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翻訳可能なフィンランドと日本の苗字たち


私の苗字の坂田をフィンランド語に訳すとしたら、坂道のmäki(まき)と、田畑のpelto(ぺると)を繋げて、Mäkipeltoになる。

ちなみにMäkipeltoさんはフィンランドに実在する。

実際に私が出会った一番近い例でいえば、去年ヘルシンキの空港で、Peltomäkiさんが呼び出されているのを見かけた(田坂さん)。



言葉を組み合わせて苗字にできるのは、フィンランド語が、日本語の熟語のように言葉を繋げて表現することができる性質のせいもあるかもしれない。

この苗字翻訳可能な件はフィンランド人と話す時の面白いテーマになる。

去年の世界陸上はフィンランドからテレビで観戦していたが、日本人選手が出てくる度に「あの人はKeskisaari、この人はPienilamppi、この人は直訳するとPeltokeskiだけどフィンランド語だとKeskipeltoの方が苗字っぽいよね」とフィンランド語に訳して盛り上がった。



一方、フィンランドの苗字として日本で話題になるのは、「〜ネン」という、なんだか大阪弁のように聞こえる苗字だろう。

映画「かもめ食堂」でガッチャマンの歌詞を知りたがっていたのはトンミ・ヒルトネンだったし、フィンランドが産んだ有名F-1ドライバーはハッキネンとライコネンだ。

アホネンさんは大阪人のお気に入りの苗字に違いない。


フィンランド人に名前の意味を聞いても、「ただの名前で意味はないよ」と言われることも多い。

ただ、フィンランド語の形容詞はsuomalainen(すおまらいねん:フィンランドの)、sininen(しにねん:青の)のように〜ネンで終わるものが多い。

だから私は勝手に、苗字も形容詞のように機能していたから「〜ネン」が多いのではないかと理解している。

源(の)頼朝、平(の)将門のように、Nieminen Aino(半島のアイノ)、Virtanen Mikko(流のミッコ)と考えていたのではないかと。


私も「坂田のなるみ」的に、Mäkipeltonen Narumiにしてもよかったのかもしれない。



# サムネイルはカウリスマキの最新作「枯れ葉」をフィンランドでみたときのもの。カウリスマキは鹿坂さんである。

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