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OFFICE TOSHIKI NASU/「読む、聴く、喋る」に何かを足すと

こんにちは。
今日は曇り空ですね。
小雨が降るという予報ですが、いまにも降って来そうな感じです。

さて、今日は仕事のことについて書いてみたいと思います。
先日、落語家さんの噺の覚え方について紹介されていたのですが、興味深かったのでメモに書き残しておきました。

皆さんは落語家さんの噺の覚え方を知っていますか?
どうやら「読む、聴く、喋る」という流れがあるそうです。
ただそれでは低調なのでしょう、そこに何かを加えるとガラッと変わるそうなのです。

それは解釈。
解釈が加わると噺に奥域がでると。

人というものが介入すると幅が広がる。
さらに「落語は客前で演じてはじめて完成する」と言われています。

鍼灸も同じで患者と向き合ったときその時々で答えは変わるものです。
どのツボを使うかより誰が使うかで効果も変わる。
それは鍼灸師から伝わる周波数や波長、その相性であって、人と人との間や距離により使い分ける言葉の時間、音域、触れ方、さらに鍼灸師が患者から受け取る視覚や聴覚、嗅覚から得た情報によっての同調なのだと思います。

私が鍼灸治療はポップスではなくジャズだと思う理由はこの部分が大きいです。
100人に向けるのではなく、1×100通りである。

西洋医学の特徴(科学)とは、問題に対する仮説が観察・実験等により検討できること(実証性)、同一条件のもとでは同一の結果が得られること(再現性)、導出した結論が事実に基づき客観的に認められること(客観性)といった基本的な条件により成立します。

鍼灸はこの部分に当てはまりません。
なぜなら対象者が一律ではないし、その対象者の体調が毎回違うから。

私が有名なピアノ奏者だとして、アフリカで演奏をするとします。
YAMAHAのピアノが無いなら演奏はしない。
音響はこうでないと嫌だ。
湿度や室温も日本と一定にして欲しい。
照明の位置はこうでないとダメだ。
などの注文をしたとして、その演奏が必ずうまく確証はあるでしょうか。

「落語は客前で演じてはじめて完成する」という意味。
わかっていただけましたか。

鍼灸も同じです。
「読む、聴く、喋る」では無機質なものになってしまいます。
やはり必用なものは人柄なのかもしれません。

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