新断熱材

(専門分野である建築資材についての私見です)

 産業技術総合研究所ナノシステム研究部門は、熱伝導率0.016W/メートルKと真空断熱の0.01W/メートルKに近い断熱材を開発した(名古屋のイノアックコーポレーションとの共同開発)。

空隙率90%以上のシリカエアゲルとポリプロピレン(PP)の複合材。シリカエアゲルはもろく、力を加えるとボロボロと崩れてしまったが、複合材はPPで表面を覆われており、崩壊しない。曲げられるし粉末も発生しない。ただし、現段階では製造コストが割高なので、安く作れる技術の開発がポイント。建築材においては、断熱性能の向上が急務であるが、今のところ真空にまさる断熱は見当たらないようだ。

もし、この素材が安価に普及すれば省エネルギーのホープになるかもしれない。良いマンションは断熱性に優れていて、冬の暖房も夏の冷房も、ほんの何回かしか使わないですむ。戸建てはその点どうしても冷暖房では不利である。グラスウールに代わるものの登場が待たれる。(グラスウールは湿気を吸いこんで、解体の時見たらしっとりと垂れ下がってしまっていた)

#建築 #断熱材 #省エネ #先端技術

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