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2021年買ってよかったもの by梨農家

「この手の記事は年末に書くものでは?」
という苦言、先ずは甘受いたします(笑)。

でも、そろそろnote稼働させなきゃという気持ちと、剪定作業が順調で久々に心の余裕がある正月ということで、このタイミングで筆を執らせて頂きます。
ご容赦くださいませ。
どうぞ過ぎ去った令和3年に想いを馳せながらお気軽にお読みいただければ幸いです。

1.コードレス電動剪定ハサミ

これまで私は、電動鋏についてはどれがベターか、各社新旧洋邦様々なものを購入・レンタル・試用してきましたが、模索10年目にして答えが出ました。
もうこれでいいです。
そう、私の長年続いた電動剪定鋏を巡る物語はここで完結しました。
よほどのイノベーションがない限り、以降私は新たな電動剪定鋏に手を出すことはないでしょう。
それくらいコストと性能の折り合いがついたものです。

惹かれたのは、マキタの18Vバッテリーが使えること、コードレスということ、そして圧倒的低価格です。
マキタのバッテリーは既に持っていて汎用性も高いですからね。
「コードレスはおもちゃ」という言説が業界ではずっとありましたが、私は既にVineを持っており、コードレス電動鋏はプロも全然使えると吹聴しておりました。

コードレスは20万円戦前後する有名メーカーの既製品に比べ、電池の持ち・微細な動き・安全性は確かに劣ります。
ただ私は粗剪定でしか電動は使っていないので、「別にそんなもんでいいんじゃないの」と思います。
これくらいの価格でこの性能なら、梨のざっくりした剪定には十分。
むしろコードレスな分、取り回しにストレスがなくて快適です。
(コードが他の枝に絡んだり、コード自体を切ってしまったりするので)

ちなみに、リンク先の製品はあくまで参考程度でお願いします。
販売先を変えて同様のものが様々な価格で販売されています。
私の調査では概ね約¥7000~¥9000前半(送料込)といったところです。
同じ販売者でも価格が不安定で¥1000程度は増減します。
品質の安定性についても保障はしかねます。
安い分のトレードオフについては当然加味すべきでしょう。
あまり好きな言葉ではありませんが、ご利用は自己責任でお願いいたします。
「少なくとも私は今の所不満はない」と申し上げておきます。

2.製函機

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自動で出荷用のダンボール箱を組み立ててくれる機械です。
「半」自動と着くのは、箱の上下をではなく、片側だけ封するため。
要は底の底側を組んでテープで固定してくれる機械です。
私は通称「ギャプラン」とか「メッサーラ」と呼んでいますが、わからない人はスルーしてください。

従来はボクサーというでっかいホチキス(ステープラー)の針で箱の上下を綴じていました。

ただ、ある程度の力とコツが必要で、パートとして雇用している女性従業員が上手く出来ないor作業が遅いことが多く、出荷作業のボトルネックに。
結果私や父が残業して夜中まで箱作りをしていたのですが、こいつのおかげで日中にパートさんが出来る仕事になりました。

「テープなんてしっかり固定できなくて軟弱…」と父は反対していたのですが、実際に積水マテリアルソリューションの工場で試用・組み立てさせてもらったダンボール箱がかなりしっかりしており、何も問題ないと判断し導入に至りました。

上側も綴じてくれる上位機種もありますが、当方は作業動線上別の箇所で綴る必要があるので、とりあえずどんどん器を作ってくれる同機種を購入しました。

3.ロボット草刈機

要は「畑のルンバ」と申しましょうか、圃場内を移動して勝手に除草してくれるロボットです。
厳密に言うと今年は未だ購入には至っていないのですが、試用をさせて頂いて導入の意思を固めているところです。

特に上で紹介したクロノスは最高でした。
私はこれまでも同業他社のロボット草刈機のモニターも試していたのですが、オーバースペックで高価だったり、パワー不足で圃場内で直ぐ止まってしまっていたり、残念ながら満足するものがありませんでした。

「ああ自動のロボットなんてこんなものかな」
と諦めて、また従来の乗用草刈機での作業へ戻ることに妥協仕掛けていたのですが、最後の最後で試しに導入したものが大当たりでした。

雨が降ったあとの悪路には負けない、ある程度の伸びてしまった強健なイネ科雑草も平気で刈る、落下した梨果実も事も無さげに粉砕する…という最強の仕様。
落ちた葉も直ぐ粉砕してくれますから、落葉処理も随分軽減されると思います。

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私は他社含め3社のロボットを試用したのですが、どれを導入するかについては結局好みです。
正確に言えは、導入する場所の環境に合っているかどうか。
今回は各社のスペックについて言及しませんが、農作物によっては圃場環境によっては他社の製品のほうが良いという場合は当然あるでしょう。
要は機種によって得手不得手が確実にあります。
当方(関東の平坦な梨単作の圃場)では最適だったという、あくまで私の感想です。
価格帯は本体だけで50~60万円もします。
導入前にしっかりとした比較調査が必要だと思います。

4.無印良品のリュック

その名の通り「肩の負担を軽くする」リュックです。
私は剪定時に、「農家の紐バック」的なネーミングの誘引紐を入れる専用のバックを背負って作業をしていました。
紐が取り出しやすく、形状としてはいいのですが、いかんせんその紐が重くて(3.8mm×500mもある…)肩に負担がかかります。
経年劣化する身体にはあまり良くないと思っていました。
そんな矢先、そのバックのベルトが破れたことを機に、何か代替品はないかと探していたところ見つけました。

自転車通勤のビジネスマンの方が愛用されているレビューなどを拝見し、値段もお手頃だったので購入にいたりましたが、これが大正解。
細かい構造については言及しませんが、当初はある程度の重量感があるものの、直ぐに荷物を背負っている感じがなくなります。

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農業用途じゃないものを転用してきた類ですね。
この手のアイテムというかアイデアは同業者各位色々お持ちだと思います。
機会を見つけて皆さんに伺いたい案件ですね。

5.卓上型自動紙折機

現場ではなくバックオフィス業務系になります。
中古でもう少し安く買いました。

案内状や請求書など諸々の書面を3つ折にしてくれる機械です。
「それくらい自分たちでやれよ」と言われるかもしれませんが、典型的なチリツモ案件です。
直売出荷が多い当方としては凄く助かりました。
まだまだペーパーレスが進まぬ昨今、何百枚というA4用紙をスピーディーに自動で折ってくれる機械の何と素晴らしいことか!

用紙の投入に手差しと連続が選べるほか、均等な3つ折りをするだけでなく、窓あき封筒用(一方の折り目を高くしてくれる)の折り方に変更もできます。

連続して折れる枚数は上位機種に比べて全然少ないですが、同機種も使い方次第でかなり大活躍してくれます。
個人的な意見ですが、私は不器用なので手折りをするのにイライラしていました。
時短でも役立ちましたが、ストレスフリーになったことで、他の事務作業が好循環になり、額面以上の価値を感じているのかもしれません。


いかがでしたでしょうか。
急に思いついて書いた記事ですが、誰かどなたかの参考になりましたら幸いです。

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