきたよ。
あなたはまだたったの三ミリでした!
三ミリでも微かに動いてるのがわかったよ。あなたに栄養を送っているのだという小さな輪の下あたりで。
わたしからの栄養をしっかりと受け取ってくれているんだね。

クリニックの帰りに見上げた、小さくて華奢な三日月が、あなたに重なった。
でも月は、ほんとうはすごく大きいものなの。
あなたもまだ三ミリだけれど、命を授かった時点で宇宙のように大きな存在だよ。

2018年4月20日

お手洗いに行くたびに、出血してないかなと不安になり、大丈夫だと胸をなでおろしている。そして、「がんばっていて良い子だね」と褒める。
三ミリのうちから、子は褒めて育てる。

世界一大好きな、あなたのパパとの愛を証しする存在として来てくれたこと…。
まだ三ミリほどの小さな小さなあなたに、止まない感謝を注ぐよ。なんて素晴らしい子。

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