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英語ができないと「安い日本」になる

英語ができなくて困らない国は、日本くらいでしょうね。ハリウッド映画でもすぐ吹き替え版が上映されるし、海外の書籍もすぐ翻訳本がでます。そんなに、外国人と仕事したりする職場も日本はまだ多くはありません。

30年くらい前、東南アジアなどのいわゆる新興国では、英語を話す人は少なかったのですが、今はかなり話せる人が増えています。なぜかというと、他の国からの本や映画やマンガなどは、ほぼ全て英語の場合が多く、自国には、母国語のそういったコンテンツも少ないので、英語が理解できると楽しむ幅が増えたわけです。

10年前くらいに、モンゴルに行った時に、ホテルのテレビで「ちびまるこちゃん」を英語でやっていました。モンゴルのちびっこがちびまる子ちゃんを楽しむためには英語ができないといけないわけです。

また、ベトナムなどの新興国では、大学の授業はテキストや教師などが母国語では少なかったりするので英語で授業がされることが多いです。そうすると必然的に、高等教育を受けている新興国の学生は英語ができるようになります。

韓国は国内市場が小さいので海外市場を視野にいれてビジネス展開しています。BTSは国連で流ちょうなスピーチを英語でしていましたし、日本で活躍する韓国人プロゴルファーは、日本語も英語もできるトリリンガルが多いです。

今はコロナ禍ですが、それ以前はたくさんの外国人が訪日しました。コロナ後には、またたくさん来ると思います。「Youは何しにニッポンへ」とかの番組とかも人気で、日本人は、「ああ、日本のおもてなし文化などに憧れてくるだろうな」とか能天気に喜んでいるようですが、彼らが日本にくるのは、単純に日本の物価が「安い」からです。「日本食がおいしい」ではなく「日本食はこの味にしては安すぎる」といったほうが正確でしょうか。

これが、何で起こっているかというと、日本人の給料が安いからです。30年前までは、そんなことはなかったのですが、バブルがはじけてから成長が止まっていまい、物価も給料も大してあがっていない間に、周りの国は、どんどん成長していったので、相対的に日本は「安い国」になってしまったのです。これが「失われた30年」です。

先日みたYou Tubeで、オーストラリア人と英国人に、「日本の30台半ばの平均給料が4~500万くらい」と日本人が言ったら、「新卒の給料じゃないの!」と彼らに絶句されていました。まあ、英国とかは物価も高いというのもありますが。

今、世界がボーダレスでグローバル規模で経済が回っている時代です。それに皆気がついて、猛烈に英語を習得しています。ベトナムでは、夕方からの社会人用の語学学校は超満員です。語学ができたら、給料が凄く上がるからです。日本の大学生が、カンボジアにボランティアに行ったら、ボランティア先の人の英語について行けなくて、しょげて帰ってきたとかの笑えない話も聞きます。

日本にいると、周りの人も英語を話せないので、自分が話せないのも普通だから、まあいいやと思うのはやめたほうがいいと思います。英語ができないと仕事の幅が狭まり給料も上がらないのです。逆に、できると仕事の幅も広がり給料もあがるということが起こっています。今後、日本には、外資の会社がもっと来ると思われます。そうするとこの状況はもっと顕著になるでしょう。

小学校の英語教育はやっと本腰入れ始め、2020年から小学校3年生から英語を学ぶことになりました。ということは、後、15年たったあたりから、やっと、今の他の国のように、英語ができる人材が社会人になってきます。そうすると、今の英語のできない社会人の人たちは、後15年以降、下からどんどん成長してくる英語のできる若手から、追い抜かれる可能性が大きくなるかもしれないということです。

なので、「英語ができない」が普通だとは思わないほうがいいと思います。

英語は3000時間やればだれでも話すことができます。学生で英語をやった分を引くと1000-1500時間英語を学習すればいいわけです。

それをやるかどうかですね。世界中の多くの人が今、グローバル経済の下「やる」という選択をしています。

日本人もそろそろ「やる」という選択をしないとヤバイと思います。

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