横濱J&Bオーケストラ第28回定期コンサートにピアノで賛助出演したよ。
J&Bは横浜で30年ほど前から活動している社会人ビッグバンドだ。30年ほど前に横浜市旭区周辺に暮らしている音楽愛好家のシニア世代を集めてビッグバンドをやるという行政絡みのイベントがあったらしく、そこで集まって本番を終えた参加者たちが「この1回きりで終わっちゃうのはもったいない」と言って発足したバンドだそうで、バンド名にあるJ&Bは「ジャズ&ブルース」であると同時に「じいさん&ばあさん」でもあるんだとか。
ぼくはこのビッグバンドに大学3年生になるころから7年半ほどピアニストとして所属して大活躍していた。それはもう、ジブンで大活躍とか言えちゃうくらいには活躍していた。
J&Bの独自性のひとつに「専属のアレンジャーがいる」ということがある。バンドが発足するころからずっとトレーナーとして関わっている篠崎秀樹というプロのミュージシャンがその正体だ。彼は演奏家であり作編曲家でもあるのだが、音楽学校で音楽理論や作編曲を教えていたり、自身が主宰するラージアンサンブルで同年代のみならず若手を起用していたりする様は、伝道師のようでもある。J&Bに所属することは、彼の元で習うことに等しいとぼくはおもっていたし、実際、ぼくはここに所属することでプレイヤーあるいはパフォーマーとして、そしてコンポーザーまたはアレンジャーとして多くのことを吸収して育ったわけだ。ぼくにとってJ&Bは修行の場だったし、いまでは故郷のような存在なのだ。
そんなわけで、退団後も力になれる機会があれば進んで手を貸してきた。とりわけコロナ禍突入後はメンバーが減ってしまい継続が困難な状況にあったので、練習用トラック制作や演奏会当日の裏方など、積極的に関わってきた。そして今回、定期コンサートでのピアノを担当することになった。プロのピアニストとして呼んでくれるありがたさ、元気な若手ではなくプロとして立ち振る舞わなければならないプレッシャー、団員にピアニストがいないことへの不安、稽古場に通うことへの面倒臭さ、いろんなことを感じながら引き受けた。
やっと本題です。横濱J&Bオーケストラ第28回定期コンサートで演奏した曲をセットリストに沿ってプレイヤー目線で感じたことなどを記録しておく。ジブンのためにね。
終演後はメンバーみんなでロビーに出てお客様のお見送りをする。毎年しらないひとたちが沢山声をかけてくれた。回を重ねるごとに見覚えのあるひとが増えていき、そのうちいっしょに写真を撮りたいというひとやお手紙を渡したいというようなひとが列を作るようになっていった。
ぼくはJ&Bに在籍している間に「お客様のために」とおもって活動しているつもりは一切なかった。ただ演奏することが楽しかったり、ピアノを弾いて仲間たちを驚かせるのが面白かったり、舞台でMCなどお客様に向けたパフォーマンスをすることもあったがそれは単に「こんなことやったら面白い舞台になるよな」とおもってやっていただけのつもりだ。だからファンがつくことにはかなり驚いていたが、純粋にジブンにとっての面白さを追求した結果がこうやって目に見えるところに出てくるのだという成功体験になり、演奏家やパフォーマーとしてのジブンが育ったのだとおもう。
きのうも沢山のひとが話しかけにきてくれた。ほんとうに毎年見に来てくださってるひとはすごく嬉しそうにしてくれていた。手紙を書いてくれたひともいたし、封筒にチップを入れて渡してくれたひともいた。ぼくは「初心忘るべからず」とかいう言葉にありがたみを感じないタイプの人間だ。それはこういう、忘れようのない初心に立ち返る機会がちょいちょいあるからだとおもう。
会場片付けて撤収したら打ち上げへ。ここでひとりひとりと乾杯をする時間も好きだった。みんなぼくの演奏に関して何かしらコメントしてくれるし、ぼくもひとりひとりをソロを睨みながら伴奏しているので逆にコメントすることができる。めんどくせ~オッサンや無理矢理酒を飲ませてくる盛り上げ担当もいねぇ、純粋にライブの反省や好きな音楽の話をして盛り上がるのはサークルの打ち上げならではだとおもう。同じものを食べてお互いの健闘を労い合うかんじがとても心地いい。二次会にも行って終電まで飲み食いして帰りの電車で死んだように寝て家に着いて死んだように寝た。
今朝起きたらめっちゃ喉痛いし鼻水出るしで風邪なのか強めの花粉症なのかわからないかんじになってた。大事な舞台が終わってからでよかったとおもった。今回はここまで。