レコード試聴盤コレクション。三菱電機編

レコード試聴盤を探る旅、今回は20回目です。DIATONE(三菱電機の登録商標)MITSUBISHI stereophonic demonstration test recordをご紹介します。収録曲は「星をみないで」「思い出のソレンツァーラ」「バラ色の人生」「木曽節」の4曲。この試聴盤は、レコードの説明文が分かりやすい文章なのでご紹介します。

〇ステレオ・レコードの音のヒミツ
 ステレオでない従来のレコード(モノラール)は、片耳だけで聞くような音が収録されていました。私たちが片耳をふさいでみると音の方向感や遠近感が失われ音質もふだんと違って聞こえることを経験します。
 1枚のレコードに、二つの耳でとらえた音をなんとかして別々に記録し、自宅のプレーヤーでそれぞれ別々に再生して、音の立体感をも味わいながら音楽が聞けないものかと、たくさんの人が考え、種々な工夫がなされていました。その結果1957年に今日のようなレコードが出現したのです。
 ステレオ・レコードの音溝は左右だけでなく、同時に上下(垂直)にも振動が記録されています。ただし、左右、上下の動きにそれぞれ右の音、左の音を記録したのでは種々の条件によって、再生したときの左右の音の特性が変わってしまいますから、それぞれ45度の傾けて、どちらも同じ特性で再生できるように考えられました。こうして今までよりずっと立体的な広がりをもつ音を、レコードで簡単に聞けるようになったのです。

三菱電機
表面
裏面

<一口楽曲紹介>
1曲目の「星をみないで」は、ステレオ感にあふれた楽曲。
2曲目の「思い出のソレンツァーラ」は南国感にあふれた楽曲。
3曲目の「バラ色の人生」は、サックスの音色が心地よい楽曲。
4曲目の「木曽節」は、威勢のいいエレキギターの楽曲。

日立製作所の試聴盤と同様に、三菱電機もキングレコードと共に試聴盤を製作している。モノラルとステレオの違いや、レコードの正しい聞き方について懇切丁寧に説明されおり、初心者向けの試聴盤となっている。レコード入門にはぴったりの試聴盤だ。


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