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今ある大きな問題を解決して次世代に渡す チーム2050結成どうでしょう

 SDGs の目標年まであと8年……2030年でゴール到達、もう安心……とはならないでしょうから、SDGs の先も見据えながら活動する時にフィットする言葉は何かなぁと日々考えていたところ、以前フリーペーパーの連載記事に書いた「チーム2050」のことを思い出しました。
 データを探してみたらありました。名寄のフリーペーパー『ぱるぱる』2012年4月号の「森からの伝言」というコーナーに掲載されたものです。

今ある大きな環境問題を解決して次世代にわたす
チーム2050結成!?


 4月、新しい年度の始まりですね。人生の分岐点にいらっしゃる方も多いかと思います。私は持続可能な社会のコンパクトなモデルを創りたいと下川へ移住し14年目に突入。下川町は政府選定の環境未来都市としての歩みを始めました。
 そこで、私は町長に質問しました。「そもそも私たちが目指す持続可能な社会とはどのような社会でしょうか?」と。みなさんはどうお考えになりますか?
 この連載の初回で私は、国際環境NGO「ナチュラル・ステップ」の考え方を紹介しました。持続可能な社会を構築するためには次の4つの基本原則に沿って行動することが求められます。
1.地殻から掘り出した物質が蓄積していくことに加担しない
2.人間社会で作り出した化学物質が蓄積していくことに加担しない
3.自然や自然のプロセスの物理的な劣化や破壊に加担しない
4.人々が自らの基本的なニーズを満たそうとする行動を妨げる状況を作り出すことに加担しない
 この中でも4つ目の「人々」の中に次世代を含めて考えることが大切だと思います。1987年、ノルウェーのブルントラント首相は持続可能な社会を「次世代の人々のニーズを満たすことに障害がなく、現在の人々のニーズを満たせる社会」とシンプルに定義しましたが、本質を突いているのではないでしょうか。
 私は環境問題の根深さに気づけば気づくほど「これは自分の世代では解決できないな」と半ばあきらめていました。しかし、私が下川に移住した1999年にスウェーデンは国会において「一世代で、今ある大きな環境問題を解決して次世代にわたす」と宣言していたことを知り、目が覚めました。
 今、私は38歳で平均寿命を考えると人生の折り返し地点にいます。残りの38年で「今ある大きな環境問題を解決して次世代にわたす」ことを決意しました。つまり、ゴールは2050年。キリが良くて気に入っています。チーム2050、メンバー募集中です。

ぱるぱる2012年4月号掲載 / 森からの伝言

 8年先の2030年だと現在からの延長線上で予想がついてしまい、思い切った対策に踏み込めないようですが、昨年、日本政府が2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言したように、2050年だとまだ28年あるという余裕の中で「ゼロ」という野心的な目標設定を可能にしています。
 多くの自治体が2050年ゼロカーボンシティ宣言を表明していて、日本の総人口に占める割合だと88.8%にまで達していますね(2022年1月31日時点)。

 最初に「チーム2050」を思いついた時は「環境問題」とだけ書きましたが、SDGs 時代の今なら、人権問題も含めた大きな「社会問題」も同時進行で解決していくことで、車の両輪として機能し力強く前に進むことができると私たちは知っています。
 あらためまして、今ある大きな問題を解決して次世代に渡す「チーム2050」結成どうでしょう?

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