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-親ガチャに失敗した君へ- 第16話『本当の平等の話』

-前回までのあらすじ-

・施設のルーティン説明。

・規則正しい生活、監視の目。

からの続きです。

nasso

『本当の平等の話』

少し時間が経ち
施設内の人達とも打ち解けた頃に
私はふと疑問を感じました。


何故こんなにも
時間通りに生活しているのか

何故こんなにも
監視の目が離れないのか

私は疑問に思い同じ部屋のB君に質問しました。


「なんでこんなに堅い生活してるんかな?」


と聞いたところ
私が生活している施設は
教護院という所でした。
(現在は児童自律支援施設といわれてます)


簡単に説明すると
不良行為や家庭の事情などにより
集められた子供達でした。


家庭の事情だけでなく
刑事罰がない子供達もいたので
監視が厳しく
外出等は寮長の許可無しでは
許されていませんでした。


そして家庭の事情だろうと
不良行為をはたらいた子供だろうと
同じ物を食べ、同じ時間を過ごす
というのが私が居た施設の理念でした。


ですから過去にどんな理由があろうと
等しく平等に接する意味
を込めての集団行動でした。


それを聞いた私は


「理由は違うけどみんな色々あるんやな」


とB君に言いました。


するとB君は

「施設内の人は平等やで、色んな意味で」

と笑いながら話し
私は色んな意味での平等が
よくわかっておらず首を傾げました。


その時は理解出来ていませんでしたが
現在はその意味を理解し
私の生活の一部にしております。




次回へ続く。

nasso

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