【十角館の殺人】本格ミステリ好きが口を揃えておすすめする「館シリーズ」
ミステリ好きに好きな本はなんですか?と聞いたとき、かなりの確率で話題に上がるのが「十角館の殺人」です(私調べ)。
新本格ミステリの先駆けとも言われているこの「十角館の殺人」ですが、その後、続編が次々に出版され、一大シリーズとなりました。
シリーズすべてが中村青司という謎の建築士が建てた建物が舞台になっているというのが特徴で、”外界から閉ざされた空間”、”1人ずつ減っていく登場人物たち”、”見たことのないトリック”といったキーワードに反応してしまう人にはたまらん作品なんです。
さらに、この中村青司が建てた館というのが、実際にはこんな建物ないだろう!というような特殊な館ばかりなことから、「館シリーズ」と呼ばれています。
そう、それはまさにミステリのための舞台。
そんな「館シリーズ」、一体どの順番で読んだらいいの?という人におすすめしたいのは、ズバリ!刊行順です!物語自体は各巻で独立していますが、過去に出てきた登場人物が再登場したり、過去の事件を振り返ったりする描写があるので、刊行順に読むことでさらに楽しむことができると思います。
ここからは、この「館シリーズ」を刊行順にご紹介します!
1.「十角館の殺人」
記念すべき第1巻です。
角島と呼ばれる無人島で推理小説研究会のメンバーが合宿…となれば、もう絶対に何か起こりますよね。
この「十角館の殺人」は、すべてのシリーズにつながる重要なストーリーになっています。
2巻以降はある程度順番が前後しても大きな問題はないのですが、次にどれを読むにしてもこの「十角館の殺人」だけは先に読んでおくことをおすすめします。
なんとコミカライズもされています。
漫画では細かい部分の設定が少し違うので、シリーズの1作目というよりは「十角館の殺人」単体で楽しむためのものになっています。
この「十角館の殺人」は、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品としても有名な1冊です。
「そして誰もいなくなった」を読んだことがない人はぜひこちらも読んでみてくださいね。
2.「水車館の殺人」
第2巻は「水車館の殺人」です。
「十角館の殺人」とは全く違ったミステリを楽しむことができると思います。ぜひ「十角館の殺人」の余韻が残っているうちに読んでください。
3.「迷路館の殺人」
第3巻の「迷路館の殺人」に登場するのは、その名の通り迷路のような館。屋敷の見取り図を見た時の衝撃が忘れられません。
物語の中ではミステリコンテストが開催されます。一体ここではどんな事件が起こるんでしょうね…。
ぜひその目で確かめてみてください。
4.「人形館の殺人」
第4巻「人形館の殺人」は、3巻までとは全く違う作風なので、最初はあれ?シリーズ間違えた?と思ってしまうかも。
ここまでのシリーズすべてが伏線と言ってもいいくらいの衝撃的な結末が待っています。
5.「時計館の殺人」
第5巻「時計館の殺人」では、これまでと主人公が変わります。
新たな主人公となる江南孝明は、6巻以降で出番が急増する重要なキャラクターなので要注目。
シリーズ中最も人気があると言われており、ファンの多さがうなずけるおもしろさです。
6.「黒猫館の殺人」
第6巻「黒猫館の殺人」では、旧主人公と新主人公が北海道でバディ的な活躍をします。
「館シリーズ」には同じような事件は1つもないんですが、その中でもこの作品は変わり種。これまでとは一味違う謎解きを楽しむことができます。
7.「暗黒館の殺人」
第7巻「暗黒館の殺人」は、シリーズ最長編です。
その厚さなんと文庫本4冊分!原稿用紙で数えると2,500枚を超えるそうです。
そのため、読んでも読んでも新しい事件が起こり、読んでも読んでも終わりが見えません。
こんな楽しいことありますか?
そして最後にはここまで読んできてよかった!と思えるようなラストが待っています。ぜひ長期休暇に一気読みしてください。
8.「びっくり館の殺人」
第8巻にあたる「びっくり館の殺人」は、シリーズの中で少し特殊な立ち位置にあります。
元々は講談社ミステリーランドシリーズという子供向け作品として出版されました。そのため、本格ミステリの気配はありつつもシンプルなストーリーになっています。
さらにホラー要素もかなり強め。とはいえ、シリーズに共通する重要人物はしっかり登場します。
鈍器本とも言える「暗黒館の殺人」の次に読むにはちょうどいいと思います。
9.「奇面館の殺人」
現在の「館シリーズ」の最新作は「奇面館の殺人」です。
これでなんと9巻目。
さすがにそろそろネタ切れでしょうと思っている人ほど騙されます。
ミステリが好きで好きでたまらない人ほど引っかかってしまう仕掛けがあちこちにあるので、お気をつけください。
最後に
「館シリーズ」のすごいところは、どれも全く違うおもしろさがあり、常に新しい驚きを与えてくれるということ。
ここまで多くのミステリ好きを魅了してきた「館シリーズ」は、次の10作目が最終作であると言われています。きっと最後まで驚かせてくれるんだろうなと思うと、今から発売が楽しみです。
「館シリーズ」ファンの皆さん、これから「館シリーズ」のファンになる皆さん、ぜひ一緒に最新作発売の喜びを味わいましょうね。
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