【7SEEDS】ミステリと言う勿れの作者が描く世紀末SFサバイバル
菅田将暉さん主演のドラマがヒットし、話題になった「ミステリと言う勿れ」めちゃくちゃおもしろいですよね。整の言葉がビシバシ刺さる名作です。
そんな「ミステリと言う勿れ」を世に生み出した田村由美先生の前作「7SEEDS」がまた名作なんです。
SF好きならきっとハマってしまうホラー風味のディストピアサバイバル作品です。
「7SEEDS」のあらすじ
地球に超巨大隕石が飛来し、人類が死に絶えてしまった未来。
そんな地球で何も知らずに目覚めた若者たちがいました。知らないうちに政府の極秘プロジェクト”7SEEDS計画”に組み込まれていた彼らは、隕石到達の前に密かにコールドスリープされ、大災害を乗り越えました。そして人間が生きていけるまで環境が回復した地球で彼らは目覚めます。
荒れ果てた地球に送られたのは20歳前後の若者たち7人とガイドが1人で1チーム。7SEEDSプロジェクトでは全部で5チームが作られ、日本各地の海の底で眠らされていました。
人類は本当に皆死んでしまったのか?大切な人たちにはもう二度と会えないのか?7SEEDSプロジェクトに選ばれたのはどうして自分たちだったのか?
混乱の中で生きる意味を探す登場人物たちを追いかけているうちに、各地のシェルターや極秘施設で地球最後の日に起こった出来事が明らかになっていきます。
人が滅びる時、一体何が起こるのか。文明が滅びた世界で人は治安を維持できるのか。
人間の善意と悪意に迫ったサバイバルサスペンス「7SEEDS」は、全35巻+外伝1巻で完結済み。シリーズの魅力をギュッと詰め込んだファンブックもあります。
「7SEEDS」の推しポイント
田村由美さんの画風は独特なので、もしかしたら苦手な方もいるかもしれません。でも絵柄で弾いてしまってはもったいない!読んだら絶対におもしろいから!と言いたい。
7SEEDSの世界には文明時代のものはほとんど残っていません。その上私たちが暮らしていたころの地球は影も形もなく、地形も生態系も変わってしまった世界で生き延びないといけません。初っ端から難易度マックスのサバイバルです。
読み始めると、次に何が起こるのか全く予想できないストーリーに一気に引き込まれてしまうと思います。
私は最初に読んだとき、物語に入り込みすぎて数日眠れなくなりました。寝ている間に隕石が落ちてきたらどうしようとか考えてしまって…。
でもまた何度も読んでしまうんですよね。最終巻まで読むとロスに陥ってまた1巻から読むというループ。
登場人物が多いのもこの作品の特徴の1つです。どのキャラも魅力的で、誰1人キャラ被りしていないうえに、一気に全員を動かしても話がわからなくならないのがすごいです。なにこの構成力…。漫画描くのうますぎでしょ…。
そして何より人間という生き物をぐっと掘り下げています。仲間が残りわずかになってしまった世界でも人は争い、奪い、殺し合う。そんな人間の闇深いところをごまかさずに描き、それによって悩み苦しむ登場人物たちの心情に迫っています。
被害者と加害者の苦しみが違うところや、誰かにとっては加害者だけど他の誰かにとっては恩人みたいなことが起こるあたりに、ああ、人間を描いているなぁと思うんですよね。
もちろん生き残った数少ない人類が集まっているのですから、恋やら愛やらも生まれます。極限の環境で育まれる愛情がとても素敵で、誰と誰がくっつくのか?と考察する楽しみもあります。
”生きる”ということを突き詰めて描いたサバイバルSFファンタジーです。
人間の善も悪も知りたい方はぜひ読んでみてください。
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