Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE 回顧録

以前風くんのLiveレポを楽しみにしてくださってた方がいたので、今月行われたFujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE @パナソニックスタジアム吹田に参加した話を書いてみることにします。
でも正直その方のお声だけじゃなくて、わたし自身が書いて残したいなと思えたLIVEだったんです。それくらいステージには感動と喜びがありました…

ところで、SERVE ALL AREAへ入るための日傘まみれの長蛇の列とか、LOVE ALL AREAのグッズの看板やベジタリアンフード、そしてその店の前にそびえたつ添え木で作られたテントから漂うインド🇮🇳の空気とか、ずっずさんいたるところに出没とか、風くん瞑想王子🧘として登場とか、画質神の巨大スクリーンとか、開演後のLASA色の空とか、『grace』の撮影許可が出た瞬間スマホを取り出す客席の一体感とか、『へでもねーよ』『ガーデン』演奏時にスクリーンに映された映像のクオリティの高さとか、曲順などなど、もうみなさん別の方のLiveレポできっと知ってるしお腹いっぱいだよね?
だから、わたしは今回参加した方みなさんと共有してる事実については詳しく書かないことにしました。
あくまでもわたしの目で見たことと感じたことを書きます。
それでも楽しんでくれたなら、心から嬉しいです。

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2022年10月17日(日)8:30AM、まだ朝だというのにすでにジリジリと日差しが照りつけるそんな日にわたしは万博記念公園の改札で日焼け止めを塗っていた。

太陽の塔はいつ見ても興奮しちゃう

藤井風HEAT公演@代々木体育館のグッズ待ち列で仲良くなった東京在住のkazetarianの彼女と待ち合わせをしていたためだ。客席こそ並びではないけど誰かと待ち合わせをして藤井風のLIVEに参加するのは初めてでワクワクしていた。
そんなこんなで彼女と落ち合ってからは待機、待機、待機の連続だった。

長蛇の列と風くん
テントの先にはフードに並ぶ長蛇の列

ご縁を引き寄せ、グッズ列で隣に並んだ方と仲良くなった。遠くに蜃気楼が見えるくらいの暑さの中でさえも楽しく過ごせたのは他でもない愛すべき彼女たちのおかげだと思う。たくさんのグッズを抱え木陰に場所を見つけてくれていた別のkazetarianと合流し、みんなでベジタリアンフードをシェアして食べながら色々話をした。共通言語をふんだんに使いながら揃いの愛してるものについて語る時間はこの上ない癒しである。好きなものを通して人の輪が広がっていくことは本当に嬉しい。勝手に同志のような感覚を覚えていた。
思えば武道館LIVEでも隣に座った人と仲良くなった。終演後、わたしから話しかけてお互い今見たものの興奮をシェアした。その同志とは今でも仲良くしており、今回発売されるTシャツを渡す任務をおおせつかっている。


とあるタイミングで1人スタジアム周辺を歩いている時に、入り口正面に大きく貼られた「HENE」と「LASA」のビジュアルを使ったSTADIUM LIVEの壁画に目が留まった。

HELP EVER HURT NEVER
LOVE ALL SERVE ALL

このアルバムたちならオーディオから勘弁してって言われるほど聴いたし、ジャケットは飽きるくらいには見てる。けれどその2つのパネルを並べて見るとなんとそれらは藤井風の変遷をよく現しているように見えた。なんて象徴的な写真達なんだろう…

薄暗く簡素な場所で黒い服に身を包み顔を半分隠した藤井風が手を合わす「HENE」、ところ変わって「LASA」は暖色のグラデーションを背景に草花咲く石の上に裸足のまま座り、白に近い色を集めた服を着た藤井風がいた。目元上部を赤のシャドウで際立たせたその表情は思わずもたれかかってしまいたくなるような落ち着いた安心感を与えるものに見えた。
必死にもがき行動しても思うように完璧にはいかず、分厚い雲の上にいるであろう神に祈りながら人事を尽くしていた彼は今やこんなにも明るい場所で何もかも手放して全てを受け入れることができるくらいに成長した。そしてこれからまた行きたい場所へ向かって隣にいた神様と手を繋いで羽根のように軽く飛んでいこうとしているのだ。
自分の直感に思わず目頭が熱くなってしまった。
「HENE」の頃の彼はもう解き放たれたのだ。

藤井風は初志貫徹、手を変え品を変えいつだって同じメッセージたちを伝えようとしてきたと思う。彼のその粘り強い意志は多くの人の心をより良い方向に変えてきた。かくいうわたしも何回も励まされ、見たことのない景色をたくさん見せてもらってきたのだ。しかし彼はあまりにも行きたい場所へ到達するスピードが早すぎて、多くの人がそれを神業のように捉えているように感じる。
ここで思い出してほしい。彼はLIVEのMCでも歌詞の中でも「みんなはひとつ」であることを伝えている。海を越え宇宙を越え、好き嫌いも超えて全ての命は皆同じものだという考えだとわたしは捉えた。わたしもあなたも彼も同じなのだ。

あらゆることに言えるけれど、「人にはその人にとっての最善のスピード」ってものがあると思ってる。例えば以前は腑に落ちなかったことも今は分かるという覚えがあなたにもいくつかあるはずだ。わたしは何回もある。
そして彼もきっと同じなんじゃないか。
彼も同じようにこの荒れ狂う季節のような世の中を生きる同志であり、同じ教室で隣同士成長している人間だ。青春病に冒されたり、野菜ばっかの生活なのに腹が立つこともあるだろう。真っ平らに生きられたら真っ直ぐそこにいけたかなと思う日もあれば、幸せの色がわからなくなる日もある。それでも明日なんか来ると思わずに燃えてみたり、あたしに会えて良かったと感謝できる日を迎えた。そうやって一進一退を繰り返しながらも彼は前を向いて進んでいるし、自分にできることを惜しみなく人に分け与えるためにたくさんの人と協力して奔走しているのだと思う。そんな彼のひたむきにより良い場所をみなで目指すため、皆を信頼した上で先陣を切って全速力で走る強さと、時々振り返ってこちらに手を振る優しさにわたしは惹きつけられてしまうのだ。
同志感を感じずにはいられない。これはkazetalianのみなさんに感じるものと同じなのだ。

誰かの行動に感動できるのはあなたにもその要素があるからなのだそうだ。あなたにはあなたにしかできないことがあって、わたしにはわたしだからこそできることがある。そこに大きい小さいはないし、ましてや悪いも良いもない。お互いがお互いのできることをただ素直に認め合えたならそこには愛しか生まれないんじゃないかと思っている。彼から愛を受け取ったならば、わたしもわたしにできることを、と全力で人に渡している。そうやって生まれた愛の循環は大切に守られていってほしいと強く願っている。


なんてことを考えていたらいつの間にか夕陽が落ちて、ステージに煌びやかな灯りが灯った。Liveの始まりだ。
日々耳を喜ばす曲たちが次々と演奏されていく。「HENE」に収録されたいくつかの曲はアレンジが加えられ、『帰ろう』の陽気な前奏にパナスタ正面で1人感じたあの直感は確信へと変わった。(いつか配信されることを心から願う。)


「自由になって、そしてglaceを感じて」


英語でみんなに伝わるようそう言い終わるとにっこりと笑った風くん。少しの間があいて『glace』が流れ始めた。
リラックスして始まった歌はみんなに届くように丁寧に歌われていく。
歌詞中の「あなたはわたし わたしはあなた」では情感たっぷりに歌っていたのが印象的だった。あぁ、やっぱり彼は人を諦めないで同じメッセージを伝え続けていく人なのだ。

そういえば最近オフィシャルアプリに掲載されたずっずさんの書き込みの中で風くんのことを「この子(人)は普通じゃない」という表現がなされていた。これまで4年間側で見続けてきたずっずさんのその言葉は事実だとも思う。
でもわたしの目に映ったステージ上の彼は、より良い場所に向かうために努力をし続けるただの人間に見えた。客席で笑ったり、嬉しさに頬を高揚させたり、感動で泣いたりしてる人々と変わらないように見えたのだ。それでも唯一異なっていたことは、彼の行動と努力と愛にいろんなものたちが応えていたことである。会場にいた全ての人はもちろん、空も空気も建物もここに想いを馳せるものたちも全てのエネルギーが爆発しているように見えた。それは紛れもなくこの場への祝福であり、彼が向かいたい場所へ着実に進んでいる証拠なのだろう。同志が願う場所へ進んでいるならばそれはこの上ない幸せだ。その事実にただただ嬉しくて感情が込み上げた。それが頂点に達した瞬間、空に美しい花火が上がったのだ。
『まつり』の癒しの音を聴きながら、込み上げてくる涙をそのまま流し続けた。

本当に美しかったんだ、この花火

LIVEはいつも儚い。あっという間の時間の中でたくさんの愛を惜しみなく放出し、彼らはステージ裏に去っていった。客席に灯がつくとあちらこちらで「良かったね」「最高だった」と声が聞こえる。
規制退場を待っていると、額にポツリ。見上げると線のような細い雨が一滴、二滴とゆっくりと降り出した。風くんのお天気男の力もここまでかとバスタオルを頭から被り、なんとはなしにスマホ片手に空を眺めていると急に線が大きな球になり一気に降り出した。その変化の美しいこと…しかしそれはものの数十秒で嘘のようにピタッと止んでしまったのだ。

わたしはその時とある島で見た光景を思い出していた。
鹿児島県は与論島、約20㎢という小さな海の美しいこの島では10月に十六夜祭りが行われる。そこで神様に「今年もありがとう。来年もよろしくね」という感謝の舞、与論十六夜踊りを舞うのだがこの島【神様に近い島】と言われるくらい神様からのレスポンスが早い。わたしは新社会人の10月に初めてその島に行き、それから何回も来島しているがいくつかの奇跡を見た。1番面白かったのは与論十六夜踊りのリハーサルを見学させてもらった際、踊りを舞い始めるとさっきまで晴れていた空に雲ができ雨が降り始めたのだ。現地の人は「まただよ」と声を漏らしていた。あまりにも当たり前のことのように皆が反応しているから、驚きと共に吹き出してしまったのだった。
その時打たれた雨となんとなく似ているような気がしたのである。
とてもいい時間をたくさんの人と共有できたのだと実感すると共に、この機会を作ってくれた風くん、そのために奔走した全ての方への感謝で体が熱くなった。出口に向かってゆらゆら歩くたくさんの人の表情はどれも笑顔で、なんだか誇らしくなった。

今回もまた見たことのない景色を風くんはたくさん見せてくれた。等しく愛を伝えてくれた。わたしは今回受け取ったもので何ができるんだろう。そしてどんな景色を自分に見せてあげられるだろう。
今から楽しみでならないわたしなのである。

あの日の穏やかな空


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