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”雑務”について

自分は考えが古い人間なのかもしれません。

初めて勤めたところでは、勤務前のトイレ掃除や玄関の掃除を手分けしてやっていました。上司・先輩分け隔てなく。
業務中に先輩や上司がコピー用紙の交換やちょっとした掃除(いわゆる雑務というもの)をしていた時にはすぐに交代を申し出るよう先輩から習いました。
なぜそうするのか、というところから教えてもらったように思います。
最初は体育会系だな、と思ったし、改めて考えても勤務前に掃除することはなかったように思います。
それでもこれらが大事だと感じたので、転職してからもこういったことは続けています。

前職の上司からは転職の際、「転職したら1からだよ」と言われました。

転職後の職場にも、勤務前に清掃している年配の先輩が何人かいらっしゃいました。
他の同年代以下の先輩方は始業10分前には到着する・・・といった環境に驚きました。

そんな今の職場に勤めて早いもので7年が経過します。
その間に新しい職員が何人か入ってきましたが、掃除のことなどについては触れていません。
上司のスタンスとしては「必要なことは間違いない。でも(業務外なので)強要できない」とのこと。

納得する反面、新人、特に新卒には重要な考え方なのではないかとも思う。
そんな私は古いのかな、と自分を危ぶむ今日この頃。
改めて自分の考えをまとめてみます。

いわゆる「雑務」の重要性

「雑務」と一言で言いますが、様々なものがあります。
掃除や草むしり、ファイルや書類の整理整頓などの環境整備。
コピー用紙の補充や、パンフレット等の印刷。
来客対応やお茶出し、郵便物の受け取り。
研修や会議への参加申し込み。

本来業務以外のものは全て「雑務」と言われます。
誰でもできること、細かいこと。
放ってはおけないけれど、差し迫ったものでないことが多い。

雑務と言っても仕事は仕事。そこを任されたのであれば真摯に取り組むべきだと思います。
たまに「それは自分の仕事じゃない」感出している人もいますが、個人的には仕事を選ぶ人は大抵、好きか嫌いかで判断しています。仕事だけではなく、支援についても「(制度として)できるかどうか」とか「(本人にとって)必要かどうか」より、「(自分が)好きかどうか」で考えます(偏見か?)。そんな人に仕事を任せようと考えられないのが私です。

先輩からは「まずは素直にやってみてほしい」と言われました。それを信じて、真摯に取り組みました。
結果的には先輩から気に入ってもらえましたし、そのおかげで業務のことも円滑に質問できるようになりました。ちょっとしたミスも笑って許してもらえるようになりましたし、フォローもしてもらえました。

雑務をおこなうことは新人にとって、先輩や上司との潤滑油だと思います。
直接的には言われませんでしたが、上司はこのことを伝えたかったのではないかなと思います。
最初に言われたのが「君をどこに行っても通用する社会人にすることが最初の目標で、自分たちの責任」と言われたので。未だに恵まれた1社目だったと痛感します。

初めての職場でそれらを学んだ私は、訳あって転職することに。
その時に上司に言われた言葉が「また1年目からだよ」ということ。

転職先でも引き続き雑務に率先して取り組みました。
転職先の上司からは「組織のことをよくわかっている」と言われました。これが雑務に取り組む姿勢のことかはわかりませんが、それも含めて評価をいただいたのかなと思っています。
なにより、掃除をしていることで他の事業所の方からも認知されるのです。
「いつもやってませんか」とか「相談の人でやってるの見たの初めてですよ」とか(ドヤ)。
事業所だけでなく、法人内に馴染むのが早くなったと思います。

やっててよかった、雑務。と思ったものです。
おかげでいろいろと仕事をいただくことができました。

後輩に伝えていくかどうか

目下の悩みです。
私は雑務はとても重要なもので、それによって得た経験や、結果が望ましいものだと思っています。
これはどこに行っても役立つスキルだと思っているのです。

できればこれを後輩に伝えていきたいと思っています。
私自身が雑務を離れたい、というわけではなく、いいものを勧めたいという気持ちです。
何より、最初の上司が行ってくれた「どこに行っても通用する社会人」になってもらいたいという老婆心があります。

ただ、このご時世です。
やれ掃除をしよう、接客は一番に対応しよう、交代できることなら率先して手を挙げよう・・・なんてことを伝えていいものか。
場合によってはパワハラ?え?ほんとに?

うちの職場はそういったことをまず教えない風潮があります。
その中で自分だけがそう振舞っても独りよがりな気がする。
でも止められているわけでもない。

うーん。

上司とそれとなしに話していた感じだと、「やってるところを見せて乗ってこないのであれば教えない」という対応が適切な様子。
そうなのかなぁ。

正直、前の職場でも理事長が草むしりをしている時は声をかけるか大層悩みました。
「え?これ声掛けていいの?逆に叱られない?恐れ多くない?」と。
悩みに悩んで(この間1秒未満)、「あの、お手伝いしましょうか?」と声掛け。
「あなたには仕事があるでしょ!大丈夫よ!」と笑顔で言われて一安心。
先輩や上司に話しかけるのって大変では?と思うのです。

私が雑務をしているところを見て、交代した方がいいかもと思っても、声をかけていいものかとか、教えるという余計な手間をかけさせるのでは?とかいろいろと考えてしまうように思うのです。
まあそれを乗り越えてこそだとも思うけれど。

結局、積極的に教えてはいないという現状です。

まとめ

「雑務」と呼ばれるものは誰でもできるものですが、だからこそ誰も手をつけないこともあります。
差し迫ったものではないけれど、誰もやらないとそれはそれで困ることがあります。

そこに気付いて取り組むことで、先輩や上司との潤滑油になると思います。
いろいろなことに気付く練習にもなります。

これは私の実際の経験からです。

だからこそ、後輩に伝えたいと思うけれど、これは一歩間違えるといらぬお節介になってしまいます。
面と向かって「どう思う?」と聞くのも忖度を誘っているようですし。
いや、考えすぎか。

いずれにしろ、今は率先して伝えるというよりも、自分が取り組むことで「あ、それやっていいんだ」とか「ここに気付くと周りが助かるんだ」ということに気付ける環境を作ろうと思います。

その環境に気付いて、どう生かすかはその子次第、かな。
でもなかなかそれに気付くのって難しい(無限ループ)。

みなさんはどう思いますか?
「社会人として」みたいなことを言う先輩。
私は純粋に嬉しかったなぁ。時代かなぁ。思えば10年前ですものね。

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