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鉄スクラップで景気を見る

元アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長のグリーンスパンは、朝起きて最初にチェックするのが、鉄スクラップ市場の動向だった。

世界経済が変わる予兆はスクラップ市場に顕著に現れる。

リーマンショックが起きる2008年秋前の夏場から、スクラップは急落していた。原因は「鉄余り」時代になったことだという。鉄鉱石価格も2014年2月からほぼ半分まで下がった。その背景は中国の建設不況で、中小の鉄鋼メーカーの整理淘汰を進めていても、大手が相変わらず増産して、制御が効かないらしい。鉄を消費する分野は鉄道建設が主たるもので、かつてのマンション住宅投資は冷えている。箱モノを作り続けないと保たないのであれば、鉄の構造的な過剰生産は解消できない。

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