マガジンのカバー画像

happy esports

113
日本のeスポーツシーンをマーケティング視点で考察した記事のまとめ。 eスポーツを仕事や事業にしている/したいとき、マーケティングで活用したいとき、あるいは投資したいときにも役立ち… もっと読む
運営しているクリエイター

2019年8月の記事一覧

個人でeスポーツ大会に賞金10万円を出したら何が起こったか

そう、劇的な神試合が生まれてしまったのである! さて。 8月25日、eスポーツ事業を展開しているウェルプレイド主催のイベント「ウェルプレイドフェスティバル」が新宿で開催されました。延べ1747名も来場したそうで、とりあえずは成功と言ってもいいのではないでしょうか(テレビ東京と電通が開催した大会「STAGE:0」は2日間で来場2800名だったそうです)。 この記事ではとりとめもなくWPフェスの感想を書くつもりなので、いつもの1万字近い記事に付き合ってくださっている方は肩の

「ゲームで強いこと」に価値を作る──Rush Gamingがラフォーレ原宿に出店した意義

どんな象徴的な出来事も、それが書き継がれなければ歴史には残らない。また、当時どれほど偉大だった人物も、間違った評価とともに書き記されれば稀代のうつけ者として歴史に残ってしまう。 だから、たとえその場が管理者の指先1つで歪曲・消滅してしまう電子媒体であったとしても、物事をきちんと価値づけてテキストに残すことには意味がある。一般に、この行為は批評と呼ばれる。 ということで、ここでは日本のeスポーツ史において重要な里程標となったある出来事について最大限の力を振り絞って批評してい

eスポーツ関連企業の決算資料を見てみよう~事業会社編 2019年8月版

企業の決算資料には、その企業の現状や将来を知るためのいろいろな情報が書かれています。 もし企業がeスポーツ事業に取り組んでいて、強く注力していたり売上などにインパクトをもたらしたりしていれば(あるいはその期待があれば)、決算資料にもeスポーツのことが記載されているはず。 ということで、「eスポーツ関連企業の決算資料を見てみよう」シリーズの第2回です。前回は【ゲーム会社編】ということでカプコン、ミクシィ、セガゲームスの決算資料を眺めました(ミクシィに関しては最新の決算につい

人気ゲーム実況者は視聴者の代わりに感情を爆発させている

1年前と比べると、めちゃくちゃたくさんゲーム系の動画や生放送を観るようになった。 かつてはそんなの観ないしハマらないと冷笑していたのに、まったくいまや家に帰ってきたら最初にYouTubeを開いてお気に入りのゲーム実況者の最新動画をチェックしている。生放送が始まったら一目散に齧りつく。 といっても、そういえばニコニコ動画の全盛期はよくゲーム動画を観ていた。自分でプレイすると長時間を要されるゲームの(テンポよく編集された)プレイ動画や、『The Elder Scrolls I

eスポーツ関連企業の決算資料を見てみよう~ゲーム会社編 2019年8月版

企業の業績や将来性を知るのに最も手っ取り早いのが、売上や事業状況が記載された決算資料を確認することです。 何らかの形でeスポーツに取り組む企業において、eスポーツにどれほど投資し、eスポーツがどれくらい業績に貢献しているかを知りたければ、やはり決算資料を見るべきだと言えるでしょう。 今回は、eスポーツ業界には強い関心がありつつも「決算資料とeスポーツってどんな関係があるの?」「企業(他社)の決算なんて気にしたことがない」「財務諸表とは何ぞや」という人に向けて、今後の日本の

eスポーツと銘打たれていても、そこに好きなゲームが入っていないとき

弊誌も自戒しつつであるが、近頃痛切に感じるのは「eスポーツ」と大々的に銘打たれたイベントや大会を目にしたとき、そこに自分の好きな、熱中している、本気で取り組んでいるゲームタイトルがない場合が多いこと。 プレイ&観戦で何度も楽しい 僕自身は観戦するタイトルは多々あるものの、自分が寝る間も惜しんでプレイする対戦ゲームとはなかなか相見えず、それがどうにももどかしいというか、趣味であれ仕事であれ本気でゲームに向き合えている人たちが羨ましかった。 『Overwatch』にハマって以