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機能開発の優先度判断も狩野さん手伝ってもらおう

はじめに

こんにちは。 Voicyでバックエンドエンジニアをしているなだまるです。
最近は機能開発チームのリードをしたり、その中でスクラムマスターとして活動したりなどしています。
今回の記事は、ちょっと前の 「Featureチームのアジャイル開発の軌跡」の続編です(前回はこちらの記事

これなに?

品質管理などの話で登場する狩野モデルによる品質分類を、機能(フィーチャ)の優先度基準にも流用する方法をちょっとだけ知られます。

狩野モデルってなんだっけ?

Wikipediaによると

  • 狩野モデル(かのうモデル)は、顧客満足度に影響を与える製品やサービスの品質要素を分類し、それぞれの特徴を記述したモデルである。1980年代に東京理科大学教授であった狩野紀昭によって提唱された。マーケティングや品質管理の分野に対して多大な影響を与えたモデルであり、世界的にはKano Modelとして知られる。

    1. 顧客が製品やサービスに対して要求する品質について、「当たり前品質」「一元的品質」「魅力的品質」「無関心品質」「逆品質」の品質要素に分類する。一般に、顧客の満足度は品質の充足度に応じて変化するものであるが、狩野モデルによれば、その品質がどの品質要素に該当するかによって顧客満足度に与える効果が異なるとされる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/狩野モデル
図としてはこんなふうに示されるヤツ

この分類をフィーチャに言い換える

  • 当たり前品質→当たり前のフィーチャ

  • 一元的品質→線形なフィーチャ

  • 魅力品質→魅力的なフィーチャ

フィーチャとして解釈すると、下記のような説明になる。

当たり前のフィーチャ

プロダクトが成功するために欠かせない、必須のフィーチャを示す。 品質に磨きをかけても、それが当たり前な存在なので、顧客満足度への影響が少ない。

線形のフィーチャ

あればあるほどよいフィーチャを示す。 フィーチャの量に対して顧客満足度が線形に高まることに由来する。

魅力的なフィーチャ

隠れたニーズのフィーチャを示す。 そのフィーチャがなくても顧客満足度が下がることはないが、あればユーザのわくわくを産み、プロダクトの付加価値に大きく貢献するもの。

分類先の説明をしたので、次に分類のしかたについてお話します。

フィーチャをいずれかに分類する

やることはシンプル。あるフィーチャに対しての質問を複数人数(理想はユーザー20人以上)に行い、その結果をプロットします。質問は「フィーチャの充足質問」「フィーチャの不充足質問」の2つ。
フィーチャの充足質問は、フィーチャが存在する場合にどう思うか。 フィーチャの不充足質問は、フィーチャが存在しなかったときにどう思うか。
それぞれの質問に対し以下の選択肢から選んでもらい、これをポイント化します。

  • 気に入る

  • 当然である

  • 何とも感じない

  • しかたない

  • 気に入らない

この質問の結果のポイントが一番高い部分がフィーチャの分類になります。


この活動を通して、フィーチャの重要度視点の優先度を導くことができます。

終わりに

今回は狩野モデルを用いてフィーチャの優先度の決め方を紹介しました。
このやり方でプロダクトにおいてのフィーチャの重要度は判断できますが、重要度=開発順序にはならないので、この点を留意できると良いと思います。

参考

アジャイルな見積りと計画づくり 価値あるソフトウェアを育てる概念と技法

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