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上村元のひとりごと その454:リミット

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 放っておいた方がいいのは、わかっています。

 でも、どうしても、気になる。

 にきびみたいに、かゆいのです。

 何が?

 差し当たり、使い道をなくした、iPadと、MacBookが。

 Windowsのノートパソコンは、初めから、Blu-ray専用再生機。

 普段、使わないので、パソコンデスクの引き出しに入っていても、何ということはない。

 でも、iPadとMacBookは、やっぱり、そのままにはしておけない。

 いくら、執筆はiPhoneで、と決めたとはいえ、いやしくも、アップル三兄弟。

 一人だけ、高待遇で、残る二人は、隅へ追いやり、だなんて、上村元の名が廃る。

 我が家に来て下さったからには、せめて、わずかなりとも役割を差し上げて、誇らしく、機械人生を全うさせてやりたい。

 では、何を?

 スマホライターとして、タブレットと、パソコンを、何に使えばいい?

 ずふーん。

 ぐふーん。

 数日ぶりに、炬燵に並んだ、アップル三兄弟の上に、どっちり、もっちり体型の、青緑色のぬいぐるみの猫が、容赦なく、乗っかります。

 毎日暑いので、ひんやりした金属の触感が、気持ちいいみたい。

 このまま、ミントの毛皮冷やしになっても、いいですか?

 嫌です。

 声なき声が、聞こえた気がして、ですよね。

 ため息をついて、愛猫のぽんぽこお腹を、手のひらで撫でます。

 もう二度と使わないから、なんて、若い頃は、簡単に言い放ったものでした。

 必要になったら、また買えばいい、と。

 安易だったな。

 薄い、と言おうか。

 人間は、さも、自分が物を所有しているかのように振る舞いますが、そうではない。

 物が、人間を選ぶのです。

 何だか、いつも、物が壊れるとか、買っても買っても失敗ばかり、という時は、要注意。

 傲慢になっている恐れがある。

 どんなに捨てたくても、その物に選ばれてしまったら、決して、手放すことはできない。

 冗談ではなく、何度でも、舞い戻って来ます。

 逆に、どんなにそばに置きたくとも、物の方が拒めば、あっさりと、別れが訪れる。

 慎重に、ならざるを得ない。

 使い道がなくなった機械を前に、うかつに、手放す算段など、できはしない。

 見極めなくては。

 僕は、果たして、iPadとMacBookに、ふさわしい人間だろうか?

 にふーん。

 すふーん。

 ごろごろと、気持ち良く、ミントは寝そべります。

 銀色のりんごたちが、動きに合わせて、見えたり、隠れたり。

 …やっぱり、毛皮冷やしかな。

 いやいや。

 iPadは、バッテリーの保ちがいいから、長時間の検索などに、向いている。

 MacBookは、ストレージが余っているから、仕事で受け取る写真たちを、保管するのにちょうどいい。

 そもそも、iPhoneの容量が小さいのが、全ての問題の根源だ。

 買う時に、どうせ、それほど使わないからと、一番安く手に入るものを選んだ結果、兄弟を増やさざるを得なくなった。

 これからは、一人っ子でいこう。

 僕も、一人息子だし。

 今度の契約更新に合わせて、もう少し、安心して使えるサイズに、機種変更しよう。

 それまでは、iPadよ、MacBookよ、どうか、不甲斐ない長兄を、サポートして下さい。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 元気に寝落ちした愛猫に、西武ライオンズのバスタオルを掛けてやり。

 契約期限を確認して、はっとします。

 来月には、更新可能になる。

 どうやら、三兄弟に残された時間は、短いようです。それでは、また。

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