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上村元のひとりごと その515:だいたい

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 家計簿を、つけてみたこともあるのです。

 でも、続かなかった。

 だんだん、お金を使うこと自体が、おっくうになって、これは、いかん。

 浪費と同じくらい、締め付けも、良くない。

 きちんと稼いで、ちょこちょこ使う。

 それが、健全な小市民。

 そう決めて、以来、一切の家計管理をよしています。

 失職した時、今度こそ、緻密な収支決済に乗り出さねばならないか。

 覚悟して、機会をうかがっていたものの、ありがたいことに、支出も激減して、どうにか、日銭を数える暮らしは、免れました。

 ずぶんふー。

 よじよじ。

 あぐあぐ。

 いててて。

 最近、炬燵にあぐらの、僕の背中によじ登り、頭頂部をかじることがマイブームの、愛猫ミントに、今日も容赦なくかじられつつ、手にしたスマホの、バッテリー残量を見つめて、ため息をつきます。

 ちょっと前までは、通帳を眺めて、同じことをしていたものだが。

 やっぱり、減るのが、恐ろしい。

 できれば、いつでも100%、充電万端で、執筆に臨みたい。

 …そんなわけに、いかないよな。

 使えば、減る。

 減ったものは、元には戻らない。

 継ぎ足された分は、そのつど、見知らぬ、新しいもの。

 …要するに、変化が、怖いのか。

 コントロールが効かない状況が、苦手なのか。

 もうそろそろ、わがままは、言っていられなくなる。

 受け入れないと。

 全てが、変わっていくことを。

 握っている、iPhoneだって、一ヶ月前には、まだ、買っていなかった。

 書こうとしている、ひとりごとだって、あと数回で、ラストを迎える。

 何一つ、固定されたものはない。

 そのなかで、軸を保ち続けるには、どうしたらいい?

 あぐあぐ。

 ぎぬぎぬ。

 いててて。

 ぶひひひ。

 いたずらな愛猫に、髪の毛を引っ張られて、涙目になりながら、しばし、苦吟して。

 ようやく、スマホを、天板に伏せました。

 だいたいで、行こう。

 適当とは、少し違う。

 なんと言えばいいか、気分任せとか、そういうことではなく。

 おおよそを、つかむ。

 それ以上は、詰めない。

 数字に頼れば、便利だし、わかりやすいけれど、あえて、それを、やめる。

 預金も、バッテリーも、体力も。

 だいたい、残ってるな。

 そう感じられたら、問題、なし。

 なんか、足りなそう。

 そう感じたら、休みましょう。

 新しいものは、かき入れるのではない。

 来てくれるのです。

 無理さえしなければ、だいたい、ちょうどいい分量になる。

 信じて、先へ、進みます。それでは、また。

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