ドラマ「海に眠るダイヤモンド」9話(最終話)感想
とうとう最終回!ていうかあっという間に最終回!たった9話しかなかったんですか...?嘘でしょ...?20話は必要では...?
8話の感想は⇩
あぁ...荒木家はお父さんも亡くなってしまったんですね...。ますます鉄平が荒木家を背負わなくてはいけなくなってるじゃないですか...。
リナの戸籍の件どうするのかと思っていたら、亡くなった進平の元妻ということにするとは!そんな手があったとは!戸籍上は進平はまだ栄子さんと結婚してる状態だったわけですね。うわー、こんな伏線回収があるのか。鳥肌が立ちました。
虎次郎さんからすると、鉄平に恋する朝子を側で見続けるのは辛かっただろうなと思っていましたが、最終話で朝子がちゃんと虎次郎さんのことを愛していたことがわかってちょっと嬉しかったです。
始まりは切なかったけど、鉄平を失った朝子の傷を癒し、家族になって子供を作り、還暦まで一緒に時間を過ごしたのは紛れもなく虎さんなんですよね。そんな虎さんへの愛は絶対にあったはずなんですよ。朝子にとって鉄平は忘れられない人だと思うけど、人生で1番大事な人は
虎さんだったんじゃないかなと思います。一緒に過ごした時間の長さって何にも負けない宝なのではないでしょうか。
てか、まさかの鉄平の最後の日記を隠したのは澤田!?!?え!?!?澤田まさかの荒木誠!?!?!重要人物めちゃくちゃ近くにいたんですけど!?!?!?澤田は只者ではないとは思っていましたが、まさか誠だったなんて...。
進平とリナが浅はかだったせいで、鉄平は自分の人生を奪われ、朝子を置き去りにして端島を出ていく羽目になり、一生追われる身になったわけですよね。百歩譲ってヤクザを殺してしまったのは仕方ないとしても、子供を作ったのは考えなしすぎませんか...?産まれても出生届を出せないのは分かりきっているじゃないですか...。
端島に1人残された鉄平の母も不憫でなりません。鉄平がリナと消えた事情を察しているけど、それを朝子には絶対に言えないし、自分は自分で端島で針の筵だし、端島を出てからはリナと秘密を共有しながら誠を育てないといけないし...。
そしてまた杉咲花さんの演技がお上手なんですよ。表情のひとつひとつ、動きのひとつひとつが切なくて切なくて...。
一方で、鉄平は追手の目を惹きつけるために1人でずっと逃げていたのかと思うと、なんとも言えない気持ちになります。リナは誠を守るためには鉄平を頼るしかなくて、同じ女としてその気持ちはわかるし、でも、鉄平はまだ朝子のことも諦めてなくて、それなのに朝子は他の人と新しい道を歩んでて...。
鉄平は誰よりも端島を愛していたのに、思わぬ事情で端島から離れる羽目になり、端島の閉山すら見届けることができないなんて切なすぎませんか?
そして、鉄平の秘密を百合子にも伝えずに自分1人で抱えていた賢将にも頭が下がります。
その後、人がいなくなってだんだんと寂れていく端島が、軍艦島と呼ばれる今の姿に重なってしんみりしました。
あと、改めてさだまさしさんの和尚さんはすごくよかったですね。ナイスキャスティングでした。
いづみさんの「ここなら泳いでも赤痢にならない」という言葉に「昔ってやばいなぁ」と答えるレオにはめちゃくちゃ共感しました。汚水やゴミをそのまま海洋投棄していた当時の端島の周りは、衛生的にだいぶやばかったみたいです。端島っ子は病気になるからと海で泳ぐのを禁止されていたんですね。実際はこっそり泳いでいた人も多かったみたいですが。
鉄平が朝子を忘れられずに1人で孤独に老いていく姿には胸が締め付けられました。ずっと真面目に生きてきて、多くの人に愛されていた鉄平が、どうしてこんな目に遭わないといけないんでしょうか。これで鉄平がどこかで野垂れ死んでいたらしんどすぎるんですが...。
散々昔の端島を見てきた後で、今の軍艦島の姿が映る演出には鳥肌が立ちました。合間合間で昔の端島と比べるような映像が挟まっていたのがまたよかったです。
そして!昔の映像に出てくる鉄平が全然神木隆之介じゃなくて、え!?ってなったんですが、神木隆之介バージョンの鉄平は朝子の頭の中の鉄平だったんですね。
結局、レオは鉄平の子孫ではなく、他人の空似だったという結末にはずっこけましたが、鉄平の写真は一枚も残っていないことを考えると、物語としての整合性は取れているのか...。
逃げて逃げて逃げ続けた鉄平は、最後には端島の近くに戻ってきたんだなと思うとまた切なくなりました。しかも庭にめちゃくちゃコスモス植えてる...。コスモス越しの軍艦島で涙腺崩壊しました。
さらに、朝子といづみさんの対話からの鉄平のプロポーズは反則...。あちこち崩落した軍艦島で、鉄平が置いてきたギヤマンだけがキラキラ輝いているカットも、その後に登場したいづみさんがギヤマンと同じ真っ青なコートを着ているのも、エモすぎて涙が止まりませんでした。
あぁ...なんでいいドラマだったんだ...。また1話から観直したいです。
「海に眠るダイヤモンド」をきっかけに軍艦島に興味を持って色々調べました。鉄平たちが暮らした端島の様子がよくわかる本をいくつかピックアップして紹介しているので、気になる人はぜひこちらもどうぞ!これらの本を読むと、鉄平が終の住処に野母町を選んだ理由もわかるというものです...。⇩
「海に眠るダイヤモンド」と同じ制作チームが作った映画「ラストマイル」の感想文は⇩