諧謔日記その36:熱烈中華食堂日高屋の温玉旨辛ラーメンを食べてください。

大学出るくらいのころに家出しまして、その当時はいまと違って自炊なんて週に数回くらいしかできませんでした。暇がなくて。今よりずっと忙しかったし今よりずっと稼いでいたので。ほんまに。
そんなときにお世話になった飲食店のひとつに、あの、熱烈中華食堂日高屋があります。中学生くらいのころから既にラーメン大好き野郎になっていた白石にとって熱烈中華食堂日高屋のラーメンはぜんぜん魅力的ではなかったのですが、その印象は「温玉旨辛ラーメン」というメニューに出会うことで変わるわけです。ご存知ですか?「温玉旨辛ラーメン」です。ご存知ないですよね。なぜなら。7年前にお亡くなりになったメニューですので・・・。

7年前のそのころ、ぼくはいつものように熱烈中華食堂日高屋に入店し席に着き、水を持ってきてくれた店員が「ご注文がお決まりになりましたらお知らせください」みたいなことを言うよりも先に、モリモリサービス券(麺類または定食ライスの大盛が無料になったりする優待券ですが、昨年4月にお亡くなりになりました。)を提示しながら言った。
「温玉旨辛ラーメンを大盛でください。」
「あっ旨辛ラーメン先週で終わっちゃいました。」
「マジ?!!!??中華そば大盛でください。」
「かしこまりました~。」
かなしいね。

熱烈中華食堂日高屋のことを温玉旨辛ラーメン屋だと思っていた白石はそれから熱烈中華食堂日高屋にあまり通わなくなってしまいました。(そろそろ熱烈中華食堂日高屋っていうのめんどくさくなってきたので省略して熱中日っていいます。)まぁそれでもたまに行ってましたけど。味噌ラーメンもおいしいので。焼肉みてぇな味がするので。嘘じゃないです。

今回はここからが本題だよ!
なんとね!その「温玉旨辛ラーメン」がね!3日前から!期間限定で!復活しております!!!!これは事件!ということで、行ってきました。食べてきました。再現度高かったです。みなさんも食べてみてくださいね~チャンネル登録高評価よろしくね次の動画で待ってるね~。今回はここまで。

いやほんと、ここでどれだけ売れるかは大事なんですよ。たぶん。もし好調なら毎年の期間限定メニューとかになるかもしれないからね。日高屋に行く機会があるひとはぜひ食べてみてくれ。全国規模のチェーン中華食堂でありながら独創性とおいしさをしっかり両立できている名メニューだと思うのでね・・・。ほんまに。頼むで。ほな。

けど期間限定とはいえ690円とはずいぶん大物になったな~と思わんこともない。通って食べてたころは味噌ラーメンや野菜たっぷりタンメンと同じ500円でした。まぁこんな時代なので高くなるのはどうしたって仕方ないがな。(ちなみに味噌ラーメンはいまは580円だ。)
リンガーハットとかもそうだけどさ、一生値上げしてるけど好きな店の好きなたべものには進んでお金払っておいしい思いしたいと思ってますよぼくは。

スペースが余ったので大好きな日高屋にまつわる印象的なエピソードを3つも紹介しちゃうね。

その1:企業としてクリティカルなミステイクだったと思うけど白石は喜んだ話
熱烈中華食堂日高屋二俣川店がまだあるのかは知らんが白石がさいしょにお世話になった熱烈中華食堂日高屋が熱烈中華食堂日高屋二俣川店でした。そこで起きた事件を紹介するよ。
まぁいつものようにモリモリサービス券を使って温玉旨辛ラーメンの大盛を注文したんですけど、出てきたのが並盛の温玉旨辛ラーメンだったんです。店員にこそこそ伝えると、追加分の麺を別皿で出すという対応をしてくれたんだが、その追加麺が細麺だったんです。日高屋の麺類の麺は中華そばや
豚骨ラーメンに使用する細麺と、味噌ラーメンや汁なしラーメンなどに使用する太麺と、野菜たっぷりタンメンに使用する平麺があり、白石が注文した温玉旨辛ラーメンは太麺のメニューでしたので、追加分で麺の種類が変わってしまうのはおかしいぞ、というおはなしなわけでございます。ミスの訂正でミスをするというのはけっこう危ないミスだとは感じつつも、別に食えんもんを出されたわけでもないし、2種類の麺を楽しめてラッキーだわ程度に考えてぜんぜん満足できたのでふつうに食べてごちそうさまでした~つって帰ったんだけど、これってどうなんだろう、ファンとして騒がずに指摘するくらいしたほうがよかったのかなぁ。でもそんなこといちいち言ってくる客くそだるくないですか。いや客が客だったら怒ってることじゃないですか。どうですか。これ10年とか前の話なんですけど。ずっと抱えてるくそめんどくさい客じゃないですか。

その2:どこでも同じ値段で同じサービスを受けられるのはすごいという話
六本木とかいう洒脱的で鼻に付く街でライブに出演したとき、おやつ時くらいの時間帯に六本木駅ちかくの日高屋に行って中華そばを注文した。そんなに混んでなかったんだけど、いや混んでなかったせいもわからんが、なんか店員がずっと知り合いらしい客とおしゃべりしてる。白石のこと忘れてるのでは、というくらい談笑している。出てきた中華そばは麺が伸び伸びで海苔は佃煮のようにふやふやになっていて、茹で汁で薄味だった。調理スタッフのミスなのか配膳スタッフの提供遅れなのかまたはその両方なのかはわからんが、はじめてかもしれない「まずいラーメン」を大好きなはずの日高屋で味わうことになり、私は悲しみで涙を流しながらそれを食べたのだが、あれはおれ怒らなきゃダメだったとおもう!!!!でも分かってるよ悪いのは日高屋じゃなくて六本木だから。そんなことで日高屋を嫌いにはならないよ六本木は嫌いですけど。うんうん。どうですか。これも5年とか前のことですけどちゃんと覚えてます。くそめんどくさい客じゃないですか。私は己が才が怖い。

その3:熱烈ハードコア中華食堂
日高屋の店内BGMはたぶんUSENです。店舗や時間帯で内容は変わりますが大体は映画音楽とかの変なインストアレンジがかかってる印象。無難なやつ。
コロナ禍に入る少し前、平日の昼に秋葉原の日高屋に入ったらBGMが何もかかっていなかった。おそらく意図したものではなく機械の不具合があったとかだとは思うのだが。満員のサラリーマンどもが麺を啜る音や厨房から店員の掛け声や野菜が炒めつけられる音だけが聞こえてくる。これ、めちゃくちゃ良かった。熱烈中華食堂だと思った。
温泉施設とかに行くとよくジブリかなんかの曲がオルゴールの音色で聞こえてきて真顔になっちゃう。癒しの押し売りだと思う。これが、広大な自然を望む露天風呂なんかでも流れていると本当にがっかりしてしまうのだが、やはりそういうロケーションを備えているような所は沈黙の価値を分かっている場合が多い。音楽なんか流さなくても、そこで鳴る音や聞こえてくる音が適切なBGMになるのだ。それと同じことが秋葉原の日高屋で起きていた。
店内BGMも本来は意味があって機能があって使われているものなのだ。例えばボッサみたいな穏やかな曲が鳴っているとおしゃべりしてもいいような雰囲気が作られるでしょ。でもそういうのってやっぱり状況に応じて使われるべきものじゃん。昼休みのサラリーマンでいっぱいの飲食店を態々騒がしくする必要って、たぶんない。あの時のあの場所に適したBGMは「無音」だったのだと思う。面白い体験だった。

はい。以上です。こんなテキトウに思い出話カタカタ打ち込むだけでも3000字になるんだね。10回やれば卒論だね。(?)


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