現場をぶらぶらする。Management by walking around(MBWA)
Management by walking around(MBWA)
マネジャーが現場を歩き回って社員と交流することで、社員をよく知り、現場の空気感をつかみ、組織の状況を把握するマネジメントスタイルです。
不満の声はなかなか挙がってきません。そして改善の声もなかなか挙がってきません。吸いあげる仕組みがないと現場の声は挙がってきません。そういうものです。
不満の声があがってきた場合は、現場の疲弊や感情が閾値を超えたと受け取ったほうがよいです。その時は、間違っても「言ってくれたらよかったのに」と返答しないでください。これは悪気のない言葉かもしれませんが、感情を逆撫でする言葉です。気力を削る言葉です。
人事総務は特に現場や職場をぶらぶらしましょう。
「あっ、いいところに来てくれました」「あっ、そういえば」と(はやく言ってくれたらよかったのに)という話がよくでてきます。
ぶらぶらするときには、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を使いましょう。不満の予兆、改善のヒントが見つかります。
こんな荷物なかったなぁ → 消防法的に問題があるかも。
こんな音しなかったなぁ → 空調のメンテナンスが必要かも。
ここ暑いなぁ → 換気が悪くなっているかも。
この弁当おいしくなくなったなぁ → 弁当屋さんの変更時期かも。
変なニオイがする → 業者清掃が必要かも。
なんだこの振動は → 建物や機器のメンテナンスが必要かも。
いろいろな予兆があります。予兆の時点で対策を検討するとコストも下がります。
ここ歩きにくそうだな、無理な体勢をしているな、視力が弱い人には厳しそう、従業員を観察することにより生産性アップのヒントもあります。
不満は言語化されたあとに改善すると、マイナスからゼロになります。
「俺が言ったからだよ」で終わりです。
不満が潜在的な予兆のうちに改善すると、ゼロからプラスになります。
「よく気が利く」とファンが増えます。
そして「単純接触効果」はバカにできない効果です。
単純接触効果はお互いに良い影響があります。「顔がわかる」ということは、その人が「人間」であるという認識につながります。「顔がわからない」と、どんどんデータや数字に見えてきます。
組織は、論理より感情で動くことが多いです。「人間」に対して行う施策と「データ」に対して行う施策は、かなりの違いがでてきます。
意識的にぶらぶらしないと、自部署にこもりがち、内向き思考になりがちです。これは仕方のないことだと思います。だからこそ、自身と組織のバランスを保つためにも現場をぶらぶらとMBWAしてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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