マガジンのカバー画像

ただの言葉集め。詩ではないのかも知れない

116
変な私が集めた、変な言葉です。(2020年〜) これまでの人生を振り返ったり、現在にかけて、わりとダークな詩が多い。
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

【指切りをした夏に】

呼び戻す声と 熱せられたアスファルト あなたの光が 私と交わって どうでもよい日々の溜め息を 逃さずにいてくれたのに 過去はもう 変えられない

【愛玩】

冷たい飴を頬張って 誰かに飼われることを願って もしこの身のどこか 一つでも欠けたなら 誰も私を愛さないのだろう

【消失】

潰れた声で 潰えた夢を唄う 悲しいときに鳴けるなら あなたの今は 幸せなのに。

【憂熱-ゆうねつ-】

背にあたる水のしぶきが 私を溶かしていく その音に耳を研ぎ澄ませてみれば あの日の私がまだ 泣いていた

【忠告】

夕べの鍵は そこへ置いていって 私はあなたをまだ、何も知らないのだから

【あわれみ】

瓦礫の山で 頂点をとっても そこはただの、 瓦礫の山に過ぎない

【みかぎり】

勇気を出したその腕は やがて腐敗していくことを まだ知らない

【デジャヴュ】

そっとしておいて あなたの声は 今聞きたくない だけど、 どこにも行かないで あなたの体温は まだずっと 感じていたいの

【瀬のはじまり】

浴室の天井の水蒸気は 時が経ち限界に達すると 万有引力によって 床へと滴り落ちる 私の体が闇へ滴り落ちる時も きっとそういった原理が働いているに違いない

【pool】

痛みに強いことは 強みではなく 弱みだと知っていれば 私はもっと 今はもっと 違っていたように思う もう戻れない 取り返しのつかないあの日

【とまらないで】

食べて吐いて 食べて吐いて 変わることは 私の地獄が 深まるだけ

【悪魔との契約】

少しの痛みと 少しの罠と 少しの甘さで 私はあなたを 陥れることができるの

【偽善】

結局、金はどんなに汚い金であっても、あればあるほど喜ばれるけれど 人間の命なんて、あればあるほど喜ばれない 生まれたこと、生きていることを、カネという物との天秤にかけられ 価値のない奴は殺されるか見放されるか野垂れ死ぬかだ ゲームなんだよ

【最後だと言い聞かせて】

何度同じ道を歩いただろう 何度遠くを見ただろう 虫の音が響く頃には あなたの隣に居られますか?