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名文today_102/『土になる』

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僕は今、毎日土を触っている。土の中にあるものだけが、野菜の成長に繋がっていく。土の中にないものは外に出ていかない。
そう考えると、土の中は僕の内側と同じなのではないかと思った。僕は土の中に手を入れることで、自分の内側に直接手を入れているのかもしれない。触れるものとしての心が土なのかもしれない。

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坂口恭平/『土になる』/2021/文芸春秋

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