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留学時代、日本人として人間関係にちょっと悩んだ話

海外から見た日本のイメージといえば、漫画やアニメがよく聞く答え。
海外で日本出身と言うと、日本のサブカルチャーが好きな人から上記の話題を振られることが多いはず。

今回は海外経験のある人ならきっと分かってくれる人もいるはず、世界から見た日本と実際の日本人としてのギャップを感じた話をしたいと思います。

今から9年ほど前、私は中国の澳門(マカオ)に交換留学をしていました。
トップの写真は当時通っていた澳門大学の広大なキャンパス内のごく一部。

当時19歳で、地元以外で暮らすのは初めての経験。高校の修学旅行で台湾、オーストラリアに短期滞在したことはあったけど、その当時まだ日本本土には行ったことがなく、沖縄以外の日本をテレビやネットなどのメディアでしか知らない本当に世間知らずな若者でした。

そんな何も知らない私が日本人留学生として、日本人代表みたいな顔して異国で留学生活を送ることになるのですが、すぐに海外から見た日本のイメージと自分のギャップについて気付かされました。

日本出身と言った時に受ける反応は、基本的にこの3つ。

へえ、そうなんだ。みたいな感じで特に日本に興味のないタイプ。

日本いい国だよねー。と何かしら国の印象にコメントをくれるタイプ。

アニメ、漫画、日本食好き!と興奮してくるタイプ。

相手のリアクションは上記の通り大体想像の範囲内なのですが、3つ目の日本好きパターンに出会った時、困ったことが多くありました。

まず、私はアニメを見ません。小学生の頃にちょうどテレビでやってたナルトやワンピースは見ていたし、漫画も持っていたけどその時だけの感じで大まかな内容しか覚えていません。

私の周りも、中学生以降アニメを見続けている人は半々といった印象でした。当時よりさらに日本国内外でアニメの存在が大きくなったように感じる現在でも、アニメを日常的にみない大人の方が周りに多い気がするけど、どうでしょう。

アニメの話をされても、

名前は知ってるよ。

くらいしか言えませんでした。

相手が現地の澳門人だったり、中国や台湾になると日本の音楽やテレビドラマ、俳優やジャニーズなどのアイドルのファンも結構多かったです。

私は日本のテレビドラマも全然見ないし、芸能人全般にも興味がないのでこれまた同じ返事しかできないことがほとんど。

澳門大学には日本語学科や日本好きな学生が集まる日本サークルのようなものもあって、学科やサークル主催のイベントに日本人留学生が招待されることが何度かありました。

そういった機会に出会う学生たちは、同年代の日本人と関われる機会を楽しみにしていて、せっかく興味を持って話しかけてくれたのに彼らの期待に答えるような返事ができなくて、会話が盛り上がらないことが多かったです。

結局、日本語学科や日本サークルの学生とは個人的に遊びに行くような仲にはなれませんでした。

私が日本のサブカルチャーに興味がないことだけが問題ではなく、単にフィーリングが合う相手がいなかったのかもしれません。

留学生活の序盤で、こんな感じで日本のサブカルチャーに興味がない日本人としてちょっとした居心地の悪さを感じることがありました。

でも、学校生活自体は自分が日本人ということを意識しなくていい場面がほとんどなので、居心地が悪いことはほとんどありませんでした。

というのも、現地学生と一緒に授業を受けて、自ら「私は日本人です」と発言する場面なんてないし、「あの人は日本人留学生だから話しかけよう」と意気込んでくる学生もいなかったので、特に身構える場面もなく過ごすことができていたから。

普通に考えて、日本好きなグループの中にいない限り、周りは日本人留学生に対して大きな関心がないことがほとんどだと思います。

そんな毎日の中、授業でグループワークも多かったので、そこで知り合った学生達とは気軽に話すことができました。

同じ留学生同士でも、よく遊びに行ってたメンバーは日本ありきの私ではなくて、ただの人として私に興味を持ってくれて仲良くなれた友人たちでした。

日本が好き

はもちろん、人間関係をスタートさせる理由の一つになるけど、

日本が好き

だけが理由になると、私個人的にはその相手とあまりうまく関係を築けない結果になりました。もちろん、日本文化に興味のある人の方が関わりやすいっていう場合もあると思うし、全然気にならない人もいると思います。

受け取り方は人によりけりですが、私は日本好きから入るアプローチはダメなタイプだとわかりました。

この経験から、私も

◯◯人(◯◯出身)だから仲良くなりたい。

という理由だけで相手と仲良くなろうとしてたことがあったんじゃないかと振り返って、無意識にそれをしていたことに気付きました。

相手がそれを気にしないタイプならいいのですが、私みたいに感じる人もいると思います。もしかしたら、好意のつもりであなたの国好きアプローチをして相手に不快な思いをさせてたことがあるんじゃないかって思ったり。

そんなことから、相手の国や文化が好きなことを唯一の理由ではなくて一つの要素として、どこ出身でもどんなバックグラウンドのある人でも一人の人として興味のある相手との関係を考え始めました。

逆に、

◯◯人(◯◯出身)だから仲良くなれない

にも同じことが言えるんじゃないかと思います。国や文化を基準に合わないと決めつけてしまったら、相手に失礼だし、実はすごくフィーリングが合う相手かもしれなくて、その機会を逃してしまうことになったら悲しい。

初対面の相手を一人の人として見ることって、難しい。

でも、あるタイミングで同じ空間にいて、意気投合してその後にお互いの文化や価値観をシェアしあえる関係ができたら、すごく心地いい。

これは友達関係だけでなく、デートの相手でも言えることかなと思います。

ありがたいことに今まで海外出身の人とデートした時も、

日本人とデートしたかった

みたいな感じでくる人はいなかったので、嫌な気持ちになることはなくてよかったのですが、

でも日本人好きの海外の人たちで日本人とデートしたい、日本人だったら誰でもいいみたいな態度を堂々と出している人に会ったこともあればそんな話も聞いたことがあるので、もし自分がそんな理由でデートに誘われたら嫌だなと思いました。

もちろん、そこから真剣な関係になる人もいると思いますし、やっぱり個人の受け取り方かなと思います。

この気持ち、誰か共感してくれたらすごく嬉しい。

もう留学時代からだいぶ時も経って、違った形で海外生活や日本本土での生活も経験して今オーストラリアにたどり着いていますが、世界中から色んなタイプの人が来て、自由にそれぞれの生活を選択できる環境、出会いの多いこの国で人間関係を始める際にいつもこの考えを肝に銘じています。

オーストラリアにワーホリに来て出会う人たちは、日本人も含め本当に多種多様な面白い人が多いように感じています。コミュ力高い方ではないけど、人と話すのは好きなので色んな人間と話せて刺激的。

人それぞれ、人間関係について色んな考え方がありますが、今回は私が個人的に感じたことをただただ書いてみました。











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