マガジンのカバー画像

読書感想文たち

32
感想とは書きたいことを書けばいいのだよと小学生の頃の私に伝えたい。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

貯金が大好きなあなたへ「DIE WITH ZERO」/読書感想

人生で一番大切なことは思い出作りである。 死んだ時の総資産額ではない。 貯蓄<経験老後のためのお金は大事だ。 でも、老後に使うお金の価値と若い頃に使うお金の価値は全く同じではない。 だから、若い頃にしっかりと”経験”をしまくろうということ。 経験というのはそれから先ずっと思い出すたびに楽しい気持ちにさせてくれる。 物の購入と比較しても喜びの持続時間は長いどころか積み重なっていく。 それを記憶の配当と著者は呼んでいる。 一生記憶に残る旅行、心振るわせられたコンサート、新しい

ゲームを悪者にしないでほしいと思うわたし「ゲーム反対派の僕が2年で4千時間も..」/読書感想

「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由。」 著者は、芸人の小籔千豊。 何気に初めての出版らしい、エッセイとか出してそうですけど。 簡単に本書の内容を説明すると。。。 小藪家はゲーム禁止だったけど、子供同士のコミュニケーションにゲームが必要だったから、なくなく買った。 なし崩し的に禁止令が解かれ、かくかくしかじかで禁止令を出していた親自身がゲームにはまってしまった。 2年間で4000時間もフォートナイトをやってしまうほどに。 その中で子供との

いつか誰かをまるごと愛したいあなたへ「中学生からの愛の授業」/読書感想

愛が何かはまだ掴めない。 だけど、なぜ大切なのかはだんだんわかってきた。 最終的に、持続可能な愛を得るための準備をする必要性に駆られている。 若輩22歳、先を見ているつもりであります。 愛と性に関する本だ。 この概念が人間の幸せの大きな部分を占めていることに間違いはない。 私は、ここ最近の経験を通して、性愛とは自分が避けて通るべきことではなく、むしろ、失敗してでもさらにしっかり学ぶべきことだとぼんやり思っていた。 それを後押ししてくれるような本だった。 なんとなくそうした方

正しくなさを体験したいわたし#その2「何様」/読書感想(再読)

私は滅多に再読をしない。 しかし、先日に本書の内容を少しばかり話し合うタイミングがあったので、再読してみようと思った次第だ。 再読した短編は「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」。 一度読んだ物語をまた読むのもいいね。 私の正しさの納得感を得たい1度目に読んでから5ヶ月ほどが経ったが、まだ私は正しくなさは体験できていないみたいだ。 体験したさが心にあるままだ。もはや”憧れ”に近いのかもしれない。 その体験に自分自身の不釣り合いを感じてもかまわない。 一方を選ぶ時に

脳みそ爆発させてSFの世界に入りたいあなたへ(ネタバレなし)「三体」/読書感想

私は、本書の魅力をたくさん述べたい。 しかし、どれを語っても第一巻のあらすじ以上のネタバレが避けられない。 あらすじだけを知って読み進めてほしいのだ。できることなら。 物語の中心を話したら、きっと読みたくなるだろう。 しかし、そこに到達するまでも、楽しいのだ。 話の大枠を理解した時、全巻読まなきゃ終われないと自発的に確信してほしいのだ。 以下の文章は、タイトル通り、あらすじ以上の一切のネタバレをせずにお薦めするとしたら、どのようにプレゼンするか考えてみたものになっております

男性らしさをステレオタイプに寄せるあなたへ「さよなら、男社会」/読書感想

さよなら、男社会 尹雄大 がちむずい。 こういう難しい本を読む読書的な持久力が私にはまだないので、そこを是非とも鍛えたい。しかし、どうすればよいものか。繰り返し読むしかないか。 みんな、どこかで固定化された性に妥協する”男らしさ”って難しくないですか? 私、結構悩まされる時期ありました。←著者のそんな話が中心。 女々しいなあとか情けないなあとか自分で思ったり。 でも、悩んでないで抵抗せずに枠に囚われた方が楽なんですよね。私は楽でした。 例えば、恋愛の範囲だと、男性リード