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上村元のひとりごと その480:リラックス

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 やっぱり、書くのは大変です。

 道具を替えれば、楽になるかと思ったが、そんなことはない。

 毎回、真剣勝負で立ち向かっていかないと、ただのお遊びに終わる。

 終わりたくない。

 物書きだもの。

 幸い、この夏、書き続けるための環境整備が、ずいぶんはかどった。

 もちろん、予測不能なトラブルは、完全に排除はできないけれど、それでも、以前より、うんとまし。

 と、いうわけで、ミント。

 あーお。

 僕ね、これから、仕事しようと思うんだ。

 んふー。

 もちろん、今までも、働いていなかったわけじゃない。

 でも、生活のメインは、仕事ではなかった。

 YouTubeも観たかったし、アイスもなかも食べたかったし、何より、結婚したかった。

 素敵な人と出会って、子供を作って、家族第一で生きていくんだ、と決めていた。

 何もかも、崩れてしまった。

 正確には、そういうことを、自分が本当には望んでいなかった、という事実に、気づいてしまった。

 どれもみんな、なくてもいいものだったんだね。

 僕は、とにかく、書きたい。

 毎日、毎日、書き続けていたい。

 新しい言葉に出会って、読んだことのない文章を作り上げていくのが、楽しくて仕方ない。

 他のどんな娯楽だって、そのためになら、平気であきらめられる。

 ぶふーふ。

 そしてね、何より、ミントが大事なんだ。

 ミントより愛せる人間に、この先、出会える気がしない。

 もう、充分じゃないか。

 オスだか、メスだか、わからない猫と、僕は、結婚した、ということで。

 …いや、ミントの意見を、聞いていなかったね。

 僕が相手で、いいですか?

 じいいいっ。

 小さな黒い目で、まじまじと、ミントは僕を見つめます。

 ぽたぽたと、しっぽが揺れます。

 どきどきと、心臓が鳴ります。

 永遠かと思える一瞬の後、まーわ。

 一声鳴いて、ミントは、僕の顎に、勢い良く、頭突き。

 ぐわあっ。

 のけぞって、悲鳴を上げる僕を、みししし。

 にやにやと嘲笑しつつ、さらなる頭突きを繰り出してくる愛猫の、大きなおしりを抱き取って、膝の上、好きなだけ、狼藉をはたらいていただきます。

 …同意、得られたのかな。

 いいか。

 得られたってことに、しておこう。

 僕は、物書き。

 ミントのパートナー。

 それが、人生の、ほぼ全て。

 メインと、それ以外なんて、実は、ない。

 選ばなかったものは、存在しないのと同じこと。

 例えば、僕が音楽を聴くとして。

 それは、あくまでも、取材目的か、あるいは、ミントの熱愛する曲に限る。

 物書きではない僕が、休憩のために、ちょっとYouTubeでも、ということは、今後、あり得ない。

 物書きではない僕は、存在しない。

 四六時中、寝ても覚めても、書いている。

 生きること、イコール、書くこと。

 カイ、それでいいかな?

 棲み心地は、どう?

 ぽわ。ぽわ。

 超然と、胸の奥、深海の底から立ちのぼる泡を確認して、うなずきます。

 大丈夫。

 書いていける。

 過労にはならない。

 フルで真剣、ということは、いつでもリラックス、ということを意味する。

 仕切りはないんだ。

 自在に、書きましょう。

 飽きずに、頭突きを続ける、ミントのように。それでは、また。

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