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シンカンセンスゴイカタイアイスの思い出

ニンジャスレイヤーに興味をもったきっかけは、シンカンセンスゴイカタイアイスでした。ネーミングの元ネタを知らずに普段使いしていた事実、辿り着いた忍殺語の記事を読み、芋づる式にあの言葉もこのスラングもニンジャ由来だった......!?と、日常にニンジャが溶けこんでいた衝撃は今でも忘れられません。そんな思い出深いシンカンセンスゴイカタイアイスの話です。

出会いと別れ

シンカンセンスゴイカタイアイスと初めて出会ったあの日......小学校の入学式を間近に控えた春休み、引越しの為、私たち家族は新幹線で新天地へ向かっていました。小学校の準備や引越しの荷造り、新幹線、そしてワゴン販売で買ってもらったアイス......何もかもが人生で初めての経験でした。

あれから幾度も春を迎えた今も、あの日の光景をはっきりと覚えているのは、シンカンセンスゴイカタイアイスとの出会いと別れの衝撃が幼少期の私のニューロンに深く焼きついたからです。

この時点でもうすでに察している方もいるかと......。そうです。あの硬度......ワゴン販売が来たタイミング......迫る下車の時間......もしあの時、座っていた座席が違っていたら、ワゴン販売が来るタイミングがもっと早ければ......。

今振り返れば、よくある悲劇で笑いながら話せる失敗談のひとつですが、当時は本当に衝撃で......まさか硬すぎて一口も食べれないまま下車することになるとは......スプーンが一切突き刺さらないアイスクリームがこの世に存在していたなんて......新生活への期待と不安でいっぱいの脳内が、乗換駅で泣く泣くサヨナラした硬すぎるアイスへの未練で上書きされ、新居に着くまでずっと悪態をつく始末......世の理不尽さを深く実感した出来事でした。

それ以降、件のアイスと縁のない人生を歩みました。修学旅行で新幹線に乗ってもワゴン販売と巡り合えませんでした。ニューロンに焼きついた金色と藍色のアイスは忘れられないまま......幼少期に一口も食べれなかった硬すぎるあのアイスは幻だったのか? 幻じゃないならまだ販売しているのか? 硬すぎて下車まで一口も食べれなかった人が自分以外にも存在するのか......? 

誰かに訊くこともせず、確かめる為だけに新幹線に乗ることも出来ず、新幹線移動を組み込んだ旅行を計画することも無く、インドア人生と件のアイスが交差することなく、ただ時だけが過ぎていきました。

再会

そんな状況が変わりました。2016年11月、新幹線に乗ることになりました。生まれて初めての聖地巡礼です。ヴァンガードGにハマり、浅草旅行を計画しました。

YouTubeの配信が今月末で終了ですが、Amazonプライムで配信が始まりました!!! うれしい!!!プライムビデオのリンクが貼れなかったのでツイート経由でこちらに置いておきます......個人的ホビーアニメの金字塔の青春群像劇を是非......!

東京までの移動手段として夜行バスも候補に挙がりましたが、現地に着くまで体力を温存しておきたいのと、新幹線に乗る絶好の機会もといこの機運を逃したらもうアイスリベンジが叶わないのでは......!? ということで決断的にみどりの窓口へ向かいました。

そして浮かび上がる一つの懸念......あのアイスが本当に存在しているのか......? 嘘みたいな硬度のアイスは幼少期にみた幻ではないのか......? 存在したとしてもあれからかなりの年月が経った今現在もワゴンで取り扱っているのか......???

祈るような気持ちでネットの海へと旅立ち、辿り着いた先がこちらの記事です。

本当に存在していた......!!! 

当時、安直かつ実際わかりやすいネーミングにとにかく笑ったことをよくおぼえています。新幹線の凄い硬いアイス! まさにその通り! インターネットを通じて多くの人の間で共通言語として定着している事実がとにかく嬉しかったです。

どうして全部カタカナ表記なのかは疑問でしたが、カタコトな感じが異様にマッチしていたので深く追求せず、関連項目の忍殺語を完全にスルーしてしまいました。なんたるニアミス......! ネーミングの元ネタのマルノウチ・スゴイタカイビルに辿り着くまで、ニンジャスレイヤーを読み始めるまで約4年かかりました......。

まあ、当時の私は幼少期のリベンジの為の情報収集で頭がいっぱいだったので......何事もタイミングですね......シンカンセンスゴイカタイアイスがまだ車内販売していることを知り、あの日の無念......車内での完食の為の攻略情報を調べました。二度もあの悲しみを繰り返す訳にもいかないので......そして件の記事の掲示板で攻略の鍵を見つけました。

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コーヒー! 当時未就学児だった私が飲めなかった大人アイテムが攻略の鍵だったとは......! そしてアフォガート! なんておいしそう......!インターネット集合知に深く感謝しました......。

そして旅行当日。新幹線のワゴン販売でアイスとコーヒーを注文し、攻略の通りにスプーンを暖めながらアフォガートにして無事完食できました。あの日の悲しみを......幼少期の心残りを......ずっと心に住みついていた無念をついに......! 当時クリア出来ずにずっと気になりながらも放置したままのゲームを大人になってからようやく攻略出来たかのような達成感と共に東京に到着しました。

そしてメトロを使い浅草に着いた後、現地でレンタルした自転車で雷門やスカイツリー、隅田川など作中登場する浅草スポットを巡る旅をしました。雷門の大提灯のデカさ、仲見世通りの賑わい......当日は酉の市が開催されていて、出店を一つ一つ巡るのもやっとな程の人、人、人......。スカイツリーに初めて登り、隅田川沿いのサイクリング......。思う存分浅草を楽しみました。最高の道中と聖地巡礼......この文章を書いていて、また旅行に行きたいなあと......もう一度浅草を巡りたい......楽しい旅でした......。

アイスとビルと忍殺語

この旅行から約4年後にニンジャスレイヤーとシンカンセンスゴイカタイアイスの(間接的な)関連性を知り、興味を持ち、ニンジャの深い深い沼へと旅立つことになるとは、当時の私には想像もできませんでした。過去の自分に会って、「あのアイスのネーミング元が実はビルで、主人公の因縁の場所なニンジャの小説を今読んでいる」と話してみたいです。どんな反応が返ってくるんでしょうか......?

あの日もし、初めての新幹線で無事にアイスを完食出来ていたら、今ほどニューロンに焼き付くことも無く、数年越しに調べたりすることは無かったかも知れません。再び新幹線に乗ってアイスを食べることも、もしかしたらニンジャスレイヤーを読むことも......。無数に潜んでいる沼を、いつ、どうやって認識し、興味を持ち、どのようにしてハマるのか......。人生はタイミングの連続ですね......。

本編を読むまで忍殺小説のことはふんわりと知っていて、ネットで見かけるスラング(アイエエ!?とかカワイイヤッター!)が登場するエキサイト翻訳風の胡乱小説なのかな......? と思っていたので、実際に読んで印象が180度ひっくり返ったり(例のビルのエピソードめっちゃシリアスじゃん......)、結果的に一周して元の位置(やっぱり胡乱......)に戻ったりと、読めば読むほど、知れば知るほど印象が様々変化する読書体験に沢山驚かされました。まだ読んでないエピソードがたっぷり残っているので、これから沢山読めるのが、そして読み返すのがとても楽しみです。

アイスとビルと忍殺語、それぞれ関連性が無いと思っていた単語同士が線で繋がった瞬間の衝撃......。この衝撃で沼を知覚し、興味を持ち、こうして新たな沼にハマっていくんだなあと......。個別に知っていた単語が、点と点が線で繋がって知識にどんどん色がついていく経験が現在進行形で体験できて、毎日とても楽しいです。

未来へ......

そんなシンカンセンスゴイカタイアイスこと、スジャータアイスの車内販売が来月から再開されるそうです。(この文章を書くまで車内販売停止中の件を知りませんでした......)頃合いを見てまた新幹線の旅を実行したいです。そのときはもちろんアイスとコーヒーを一緒に注文して、車窓の風景を眺めながらアフォガートにして楽しみたいです。

東京に着いたら浅草はもちろん、丸の内も散策してビルを見てみたいなあと......。今調べたんですけど丸の内は東京なんですね......埼玉じゃないのか......埼玉県にも是非行ってみたいです。旅行に行きたい......。

2021.03.25.シンカンセンワゴンウキヨエ


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